パーキンソン病と同じ〝レビー小体病”の『レビー小体型認知症』について調べてみました!

パーキンソン病

高齢化社会からパーキンソン病患者が増えるのは間違いない…。また、パーキンソン症候群の患者数も増えるのも確実です。

そして、ますます『認知症』の介護の問題が大きくなっていくでしょう。老々介護も増えることも避けられないのが現実です。認知症の5割を占めると言われている「アルツハイマー型認知症」、約2割が「脳血管性認知症」、そして同じく約2割が「レビー小体型認知症」で3大認知症と呼ばれています。

特にパーキンソン病と関係が深いのが「レビー小体型認知症」。まだ、その病名も具体的な症状や対処法などあまり知られていないように思います。

今回は、その3大認知症のひとつである『レビー小体型認知症』について書いていきたいと思います。

 

『レビー小体型認知症』とは?

横浜市立大学の名誉教授小阪憲司氏が発見した疾患で、病理学的には、大脳と脳幹の神経細胞の脱落がおこり、レビー小体が多数出現する事が特徴です。

*「三大認知症」とは?アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症の3つです。

最も多いアルツハイマー型認知症が全体の50%、レビー小体型認知症は2番目で、20%を占めます‼以前にも書きましたが、レビー小体型認知症の原因は“レビー小体”という異常なたんぱく質の蓄積❗そして“レビー小体”は、パーキンソン病患者の脳にも確認されるたんぱく質なのです。

ここまでは解明されているのですが、なぜこの異常な「たんぱく質」が蓄積するのか!というところまでは、わかっていません。

なんだか、あと1歩みたいでもどかしい。そして、レビー小体型認知症は“レビー小体”が大脳皮質や脳幹に広がることで発症します。

《レビー小体型認知症の症状と特徴》

実際にないものが見える「幻視」
レビー小体型認知症で、最もよく知られていて、特徴的な症状は「幻視」が挙げられます。虫や動物、人など、実際は無い物が見える症状で、ハッキリと見えますす。※幻視の症状から、妄想に発展することもあります。

振戦や筋固縮などの身体症状
レビー小体型認知症の特徴的症状で、パーキンソン病と同様の「手足のふるえ」や「筋肉のこわばり」などの身体的な症状がでます。誤診に繋がりやすい原因です!

認知機能の低下
注意力など認知機能の低下!アルツハイマー型と比べ、レビー小体型の初期は、記憶障害が現れない事も!また、自分がいる場所や時間などの状況を把握する能力に障害がおこる「見当識障害」も、比較的軽い傾向があるといわれています。

うつ症状やレム睡眠行動障害
これも誤診の原因になるのですが、初期から“うつ症状”が見られるケースが多いのです。また、寝ている時に暴れる、大声を出すといった異常行動がみられる、レム睡眠行動障害と呼ばれる症状が出る事もあります。

《レビー小体型認知症の進行は?》

レビー小体型認知症は進行が速いと言われていて、発症からの全経過が10年未満とされています。ただし、症状や進行には個人差が大きく、治療やケアによって進行を遅らせることができると考えられています。
※アルツハイマー型は徐々に進行していくと言われています。

時間帯や日によって頭がハッキリしている時と、極端に理解したり判断する力が低下しボーッとしている状態を繰り返しながら進行します。

《レビー小体型認知症の診断は?》

頭部MRIでは全般性の脳萎縮を認めますが、海馬の萎縮はアルツハイマー病より軽度とされています。

脳血流SPECT検査では頭頂葉、側頭葉、後頭葉という場所で血流低下を認めます。後頭葉は
アルツハイマー病では低下しにくく、専門医はアルツハイマー病との鑑別をしています。

MIBG心筋シンチグラフイー検査では、心筋へのMIBGという薬剤の取り込みが低下します。
これもレビー小体型認知症の診断に役立ちます。

《レビー小体型認知症には有効な薬はあるの?》

現時点では、進行を止めたり、完治させる特効薬はありません。今まで認知機能の低下や幻視、うつ症状などに対応する治療薬を服薬するのが一般的でした。

現在では『アリセプト』という薬が治療に有効ではないかと注目が集まっています。ただ、症状を更に進行させてしまうこともあるため、他の治療手段と合わせ主治医と慎重に様子を見ていく必要があります。

『アリセプト』は、脳の情報伝達物質を減少させる酵素「コリンエステラーゼ」の働きを弱めると いう効果があり、認知機能の低下、変動、幻視症状に対して有効とされています。
※2014年からは、『レビー小体型認知症』の治療薬として保険適用薬となりました。

《レビー小体型認知症の患者さんへの対応は?》

幻視に対し、周囲が否定しないように!本人には見えていますから「馬鹿にされた!」と思って怒ったり、暴力を振るったりすることがあります。

話を合わせて、虫などを怖がってるなら、追い払う仕草をしてあげたり、人が見えている場合は「帰ったよ」などと話を合わせてから話題を変えましょう。

※レビー小体型認知症サポートネットワークなどを利用して、家族も患者も孤立しないようにしましょう!

 

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