パーキンソン病患者にとって朗報となるか?勢いを増す『抗体医療』。大塚製薬などが参入!

パーキンソンン病の治療の展望

最初に『抗体医薬』についての記事を書いてから約7ヶ月。最近、ますます製薬会社、大学ともに『抗体医薬』に力を入れているように思います。私たちパーキン病患者にとっても、開発合戦は大歓迎ですよね。

その時の記事がこちらです。⇒クリック

「バイオ医薬品」という名称も耳にしたことはありませんか?私はこのバイオ医薬と抗体医薬が、ゴッチャになってました。このバイオ医薬品は、遺伝子組換えや細胞融合など高度なバイオテクノロジーを活用して作られた医薬品の総称なのです。

“バイオ”という言葉をよく聴きます。そして、使うこともあります。バイオテクノロジーとは何か?を理解した上で使っていたかというと“はい!”と即答できません。※あくまでも、私個人の理解力での話しです。

このバイオテクノロジーという言葉は「バイオロジー(生物学)」と「テクノロジー(技術)」の合成語なのだそうです。私の悪い癖で、ドンドン話が離れて行ってます。

この英語の”bio-“にも語源があり、”βίος”という言葉。古代ギリシア語において「生」をあらわす単語なのだそうです。話しがとんでもないところにまで飛んで行ってしまいました。戻しましょう。

まず、バイオ医薬品についてですが、従来の医薬品の多くは化学合成で作るのに対して、バイオ医薬品は細胞や微生物に培養させて作ります。異物を排除する免疫機能を応用した『抗体医薬品』などが代表的です。

 

メリットしては、元々人間の体内にあるタンパク質(ホルモン、酵素、抗体等)を使い“薬”を作るのですから患者さんの負担が少ないという点。『抗体医薬品』は、人の持つ免疫機能を応用し、体の悪い部分に直接作用するため副作用のリスクが少ない。など様々な期待を集めているようです。

 

まず、抗体医薬のおさらいです。


『抗体』という言葉も、よく使いますね。医学の分野だけでなく通常の会話にも出てきます。じゃぁ、詳しく説明できるかというと…。抗体は、私たちの体内に存在する“特定の異物にある抗原(目印)”に特異的に結合して、その異物を体内から除去してくれる分子なのです。

私たちの身体は、異物が侵入すると、それにピッタリと合う抗体を作ることができるのだそうです。血中の抗体は異物にある抗原と結合すると貪食細胞であるマクロファージや好中球を活性化することで異物を除去するのです。

そして『抗体医薬品』とは、そのままですが、抗体を利用した医薬品のことです。この抗体医薬品は“ただ者”ではなく、がん細胞などの細胞表面の目印となる抗原をピンポイントでねらい撃ちしてくれるという優れもの。だから、高い治療効果と副作用の軽減が期待されているわけです。

大塚製薬が『抗体医薬分野』に参入!

 

このところ、日本の製薬会社が海外の製薬会社を買収!という記事を、何度か書きました。今回は、大塚製薬が、米国バイオベンチャーの「ビステラ社」(マサチューセッツ州ウォルサム)を買収するとのことです。

このビステラ社は抗体創薬技術に優れているため、大塚製薬はビステラ社買収をチャンスに、一気に『抗体医薬分野』参入を果たすことになるのでしょうか!ちなみに買収額は4億3000万ドル(約478億3000万円)だそうです。

❖今回の買収によって、どのような可能性が期待できるのでしょう!

ビステラ社は、タンパク質の機能に必須と考えられる部分の立体構造をコンピューター上で推定⇒コンピューター上で推定した無数の抗体の部分構造と結合シミュレーションを行い、最適な抗体構造を発見⇒抗体医薬を設計する、独自の抗体プラットフォーム技術(Hierotope® platform)を既に持っているのだそうです。

この技術によって、今まで難しいと考えられていた多くの生体物質に対する抗体医薬品を開発できる可能性が広がるのだそうです。これは期待したいです!

大塚製薬が、最重点領域の中枢神経、がんに加え、腎・循環器、眼科・皮膚科、感染症領域を中心にますます医療用医薬品の研究開発に力を注いでくれることを祈ってしまいます。

抗体医薬に注力しているのは、大塚製薬だけではなく各製薬会社も『次世代抗体医薬』を目指しているそうです。1つの抗体が2種類の抗原と結合できるなど、さまざまな機能を付け加え、より高い効果を持つ抗体医薬品の開発も行われているようです。

❖ ビステラ社の概要です。

●会社名:Visterra Inc.
●所在地:275 2nd Avenue, Waltham, MA 02451, USA
●事業内容:医薬品の研究開発
●設立:2007年
●主な開発分野:腎疾患 IgA腎症、移植片対宿主病、ループス腎炎、膜性腎症、ANCA関連血管炎、移植拒絶反応、がん 多発性骨髄腫 CD138 、神経疾患 慢性疼痛、インフルエンザA型感染症、デング熱、劇症型緑膿菌感染症 グリカン、インフルエンザ予防、呼吸器合方体ウイルス、重度真菌感染症など

まとめ『抗体医学』とパーキンソン病との関わりは?

α-シヌクレイン抗体、これは前回の記事でも触れています。α-シヌクレインは主としてシナプス前終末で発現される140 アミノ酸からなるタンパク質です。

私たちパーキンソン病(PD)やレビー小体型認知症(DLB)、多系統萎縮症(MSA)等の神経変性疾患では、ニューロンやグリア由来の介在物中で凝集体として観察されることが知られています。

『抗体医薬』が、もし将来(できれば近い将来)確立されれば、この憎きα-シヌクレイン抗体だけを狙い撃ちしてくれれば言い訳です!

201年8月には、英AstraZenecaが武田薬品工業とパーキンソン病を対象とする抗αシヌクレイン抗体MEDI1341を共同開発・販売する契約に合意したと発表したそうです。

MEDI1341は2017年内にはフェーズIを開始する予定で、ニーズの高いパーキンソン病薬の承認取得に向けて臨床開発を加速するとのことでしたが、現段階ではどうなっているのか…もしも順調に進んだとしても、実用化には最低でも5年以上はかかるでしょうね。凄く順調にです…。

コメント

  1. チビタ より:

    お盆は 無事整いましたか?
    うちは昨日読経をお願いしてたお寺さんが失念してましてワヤです。結局忘れて来なかった電話すらありません。

    さて抗体治療。
    つい2週前ですが7月末にprx002にprasinezumabという開発薬名がつきました。来年7月にもフェーズ2が完了し2020年に成果発表があります。
    気になる日本治験フェーズ1は今月完了予定。
    私の思惑ではフェーズ3を世界共同で治験し日本でも承認と睨んでます。

    別件では武田の海外子会社がPBT434のフェーズ1治験を7月に開始しました。

    アルツハイマーでは軒並み失敗ですが、認知障害はだめでも運動障害なら進行を止めれるかも
    パーキンソンは成功するかもです。

    なお私信ですが昨日ハローワークに失業保険の申請をしました。
    難病理由退職で就職活動は1回に減じられますが、毎月の認定日には必ず行かなければならないらしくつらいです。
    同時に介護保険も改定しており要介護1になってしまいました。
    メルアド変わりました。

    • コメントありがとうございます。少し前から自分と主人の実家で問題が勃発!いくら難病患者でも神様は見逃してはくださいません。無理をして奔走したせいでしょうか?体のいたる所で炎症がおきました。昨日、盆の15日に空いている病院を見つけ行ってきました。盆に初診とあって2時間待ちでしたが、スタッフも先生も良い方で助かりました。

      私は9月25日(火)14:00~16:00に神戸新聞松方ホールで開催される『神戸新聞創刊120周年記念 神戸新聞情報文化懇談会・京大iPS細胞研究所共催シンポジウム 功から拓くiPS細胞の未来』というのにインターネットで参加申し込みをしました。

      講演は山中教授と万代道子プロジェクトリーダー、池谷真准教授です。ただ、抽選なんです。結果が分かるのは9月の初旬です。当たっていますようにと祈るばかりです。

タイトルとURLをコピーしました