パーキンソン病の進行を考えて、洗面スペースをリフォームしました!

病気との向き合い方

15年前にも自宅マンション全体をリノベーションしました。今回、思い切ったリフォームをしたのは『洗面スペース』です。パーキンソン病が進行して、座って洗面をしなければならなくなった時のことを考えてのことです。もちろん、それが“要らぬ心配”で済めば、それにこしたことはないのですが…。

ご存知かと思いますが、要介護(支援)認定を受けた場合は、住んでいる市区町村に申請をすれば住宅改修費の8割、または9割の工事費用が支給されます。※上限が20万ですから、8割の場合上限16万円、9割の場合は18万円となります。

これもご存知ですよね!住宅改修工事は、必ず事前に介護保険課に申請書を提出し、審査を受けた後に施工しなければダメなんです。※申請書を出さずに施工した工事に関しては支給されません。そして工事完了後に事後申請書類を提出すれば、翌月に上記の金額が支給(先に申請者が支払いをしておきます)されます。

私は、要支援1の認定を受けた際に“手すり”をつけました。けれど、戸建てとは違いマンションの場合はエントランスやエレベーターはバリアフリーに改装され、手すりも付けられているため、室内で手すりの取り付けに使ったのは上限20万の半分程度。私は、あと10万円の支給を受けられるものと思っていました。

以前の記事でも取り上げたのですが、例え障害克服のための改修であっても申請の対象となるものと、ならないものがあるのです。今回の改修は対象外!でも、思い切って、そして思いっ切りリフォームしました!

★パーキンソン病は進行性。住宅改修にもっと柔軟な対応を!の記事はこちら。⇒クリック

ケアマネージャーもあらためて市役所の介護保険課にかけあってくれましたが、規則は規則です。認められるはずもなく…結局、自費で洗面スペースをできるだけ長く、快適に、介助なしで使えるようにリフォームすることになりました。

 

介護保険の支給対象となる改修は?

 

おさらいです。小規模住宅改修で、要介護者等が住んでいる建物と玄関から道路までの屋外改修が対象となります。
①手すりの取付け(転倒予防、移動・移乗など)
廊下、便所、浴室、玄関、玄関から道路までの通路等に設置するもの

②段差の解消(敷居を低くする、スロ-プ設置、浴室の床のかさ上げ工事など)
●居室、廊下、トイレ、浴室、玄関等、家の中の床の段差を解消するもの
●玄関から道路までの通路に段差や階段がある場合に安全に移動するためのもの

③滑りの防止のための床材の変更
④引き戸や折れ戸等への扉の変更(ドアノブの変更、扉の撤去など)
⑤和式トイレから洋式トイレへの変更※和式から暖房便座、洗浄機能が付いている洋式トイレへの変更は認められますが、すでに洋式トイレである場合にこれらの機能だけをつけることは認められないようです)

❖障害者に対する助成金制度

私たちパーキンソン病患者の場合、障害者手帳を持っている方も多いと思います。私もその一人です。障害者枠を使って助成を受けることもできます。

◆助成の金額
①助成対象経費 - ②住宅改修費支給限度基準額 × ③助成率 = 助成額
(上限 100 万円) (上限 20 万円) (住宅改造費)

やった!と思ったのも束の間。こんな一文が…。『介護保険の住宅改修費支給と一体的に利用することとされており、以前に住宅改修費の支給を受けている場合は対象となりませんのでご注意ください。』

そうです!私は手すりを取り付ける時に介護保険を使っているので対象外となってしまうのです。20万の残りを使う箇所もなく、あらたに改修する場合は“自費”となるわけです。

けれど、将来的には「椅子が入る洗面スペース」にする必要性は高いという考えは変わらず、ケアマネージャーに業者を紹介してもらい、改修工事をすることに決めました。


するからにはイメージ通りの洗面スペースに!

紹介してもらった施工業者の担当者は、とても柔軟にこちらの希望に応えてくれる方で助かりました。私の希望は「車椅子になっても大丈夫なデザイン」「洗面所で髪を洗うことができる」「壁との間に隙間ができるならユニットは使わない」というものでした。それと、せっかくするなら「シンプルでお洒落に」という難しいもの!さて、どんな洗面スペースになったのでしょう?

まず、上記のことは施工主に任せて私がやるべきこと!それは、洗面・洗濯スペースの床を占領している雑多な物を全て片付ける!ランドリーバスケット2段、洗面ユニット下に入りきらないシャンプーなどのストックのワゴンなどです。これらを撤去して洗面台の前には“何も無い!”状態にするのも目標です。

まず、色んな物が入って便利だった汚れた洗濯物入れの2段式のバスケットを撤去した後、洗濯物をどこにポイポイと入れておくか?洗濯機の中に入れるのは家族が嫌うので(約1名)。そこで、洗濯機横にピッタリと納まる横幅19cmの“ランドリーバッグ”をネットで発見。その設置場所は自分で作成しました。

★大きなトートバッグみたいですが、2段式のバスケットよりも洗濯物がたくさん入ります!

       

さて次は、2段式のワゴンとユニット式の洗面台に、つい買いだめをして押し込んでいる物の整理です。今回、ユニットを使わなかったのは、ユニットだとどうしても壁との間に“微妙な隙間”ができてしまいます。そこに、ゴミや湿気が溜まって掃除をしてもクロスや巾木のハガレが起こってしまいました。

今回のリフォームで洗面スペースだけではなくて、家の中に眠っていた“捨てられなかった物”の整理ができました。まず、ドレッサーは娘夫婦が引き取ってくれました。化粧は、洗面スペースでします。

そして、今まで洗面台とワゴンに有ったストックは、キッチンのシンクの下にシッカリ収まりました。捨てられずにいたブランド物の紙袋や可愛いからと取っておいた包装紙やプチプチシートなどを処分すると、なんということでしょう!一段棚が空きました。まだ、余裕があるくらいです。かなりの断捨離です!

いよいよリフォームが始まりました!3日間、洗面所は使えません。


洗面スペースだけですが、エレベーターホールからの養生で、周囲からは引越しかと思われてしまいました。まず、今ついている洗面台、クロスの撤去。凄い音です。ご近所には、施工業者が挨拶文などをいれておいてくれましたが、あらためて一言挨拶に!

こだわったシャワー付きの蛇口。どこにでもあると思っていたらステンレスでシャワー付きを製造しているメーカーは数社しかなかったそうです。※介護が必要になった時、洗面所で洗髪してもらう方が介護する側が楽ではないかと考えてのことです!

私の希望通り壁との間に隙間なく設置。鏡の周りと洗面台の木材の色も揃えてもらいました。もちろん防水加工はしてあります。シンプルそのもの!足元もスッキリです。これで、椅子も入れられます。

予算は、かなりオーバーしてしまいました。あとはDIYを楽しんでます。幅20㎝の棚に中が見える扉?を取りつけました。扉に使っているのは100均の物ばかり。

まとめ

今回のリフォームで洗面スペースの“見た目”も当然綺麗になりました。また、他にもいろいろと改善できたこともあります。

洗面台から洗面スペースへの入り口を撮った画像です。床には何も置いてありません。以前は幅の3/1くらいは、ワゴンだのバスケットだのが占領していました。パーキンソン病患者にとっては障害物が無くなる!というのは転倒防止にもなります。

左側は洗濯機などが置いてありますが、こちらも間仕切りカーテンでスッキリです。ここって、こんなに広かったんだ!と思いました。

上の写真は、使いやすさとは関係なし。35年前の新婚旅行で買ったピーターラビットのお皿です。気に入って購入したものの出番はなく、棚に眠っていましたが雰囲気にピッタリなので鏡の上に飾っています。※シリコンゴムで止まってます。

住宅改修は、進行性の病気に罹患した私たちには必要不可欠。一日でも長く、自分の事を自分でする!という目標は持ち続けていたいです。そして、パーキンソン病が難病の一覧表から除かれる日が来る希望も持ち続けていたいと思います。

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