パーキンソン病の新薬承認目前か?!ラサギリンメシル塩酸とは?

パーキンソン病

2017年06月29日に武田薬品工業株式会社が、パーキンソン治療薬『ラサギリンメシル酸塩』の製造販売承認申請を厚生労働省に提出したと発表しました!

パーキンソン病の薬は❝飲んでみなくちゃ自分に合うかどうか分からない❞とは思うものの、やっぱり「新薬」の文字には心浮き立つものがあります。

2014年04月28日に武田薬品が「テバ社(本社:イスラエル)」と同年にテバ社が保有するパーキンソン病治療薬『ラサジリン』の日本での製品化に関する契約を結んだことを発表しています。

たまたまネットで、武田薬品がとんでもなく遠い国の会社と契約したんだな~。まぁ、まだ10年位はかかるだろうと、進捗状況には期待はしていませんでした。それが、もう製造販売承認申請‼じゃあ!販売はいつ頃からか⁉なんて、ついつい期待してしまいます。

新薬ができるまでの工程を書いた記事はこちらです。⇒クリック

今回は、
①『ラサギリンメシル酸塩』とは?
②『ラサギリンメシル酸塩』は他国では承認が下りている?
③日本で使われているモノアミン酸化酵素B阻害薬エフピーとは?
について書いていきたいと思います。

 

『ラサギリンメシル酸塩』とは?

『ラサギリンメシル酸塩』は、モノアミン酸化酵素B(MAO-B)阻害活性を有する抗パーキンソン病薬。MAO-Bに非可逆的に結合し、脳内のドーパミンの分解を抑制することによって、脳内のドーパミン濃度を高めることができるのです。

今、日本でパーキンソン治療薬として販売承認を得ているモノアミン酸化酵素B阻害薬は「セレギリン(商品名:エフピー)」があります。この薬が最初の主治医との険悪な関係の❝元❞なのですが(薬のせいでは決してありません)、抗うつ剤全てと併用禁忌なんです。

そして私は今、薬の選択肢を増やすべく抗うつ剤の断薬に再挑戦中です。減薬から断薬になって3週間が経過した今でも、食欲不振、不眠に悩ませれていますが、リフレックスという抗うつ剤に対しての執着心は今のところ全くありません。不思議です🤔

エフピーが何故、抗うつ剤と禁忌か…など医師が患者に説明はなかったですね。日本は不思議な国です。セレギリン(エフピー)は抗うつ薬やメペリジン、セロトニン再取り込み阻害薬と一緒に服用すると、急性の中毒性相互作用を生じる可能性があるそうです😱そりゃ、併用禁忌でしょうね。

日本で承認されている「MAO-B阻害薬」は塩酸セレギリン(エフピー)だけ‼飲んでみないと自分に合っているかが分からないパーキンソン病にとって、将来、それも近い将来に選択肢が増えるのは嬉しい限りです。

また、MAO-B阻害薬はノルエピネフリンやセロトニンなど他の神経伝達物質の分解も抑制するので、服薬すると意欲が出たり、気分が明るくなる傾向があるそうです。

『ラサギリンメシル酸塩』は、他の国では使われているのでしょうか?

エ~ッ!て思ってしまいますが、テバ社により開発された「ラサジリン」が初めて承認を得たのはイスラエルと欧州で、なんと2005年のこと‼もう一昔も前のことではないですか‼

そして現在、『ラサギリンメシル酸塩』が承認されているのは、米国・カナダ・イスラエル・メキシコ・欧州諸国など55ヵ国‼一体、日本はどうなっているのでしょう⁉

使い方も、海外ではパーキンソン病の治療薬として、❝単独療法❞、❝レボドパとの併用療法❞の両方が認められています。米国においては、レボドパ非併用下でのドパミンアゴニストとの併用療法についても認められているそうです。

テバ社と武田薬品の契約は、治療の選択肢が限られているパーキンソン病へのアンメットニーズ(未だ有効な治療方法がない医療ニーズ)が高いことから、両社が中枢神経系疾患領域において提携を結ぶことにしたものなのです。
※この契約の前年に、テバ社の「多発性硬化症治療薬グラチラマー酢酸塩」に関する提携を行なっています。

2014年にテバ社と契約を結んだとき、グローバルR&Dプレジデント兼チーフサイエンティフィックオフィサー Dr. Michael Haydenは、「パーキンソン病に適用できる治療法が未だに限られている日本にとって重要な製剤になるでしょう」と述べています。そんなに日本って遅れているのでしょうか⁉何だか悲しくなります。

 

現在日本で承認されている塩酸セレギリン(エフピー)の効果・効能は?

 

『ラサギリンメシル酸塩』のところでも書きましたが、ドーパミンを脳内で分解してしまう酵素「MAO-B」の働きを抑えることによって、ドーパミンの量が減らないようにします。結果として薬の効き目が長続きするわけです。そうすると、あの嫌なウェアリング・オフ現象が改善されるということになります。

また、モノアミン酸化酵素B阻害薬には、ドーパミンの作用を強める作用があると言われています。欧州や米国と違って、モノアミン酸化酵素B阻害薬は他の抗パーキンソン病との併用が厚生労働省から決められた使用条件です。

ただ、レポドパの効き目を長続きさせたり、レポドパの作用を増強させたりする効果がある反面、幻覚・妄想やジスキネジアといったレポドパで見られる副作用が新たに出現したり、増強されるということも考えられます。

また、不眠も副作用の代表的なものです。けれども副作用のない薬はありません。エフピーは、比較的副作用自体が少ないことでも医師が患者に勧めやすい薬なのだと思います。

既に55ヶ国で承認されている薬ですから、このまま順調に審査が進めば2018年中の承認取得が見込まれるのでは⁉という記事もありました。誰にも分からないと言いきかせても、どうしても1日も早く承認申請が認められる日を待ち望んでしまいます。

 

コメント

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