大阪大学の追撃!『ネクジン』はパーキンソン病の新規治療法となるか?

パーキンソンン病の治療の展望

『iPS細胞』の発見以来、パーキンソン病の治療、再生医療と言えば「京都大学」が直ぐに頭に浮かんできます。ところが、大阪大学が『ネクジン』というタンパク質がパーキンソン病の進行を抑制することを証明したというニュースから、がぜん阪大に勢いが出てきているような…‼『ネクジン』は新規治療法となるのでしょうか?

大阪大学では、2016年の9月に日本でも承認がおりた「レボドパ・カルビドパ配合経腸用液( デュオドーパ®)」の治療も行なわれていると思います。今、パーキンソン病の新規治療法の開発に成功!と大々的に発表され大阪大学蛋白質研究所が注目を集めています。

『ネクジン』とは何なのか?どうやってパーキンソン病の進行を抑えることができたと推定されたのか?そのあたり調べていきたいと思います。

 

 

 

大阪大学医学部神経内科って凄いですね!


「大阪大学大学院医学系研究科 神経内科学 神経内科・脳卒中科」ってもうこれだけでもどんな事が研究されてるんだろうって思いませんか?

❖パーキンソン病 パス入院

短期(1週間)の入院で、パーキンソン病・パーキンソン症候群の患者の現時点での病状を評価するものだそうです。その上で医療・療養の調整を行うものとなっています。良いですね‼

対象:パーキンソン病、パーキンソン症候群
期間:約1週間
内容:脳MRI,ドーパミントランスポーターイメージング、血液髄液検査、嗅覚検査、心理検査、リハビリ指導、在宅療養環境支援
※患者の症状によって検査内容や入院期間は異なる場合もあるようです。
※短期評価入院を希望する場合は、主治医を通して「検査入院」を希望する旨紹介状に明記し阪大病院保健医療福祉ネットワーク部に紹介してもらうとスムーズなようです。一度、話をしてみようかと思います。

パーキンソン病やパーキンソン症候群は、患者によって症状が様々です。限られた外来診察時
間では十分な評価が難しい疾患で、実際の日内変動などは見てもらうことはなかなかできません。

画像検査を含めた客観的な指標の評価、病状の包括的な評価をしてもらうことは、日常の診察に活かすことができると思います。

❖遺伝子診療部

遺伝カウンセリングは、外来で行われています。『家族性パーキンソン病』は望月秀樹が担当されています。『出生前検査』も行われています。
★詳しい外来担当表はこちらです。⇒クリック

❖難病医療推進センター

このセンターの目指すところは、「難病に関するより適切な情報の提供」、「難病に関する治験あるいは臨床研究の推進」、「治療法の開発や今後の難病対策の発展」への貢献。

いまだ、原因が分からず、診断がついていない未診断の患者さんの診断、最適な医療の適用に対し積極的に対応する。

IRUD(未診断疾患イニシアチブ)診療体制の小児と成人の両方の地域拠点病院となる。そして、遺伝子診療部や各診療科と連携しながら、未診断患者の診断に努める。

専門医・看護師が出向し、地域かかりつけ医の難病に関する知識向上と病状についての情報交換をするための同行訪問事業や、地域の診療所や病院等の医師・医療スタッフの難病在宅医療に関する知識向上等のための研修会などを行う。

ということです。大学病院の専門医が地域治療を牽引してくれれば、大病院で診察を受けられない患者にとっては地域の治療レベルが上がりますから、嬉しいことですよね‼

※IRUD(未診断疾患イニシアチブ)は、日本全国の診断がついていない患者さんに対して、遺伝子を調べ、その結果を症状と照合し、希少難病や、未だ知られていない新しい疾患を診断を目指します。治療法が分からないどころか、知られてすらいない病気があるんですね!

他にも「多発性硬化症の患者に対する血清Sema4A測定」、「筋強直性ジストロフィー患者登録」、「筋萎縮性側索硬化症患者対象の医師主導治験」など、様々な難病への取り組みをしています。頑張って欲しいです‼

そんな大阪大学から『パーキンソン病の新規治療法の開発に成功!」という発表が!

その発表は2016年3月のものです。阪大の神経内科学の望月秀樹教授らの研究チームが、神経細胞の減少を防ぐ❝タンパク質❞を使って、パーキンソン病の進行を抑えることに成功したというものでした‼パーキンソン病は根治治療もなければ、進行を止めることもできません。ですから、私たちパーキンソン病患者にとっては『進行が止まる』だけでも大きな進歩なんです

この時点では、動物実験による成果でしたが、新しい治療法の開発につながる可能性があるとのこと!やっぱり期待しちゃうんですよね…。

研究チームによれば、パーキンソン病は細胞内の❝ミトコンドリア❞が傷つき機能が低下することで、脳の神経伝達物質「ドーパミン」を出す神経細胞が減少し、手足の震えや歩行障害などのいわゆる運動症状が出るということに着目‼

ミトコンドリアは、細胞内でATPという化学物質を合成する器官です。ATP(アデノシン三リン酸)はエネルギー源ですから、ミトコンドリアの機能低下は、例えるならば❝細胞のガス欠状態❞のような感じでしょうか。

健康なドーパミン神経細胞に豊富に存在する『ネクジン』は、PGC-1αを安定化して神経変性を防ぐために重要な働きをしていたのです。

そして、神経細胞の減少を防ぐことで知られるタンパク質『ネクジン』が、ミトコンドリアの働きを促進することを発見。パーキンソン病を発症させたマウスの脳に『ネクジン』の遺伝子を導入してみたところ、約90%の神経細胞が生き残り、症状の進行が抑制され、導入しない場合は、30~40%しか生き残らず、症状が進行したと推定したようです。

パーキンソン病の画期的な治療法になりうるとともに、ミトコンドリア障害によって生じる他の神経変性疾患の予防や治療法開発にも期待できるとのこと。そして、望月教授らは「数年内に臨床研究を目指す」としていますが…。

❖ネクジンとは

ネクジン(Necdin)は、吉川教授の研究グループによって1991年に発見されたタンパク質です。哺乳動物の神経細胞に豊富に存在し、様々なたんぱく質に作用することで神経細胞死を防ぐことが知られています。

❖PGC-1αとは

ミトコンドリアを構成するタンパク質やエネルギー代謝に関連する酵素などの遺伝子を活性化するたんぱく質。PGC-1αが増えると、ミトコンドリアの数と活性が増えます。ただ、神経細胞内のPGC-1αが、どのように調節されているかは解明されていません。

ただ頭をよぎるのは、今までも「パーキンソン病」の治療に光!として❝一酸化窒素❞などが取り上げれてきましたよね!2013年、英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に発表されました。

友人などは、新聞の切り抜きを同封した手紙を送ってくれました。これで治るね‼って我がことの様に喜んでくれました。が、その後はどうなったのでしょうか?

この時も「NO(一酸化窒素)の細胞保護の作用だけを利用できる薬剤を造れれば、多くの患者の症状を緩和できる可能性がある」と掲載されていました。私たちの知らない所で研究が進んでいるのかもしれませんが、どうか消えてしまわずに実用化の実現までたどり着いてもらいたいです。

2017年、大阪大学は蛋白質研究にどのように取り組んでいるのでしょう?続きは次回で!

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました