パーキンソン病のデバイス治療のひとつ「デュオドーパ」。その結腸療法がアドヒアランス低下例に効果あり。

パーキンソン病

ネット検索をしていると「デュオドーパ」の経腸療法、アドヒアランス低下例に効果。順天堂大・服部教授順天堂大医学部神経学講座の服部信孝教授が、アッヴィ主催のプレスセミナーで講演し、パーキンソン病治療で腸管に直接、レボドパ製剤「デュオドーパ」を投与するレボドパ経腸療法について話しをされたようです。

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ただ、このわずかな文章でも知らない言葉が!“アドヒアランス”、“結腸療法”などです。とにかく、驚くほどの横文字、専門用語の氾濫!一般の私たちの中でこれらの専門用語が分かる人ってどのくらいいるのでしょう?

また、パーキンソン病患者の間では、かなり知られてきた「デュオドーパ」。これまでも記事として取り上げてきましたが、なぜかデュオドーパに関する検索の記事は限られたものが多いような気がします。

今回、上記の記事のほんの見出しだけでも知らない言葉が出てきます。最近のニュース(特に医療系)では、当然のように聞いたこともない横文字が!前後を聞くと“そうかもしれない…”と想像するしかない時もあります。そのあたりを調べながらもう少しデュオドーパについて書いていきたいと思います

 元々の言語でないと上手くイメージが伝わらないものは仕方がないですよね。楽器なんかもピアノを別の言い方に無理矢理変えた方が余計分かりにくいです。

でも『リスペクト』って(もう古いですが)そんなに使わないといダメですか?テレビを観ている人の年齢層は広いです。『尊敬している』の方がスッと入ってくるように思うのですが…。

それと同じで、医療機関内で専門用語を使うのは当然でしょう。けれど、ニュースなどではできるだけ誰にでも分かる言葉で伝えて欲しいと思います。その方が“アドヒアランス”のためにも良いのでは?!

「アドヒアランス」ってご存知ですか?


例えば、主治医の診察日に『近頃、アドヒアランスが低下気味じゃないか?』って、急に言われたらどういう反応をしますか?もちろん、自慢できることではありませんが、私は知りませんでした。

もし、私が先生からアドヒアランスというフレーズを使われたとしたら、訳の分からない笑みを浮かべたまま、何とか前後の話しをつなぎ合わせて“理解したふり”をしてしまうかも…半分以上は頭の中は真っ白なままで。質問するなら最初にしておかねば、一瞬でも“知ったかぶり”をしてしまうと、後へは引けません。

アドヒアランスとは?

『アドヒアランス(adherence)』は、患者が自分への治療方針に対して積極的に意見を言い、その治療方針の決定に参加し、納得した上で決定に従い治療を受けることだそうです!

そんなことは、ほんの少し前には考えられませんでした。病院で、気になることを何度も尋ねたり、意見を言ったりすると、本当にうるさそうに『あなたは医者ですか?』くらいのことを言う先生はいました。※全部の医師が決してそうではないです。誤解のないように。

あくまでも“医療”の中心は医師であり、患者はその決定に従うことを良しとされたのです!アドヒアランスの意味は“固執”、“執着”。コンプライアンス(compliance)は“従順”、“服従”。

どちらも医療現場において、患者が治療方針の決定に従い治療をうけるという点では同じです。
その違いは上記にもあるように、コンプライアンスが『医療従事者から患者への指導というかたちの治療』であるのに対し、アドヒアランスは『患者自身が自分が受ける治療方針に賛同した上での積極的な治療』を受けているという点です!

患者自身が積極的に自分の治療方針の決定に参加することによって、自らの病気を理解することができます。また、治療に対しても主体的に関わることになり、より高い治療効果が期待できると考えられているようです。

デュオドーパとは?おさらいです。


デュオドーパに関しては何度か過去にも記事にしています。デュオドーパ配合経腸用液(一般名:レボドパ・カルビドパ配合)は、2016年からパーキンソン治療薬として販売が始まりました。

新薬?いえ!デュオドーパと同じ成分を配合しているパーキンソン病治療薬には「ネオドパストン配合錠L」「メネシット配合錠」が既にあります。それも1979年から使われている治療薬なのです。

これらの薬とデュオドーパの大きな違い!もうご存知だと思いますが、デュオドーパは飲み薬も貼り薬でもない「経腸剤」だという事です。

経腸療法とは?

パーキンソン病は脳(主に中脳黒質-線条体系)のドーパミン量が減少する事で生じると考えられています。デュオドーパは足りなくなっているドーパミンを直接補うはたらきがあるのです。

アレッ!ドーパミンが足りないのならドーパミンの前駆体ではなくドーパミンそのものを投与すればいいじゃないかの?…ところが実はドーパミンは脳に入ることができないのです。

血液は脳に入る時、BBB(Blood-Brain Barrier、血液脳関門)を通ります。BBBは血液中に脳に害を与える物質が混入していないかチェックをしているのです。

そしてドーパミンはBBBブロックされてしまう物質。脳に入ることはできません。けれど、ドーパミンの前駆体「レボドバ」はBBBを通過できるのです。その後レボドパは脳内で「レボドパ脱炭酸酵素」によりドーパミンに変換されます。

《デュオドーパのメリット》

デュオドーパは少なくなっているドーパミンを直接的に補うはたらきがあるため、パーキンソン病をダイレクトに改善させる効果があるのが利点です。

更にデュオドーパにはカルビドパという成分も配合されています。カルビドパは「末梢性脱炭酸酵素阻害薬」というもので、末梢(脳などの中枢神経以外の部位)に.おいてレボドパがドーパミンに変換されないようにはたらくお薬です。

そのため脳のドーパミンだけを増やしてあげたいのですが、レボドパを服用してしまうと全身のドーパミンが増えてしまいます。でも!デュオドーパはカルビドパを配合することにより、脳以外の部位ではレボドパがドーパミンに変わらないように働いてくれているのですね。

wearing-off現象
レボドパによるドーパミンの補充を続けていると、次第にレボドパの薬効が短くなっていき、お薬が切れたときの症状が強まってしまう現象

delayd-on現象
レボドパによるドーパミン補充を続けていると、次第にお薬の効きが悪くなる+薬の効果発現に時間がかかるようになってしまう現象

ドパを効率良く脳に送れる
❖末梢のドーパミンを増やさないため、消化器系の副作用(吐き気や下痢)
❖胃に穴を開け(胃ろう)、チューブを空腸先端に留置し、そこからお薬を持続的に流しいれる。
❖高い効果と安全性がある。胃ろうを造設する必要な医療器具が!

まとめ

 

まず、経腸療法は胃ろうを造設することが条件です。ハイやりましょうと、簡単に踏み切れるものではありません。

限られた病院でのみ実施されているため、日頃の主治医もナースもいない遠くの病院へ転院をよぎなくされるようになるかもしれません。

また、機器を用いておくすりを投与しますので、操作方法等を習得する必要があります。経腸療法を受けられるかどうかについては、主治医と十分相談し決めることが大切です。※私は、すごく熱心にデュオドーパを薦めておられるので、とにかく経腸療法にしましょう!というやり方を勧めておられるのではないかと勘繰ってしまいました。

まず、胃ろうを造るかどうかで患者と医師とが話し合うと思います。ハイお願いします!のレベルじゃありません。※アドヒアランスは低下するはずがないですね!

手術が終わればお終いではありません。皮膚のただれは無いか、十二指腸潰瘍などにはなっていないかというアフターも必要ですし、踏み切る前には、患者側にも相当な覚悟が必要だと考えられます。※ここでも、体験談や医師からのアドバイスを受け、手術を実施するか最後に決めるのは患者さん自身ですよね!

実際にどのような記事かは分かりませんが、デュオドーパはコンプライアンスではなくアドヒアランスがしっかりとされていないと、一生付き合う手入れなどの手間もかかります。自分で決断し医師に相談するというかたちが理想ですね。

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