パーキンソン病患者は、熱中症になりやすいって本当?

パーキンソン病

ジメジメとした鬱陶しい季節がやってきました。私たちパーキンソン病患者にとって、ただでさえ調整が難しい“自律神経”が悲鳴をあげています。そして、注意しなければいけないのが水分不足による“便秘”や“認知症”、そして“熱中症”です。

以前、水分補給が少ないと、便秘や認知症まで引き起こすかもしれないという記事を書きました。その記事はこちらです。⇒クリック

頭では『水分摂らなきゃ!』って分かってるんです。けれど、私の場合ですがついつい忘れてしまうんです。不思議なことに…。パーキンソン病になると喉の渇きを感じにくくなると言われています。また、パーキンソン病の発症は高齢になるほど多くなるため、水分不足に対する注意がより必要になると考えられます。

この季節になると盛んに、熱中症に気をつけましょう!とNEWSでも番組でも取り上げられます。対策用の飲み物も販売数を伸ばすでしょう。今回は、シッカリと基本に戻って『熱中症』について調べていきたいと思います。

 

『熱中症』とは?

 

通常私たちの身体の中では、熱を作る“産熱”と熱を体の外へ逃がす“放熱”のバランスがとれています。この産熱と放熱のバランスが崩れると、熱中症が起こるのです。

【熱中症の分類】

◆熱失神
皮膚血管が拡張することで血圧が低下し、脳への血流が悪くなることにより発症します。
主な特徴:メマイ、一時的な失神、顔色が悪い、脈が速く弱くなる

◆熱けいれん
汗を大量にかいたとき、水の補給だけしかしなかった場合、血液の塩分(ナトリウム)濃度が低下し、発症します。
主な特徴:筋肉痛、手足がつる、筋肉のけいれんなど

◆熱疲労
汗を大量にかき、水分の補給が追いつかない状態。身体が脱水状態になります。
主な特徴:全身倦怠感、吐き気や頭痛、判断力の低下

◆熱射病
体温の上昇のため中枢機能にまで異常がみられる状態。ショック状態になる場合もあります。
主な特徴:体温が高くなる、意識障害※呼びかけなどに対しての反応がにぶい、ろれつも回らない、ふらつきがみられる ここまでくると非常に危険ですよね!

【熱中症になりやすい季節】

 私たちでも容易に想像できるのは、太陽がこれでもか!と照りつける真夏。熱中症による救急搬送は、真夏日(最高気温30度以上)で、発生し始め、猛暑日(35度以上)で急増するそうです。

そして、忘れてはいけないのが「梅雨の晴れ間」や「梅雨明け」の頃!この時期は身体がまだ暑さに慣れていません。そのため、うまく汗をかくことができず放熱量が低くなり、体温調節が機能しにくい状態に!完全に夏になって暑い日が続くと、“暑熱順化”といって身体が徐々に暑さに慣れてくるのだそうです。

★最近では、もう室内でも『熱中症』になることは広く知られていますね!特に注意しなければならないのがお風呂場や洗面所(洗濯機や乾燥機の熱)!とにかく湿気の多いところは要注意だそうです。

また、寝室の場所も要注意!1階よりは2階と上に上がるほど昼間に上がった気温や湿度で熱がこもっているのです。窓を開けたり、冷房(あくまで適温)をうまく利用して熱中症対策をしましょう!

パーキンソン病の私たちは『熱中症』に一層の注意を!

 

パーキンソン病の患者さんの中には、上記のように高齢のために喉の渇きを感じにくくなる場合、そして“誤嚥でむせる”ことを心配するあまり、水分補給に消極的になる場合もあるそうです。これは、高齢者のみならず、ある程度進行期になってくると大き目の錠剤の時はヒヤッとしたことが何度もあります。

でも、それでは熱中症になるリスクを高めるだけです。また、便秘にも拍車がかかります。まずは安全に、かつ充分な水分補給の工夫が必要ですね!

水分は“水”だけではありません。お茶やお味噌汁、スープなども水分です。誤嚥(ごえん)を防ぎ、充分な水分補給のためには「とろみ」をつける!これが、一番簡単な方法だと思います。

「とろみ」といっても、ほぼ無味無臭ですし、進行状態に合わせて「とろみ」を調節できます。誤嚥と熱中症の両方を予防できるのですから優れものですよね!

そして、薬物療法しか症状を楽にする手段のないパーキンソン病患者にとってはエッ!って言うしかないのですが、熱中症になりやすい薬にパーキンソン病の薬が挙げられているのです。

上記にもあるように、私たちは汗を出すことにより、体温の上昇を抑えることができるのです。けれど、汗を出す働きを弱くする薬もあるのだそうです。それが「抗コリン作用」とよばれる作用をもつ薬です。

パーキンソン病は、脳内のドーパミンとアセチルコリンとのバランスが崩れ、アセチルコリンが相対的に多くなっていると考えられているそうです。そこで、抗コリン薬によって相対的にドーパミンを増やすのです。ただ、近年、健常者と比較するとアセチルコリンも減少することや、認知症や精神症状の副作用が多いことから、特に高齢者では使用を控えたほうが良いとされているとのことです。

※酔い止め、総合感冒薬、咳止め、胃腸薬の中に入っている場合もあるそうです!

まとめ

 

私は、今回熱中症を調べてみるまでは、とりあえず“水”を欠かせないことが第一!と思っていました。けれど、大量の汗をかき、症状が悪化している時に水だけを飲み続けると、脱水が悪化してしまう!ということを知ってビックリです。

汗をかいて、塩分などの電解質を失ったときに、水だけを補給すれば、体液の電解質濃度が薄くなってしまう「低ナトリウム血症」になるそうです。

熱中症の応急処置のキーワードが「FIRE」だそうです。
F:水分補給(Fluid)
I:冷却(Icing)
R:安静(Rest)
E:119番通報(Emergency) これは心がけておくべきですね!

私たちの身体から1%、たった1%の水分が減っただけでも意識障害がおきるそうです。これからの気候は、私たちパーキン病患者を一層苦しめますが、少しでも元気に暮らせるよう、熱中症になどならぬよう気をつけましょう!

ちなみに、私はパソコンラック、作業台にクリップ状のカップホルダーをつけています。ひとつ作業が終わるまでに飲みきることを課題にしてます。

 

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