パーキンソン病患者にとって暑くて気圧変動が激しい夏はツラい!でも、『特定疾患(指定難病)受給者証』の更新は万難を排し行かねばなりません。

パーキンソン病

8月も残すところ10日を切りました!早いものですね。今年の夏は1日の中でも天気がコロコロ変化しました。私たちパーキンソン病患者にはツラい“夏”です。今日など、これから徐々に天気が下り坂だな!と言うことが分かります。

気象予報ボディと化しております!多かれ少なかれ、また感じ方は違っても天候が「こうなる時には○○な感じになる」とか「○○が痛くなる」「メマイが頻繁に起こる」といった“自律神経の乱れ”が発現される患者さんて多いと思います。

私は、先日の台風発生から足の固縮が取れず、軽い乗り物酔い状態が続き鬱々とした感じのまま!となると、ますますネガティブシンキングの負のスパイラルへ!体調が悪い。⇒気分が凹んでうつ状態に。⇒食欲も落ちる⇒体重が落ちると、体力もガタ落ち…。暑さへの体温調節機能も低下⤵⤵

そんなツラい修行のような夏に更新申請を行わなければならないのが『特定医療費(指定難病)受給者証』です。

今回のタイトルを“そんなオーバーな”って思われる方もいらっしゃるでしょうね。でも、既にお持ちの方は、私たちパーキンソン病患者がこの受給者証を提示することで、どれだけ安心して治療を受けることができているかご存知ですよね!エッ!?まだ受給者証の段階ではないと言われたんですか?でも関係ない!なんてことはないんです。

当然、健康が一番です。けれど、罹患してしまったなら、次の願いは、症状の進行が緩やかであって欲しい!ではないでしょうか?

けれど、現時点ではパーキンソン病に対する治療は、根治治療はおろか『病状進行の抑制』にまで至ってはいません。私たちが罹患したパーキンソン病という厄介な病気はジワリジワリと体の自由だけでなく心の自由まで奪っていくようで…恐ろしいです。

今、私の地域では 『特定医療費(指定難病)支給認定申請書』『更新申請』の受付も終了しました。けれど、また来年申請に行かなければなりません。チョッと面倒だな!と思いませんか?

これは、パーキンソン病について言うと指定難病と診断されただけでは医療費の助成対象にはなりません。後ほどまた書きますが“重症度”というものが関係してきます。

そして、患者側が負担する医療費の上限が世帯年収によって変わってきます。また、重症度が基準に達していなくても前年度の医療費が高額であった場合は助成対象になります。前年までは重症度が達していなかった患者が、主治医の「臨床調査個人票(診断書)」により新たに対象者となる場合もあります。といった理由などにより毎年更新申請が必要なのです!

「指定難病」に関しては、角度を変えたりしながら何度か書いています。ただ、上記にもあるように毎年更新する必要があること。もし、患者自らの症状や生活状態によって一人で提出することがままならなくなった時は家族やケアマネージャーの協力も必要であること。

徴収されるものは、放っておいても、何度でも督促が来ます。けれど、補助を受けるとなると、こちら側がシッカリと働きかけなければ、なかなか言ってきてはくれません。主治医との診察時間も限られています。その時間を有効に使って“受けることのできる補助の申請”はしておきましょう。

 

何度も取り上げてきました!「指定難病」とは?

私がパーキンソン病との診断を受け、投薬が始まったのが2013年のこと。“特定疾患”と呼ばれ、まだ医療費の補助があるのはパーキンソン病を含む56疾患でした。※特定疾患

お薬代は無償だったと思います。もっとさかのぼって、私が診断を受け“特定疾患”となる前の“難病(今の難病の概念とはズレるかもしれません”という言葉が使われ始めたのは、私が想像していたよりも歴史が浅く昭和40年代!ということは、今から50年くらい前ですね!

難病第一号(こういう呼び方は失礼にあたるとは存じておりますが)は「スモン病」。子どもの頃、ニュースの中で耳にしたことがあるような…。視神経を侵され、脊髄炎を併発するという大変な病気。それがある整腸剤に起因するというから驚きです。

特別な病気にしか使用しない薬ではなく整腸剤!ですよ。厚生省がこの整腸剤の発売を禁止すると、新規患者は激減。プロジェクト研究が功を奏したのです。


このスモン病から難病といわれている病気でも、集中的で多角的に研究を行えば、その原因が解明されるのではないかと考えられ始めたそうです。そして、昭和47年『
難病対策要綱』が策定されたのです!!

❖難病とは
【定義】
①原因不明、治療方針未確定。かつ、後遺症を残すおそれが少なくない疾病。
②経過が慢性にわたり、経済的な問題+介護等に人手が必要。家族の心身負担が大きい。

そして、対策としては進められたのは調査研究の推進、医療施設の整備、医療費の自己負担額解消(公費負担)を目指すこととなったとのこと。

また、このような難病対策の施行は世界でも画期的なものであったそうです。国が総合的に難病対策を実施することで、ようやく希少難病の治療法開発にも光が当てられることとなったわけですね。
❖難病新法とは
ところが、この公費負担を見直さなければならない状態(公費の増大、特定疾患から漏れている難病患者への不公平感)になり、「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病新法)が成立、2015(平成27)年1月1日より施行されることとなりました。※2018年より全面的に移行。

その指定難病の数も110から始まり、2015年7月には306、2017年には330、令和元年現在では333疾患となっています。この後も公費負担の安定供給を続けていくためには、更なる見直しが必要になるのか…患者数の多いパーキンソン病患者にはツラいところです。

パーキンソン病が指定難病から外される?と危惧される理由とは?

これも何度も書いてきました。罹患している私たちにとって、この厄介な病気は“難病”以外の何ものでもありません。まだ、世界中探してもこの病気を治せる人はいません。進行も止められません!では、なぜ?

上記の『難病法』では、下の4つの要素を全て満たしていなければならないと定義されているからなのです。
①発病の機構(原因)が明らかにされていない。⇐ これは、問題なし(一日でも早く明らかになって欲しい!
②治療方法が確立していない。⇐ ①と同様です。
③希少疾患であること。※がん、精神疾患、感染症、アレルギー疾患等、個別の施策体系が確立している疾患は含まれません。
希少性が高いというのは一般的に人口の0.1%、1000人に1人の割合ということになります。パーキンソン病は10万人~15万人とも言われていますから…。

ただ、高齢になるにしたがって増加傾向にある病気ですから、これからの日本でパーキンソン病の患者数が減少するはずがありません。けれど、いまだに根本的な治療法は無く、病気の実態も世間には知らされず、患者はただ苦しい思いをし続けなければならないのです。
④長期の療養を必要とする。

私たちは、薬を飲み続けなければ動くことすらできません。進行期に入ると薬代だけで自己負担額は月額10万円くらいになるのでは?DBSなどの外科的手術も数百万円はかかるのでは?と言われています。

※これは定かではありません。当然指定難病から外されることも阻止しなければなりません。その上に通院にかかる経費などを考えると現状の治療を受け続けられる患者は全体の何%になるのでしょうか?

特定医療費(指定難病)受給者証の変更点は?

ほとんどの地域で更新申請は締め切られていると思いますので、提出漏れがあった方には連絡があった筈ですね。私の住んでいる県も(※例外を除き、住民票のある市町を管轄する健康福祉事務所・保健所で受付を行います)、6月初旬から2ヶ月半の間受付を行っていました。

自分で書類に目を通し、必要な物を主治医に依頼し、必要書類をサッサと用意できる患者さんの場合は問題ないですが(その場合は、申請対象にならないかもしれません)、管轄の健康福祉事務所・保健所であっても、一人で行くことが難しいケースも少なくないと思います。

そういう場合は、家族や、もしお一人住まいであったり高齢者世帯であれば、担当のケアマネジャーなどが代理として手続きを行うことは可能です。

私は、タクシーを利用しますので、提出書類が足りなくて家に取りに帰るなどということは避けたいです。疑問に思うことがあれば事前に提出先へ必ず確認します。

★もしも、書類に書かれている期間内に行けなっかたら?
諸事情で受付期間を過ぎてしまっても、受給者証の有効期間内(通常6ヶ月間)であれば「更新申請」として受付てもらえるようです。

ただし、有効期間内に新たな受給者証が届かない場合が多いようで、新しい受給者証が届くまでの期間は、医療費の立替払いが必要となりそうですね。

その有効期間も過ぎてしまった場合は「新規申請」となるとのこと。有効期間を超えた日から申請受付日までの期間は、医療費助成の対象外となってしまいます。

やはり、早めに更新手続きは済ませましょう。

『特定医療費(指定難病)受給者証』の対象者は重症度分類で
Hoehn-Yahr重症度分類3度以上かつ生活機能障害度2度以上となっています。この境界線がどのくらいか?私は、医師ではないので、独り言になってしまいますが、「何とか家で一人でトイレに行くなどの日常生活はできるものの、姿勢反射が悪くなってきたな!と自覚できる感じ」でしょうか?

自分でも“アッ!進行してきてるな”という何とも表現しがたい胸が締め付けられるような思いがします。

●重症度分類から外れていても対象になる場合があります。
医療費総額(10割)が33,330円を超える月が年間3回以上あれば助成対象となります。(軽症高額該当)ただし、これはパーキンソン病に関する医療費だけです。

これも微妙なんですね。“総額いくら”ではないんです。ずっと30,000円で最後の月が40,000円ではダメなのに、10,000円が9回で35,000円が3回なら良いの?っていう疑問が。そういうことも例えばパーキンソン友の会に入って情報を得たり、主治医と円滑に相談できる関係になっていることって大切です。制度を「活用すること」と「ごまかすこと」は違います。

診断書は診断をくだした医師ならば誰に書いてもらっても良いの?

新規申請には、難病指定医が記入した臨床調査個人票(新規)の提出が、更新申請には、難病指定医あるいは協力難病指定医が記入した臨床調査個人票(更新)の提出が必要です。

◆臨床調査個人票を記入する必要がある医師は「難病指定医・協力難病指定医」として登録しておかなければダメだということですね。また、協力難病指定では“更新”の個人票しか扱えませんから、まずは「難病指定医」の登録が必須かと思われるのですが…。

◆医療費助成の対象となる患者を診察・治療するには、各医療機関が、別途「指定医療機関」の申請をしておくことも必要です。

上記の指定医・指定医療機関の情報は管轄のホームページなどで確認できると思います。

 ❖そして今回の変更点は?
変更点というよりも“改善点”といった方が良いのではないでしょうか!

【変更前】
受給者証の裏面に指定医療機関というページがあり、パーキンソン病が原因で診察を受けている医療機関(指定医療機関でないとダメです)や薬局の名称・所在地を記載しなければなりません。

もし、申請時には受診していなかった医療機関や薬局が増えた場合(例:パーキンソン病による便秘が悪化し定期的に消化器内科や肛門科を受診することになった)は、また、受給者証の申請をした場所まで出向き医療機関名や薬局名を追加記載してもらいに行く必要がありました。

【今年度より】
主としてパーキンソン病の治療のため通院している病院のみの記載で、その後別の病院が追加されたとしても、申し出る必要はなくなりました!

これは、パーキンソン病患者にとって大きな改善点です。

申請から受給者証到着まで早くて2ヶ月程度はかかると思います。私もつい「もうっ!一年経ったの?」なんて思いますが、早めに提出するぞ!と思っているくらいが良いのではないでしょうか?

まとめ

毎年同じことで、さほど難しいわけではないのですが、書類に目を通し、提出物を揃え、いつ行っても混雑している申請場所は、私にとって“苦手な場所”。

私は、今年受給者証の自己負担額が変わりました。昨年の世帯収入を基準にして上限を決めますから年収によって自己負担額も変わります。また、事業で融資などを受けた場合も“確定申告”により課税額が変わっている場合もあるでしょう。

新規申請の方は致し方ありませんが、更新申請の場合、提出期限ギリギリになって慌てないよう日頃から各種申告は提出もれの内容に気をつけましょうね!

また、パーキンソン病は同時にうつ病を発症している方もおられるのではないでしょうか?自立支援医療受給者証の申請があるかもしれません。障害年金にも更新時期があります。ただでさえ動きにくくなっている体と頭!とにかく“早め早め”が一番です!

不思議なことに、同じ指定難病の受給者証の記事を書いているのに毎年自分の病状に変化があるからでしょうか…違うものを書いているように感じられます。

コメント

  1. 久美子 より:

    1年ぶりにコメントさせていただきます。久美子です。体が辛いとき、心が辛いときもこのブログを拝見し元気と勇気をもらっています。何とか元気⁈に過ごしています。そう伝えたくて…                                      パーキンソン病になって14年確実に進行していることは感じます。現実を受け止め、出来る事を、出来る時、自分に見合った分だけ出来れば充分⁈ 自分に言い聞かせるようにしています。思うように動けない自分に落ち込むと、自分が存在してることだけで周りの人に迷惑をかけているのでは?そこまで沈み込んでしまうことも。そんな時、このブログを拝見し元気もらってます

    • ありがとうございます。嬉しいコメントです。私にとっては何よりの薬!「毎日、少しずつだけれど進行してる」身体に異変を感じて13年目。私も実感してます。チビチビ進行していたものが1~2年に一度まとめてドンッ!ときます。先日、学年が集まる大きな同窓会があり、悩んだ末に出席しました。何だか“地球人の中にパーキンソン星人が一人紛れ込んでる”、そんな感じ。誰も私の足の運びなど気にもしていないのに、自分で勝手に好奇の目で見られているのでは?などと考えてしまい、クタクタになりました。何年経っても“受け入れられていない自分”が情けなくなります。帰宅後は、鬱々、グズグズ、ブツブツ…。家族が答えに困るような繰り言ばかり。いつも助けてくれているのに…。「感謝なんかしてくれなくて良い。そんな気持ちがあるなら、ツラいだろうけど機嫌よくしててくれないか?この歳になると、みんなそれなりにツラいところはあるんだよ」と言われました。今は、本当にそうだな~と思えます。でも、落ち込んだ時は、ついつい難病者の気持ちなんて誰が分かるの?!と鬱々。ゴメンなさい。私が目一杯愚痴ってしまいました。

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