パーキンソン病患者の運動症状解析に武田薬品がどこまで迫れるか?!

パーキンソンン病の治療の展望

近年、『iPS』が発見され、ノーベル賞受賞という偉業に“パーキンソン病”という病名もある意味“メジャー”な病気になってきたような気がします。

ただ、それでパーキンソン病の治療が進んでいるかというと答えはYES!とは言い難いものではないでしょうか?私が考える“治療”とは、病気の原因が分かり、治療を始めた段階で進行が止まり、後はユックリでも症状の改善、最終的には完治する患者さんもいるというものなのです。※あくまで、私の私的な考えです。

完治しないまでも何とか進行だけは、その治療方法によって止められるものと考えています。ただ、多くの難病は私たちパーキンソン病と同様、原因、メカニズムがハッキリしていないのでは?と考えられます。

そして今までも何度も記事にしていますが、パーキンソン病という病名だけが独り歩きし、病気の実態を知っている方は案外少ないかもしれません。そんな中で、武田薬品庫業は海外との共同研究により日本人パーキンソン病患者の運動症状を解析するとのこと!武田薬品さん期待して良いですか?

武田薬品工業と共同で研究に取り組むべリリー社について

べリリー社(Verily)は、米国Alphabet Inc.(アルファベット)の子会社です。では、米国Alphabet Inc.はと言うと2015年にGoogle Inc.及びグループ企業の持株会社として設立された、アメリカの多国籍コングロマリットだそうです。

またまた、皆さんはご存知ですか?“コングロマリット”!恥ずかしながら、私は初めてです。難しい説明はたくさん載っていましたが簡潔にまとめてしまうと、1960年代にアメリカから進展してきたようです。

技術的にも、市場的にも互いに関連性のない事業が集合し形成される複合企業をコングロマリットと呼ぶとのことです。

Alphabetが保有する事業は、テクノロジー、生命科学、など多岐に渡り、子会社には、Google、Calico、GV、Google Capital、X、Google Fiber、Nest Labsなど。

その中で、一部の子会社は商号からGoogleという名称を外したものもあり、Google VenturesはGVへ、Google Life Sciences(グーグルライフサイエンス)はべリリー社(Verily)へと改称したのです。

では、武田薬品工業はべリリー社と、どのような開発を進めていくのでしょう?

 以前の記事にも書いたことがあるのですが、パーキンソン病の指定難病外しの動きが本格化しているの?と不安になるような内容が書いてあるサイト…それも医療系、薬学系で偶然見つけることが増えたような気がするのですが。

当然、考えすぎ!で終われば良いのですが。例えば
●パーキンソン病の研究はめざましく進歩し、治療薬も進化を続けています。⇐ 確かに進化は続けていますが、ひとつの薬が承認されるのにどのくらいの年月がかかるか!!

●現在では、治療を受けているパーキンソン病患者の寿命は平均寿命に近いところまで来ています。⇐ これも確かに数字だけ見れば“そこまで生きられる”ということですが、健康寿命となるとどうでしょう?服薬(または手術)すれば元気に一日過ごせるところまでパーキンソン病に対する医療が進んでからの話しではないでしょうか?

●適切に治療を受ければ、進行を遅らせて、日常生活をおくることができます。⇐ これはどうでしょうか?主治医は懸命に薬を合わせてくれてますし、PTはどうすれば将来姿勢が保てるか!常にプログラムを考えてくれています。それでも、確実に進行しています。

パーキンソン病の診断を受けた患者さんを怖がらせる必要はありませんが、まだパーキンソン病の中心は薬物治療であり、全てのメカニズムが解明されているわけではないと思うのですが…。

ようやく治験にまでこぎつけた『iPS細胞』を移植するという方法も、まだ“完治”を目標にしたものではありません。それでも、パーキンソン病が認知され、薬は大いに私たちを助けてくれています。一日でも服用できなかったら、と考えただけでも怖くなります。

また通院困難な患者さん、近隣に「脳神経内科」が無い患者さんに対しては『遠隔診療サービス』を始めている医療機関もあります。

この遠隔診療サービスは、上手く利用できればメリットは大きいでしょうね。私たちには薬が良く効いている“オン”、効いていない“オフ”の時間帯が存在します。※極々初期の時は薬が良く効きます。発症後2~3年後はまだオン・オを感じなかったり、感じたとしても軽いものだと思います。

私たち患者は、パーキンソン病に限らず主治医の前に行くと、病院の中にいると、安心感からかチョッとハイテンション!日頃よりも症状が軽く見られがち。

その点、遠隔治療だと通院をする上での体や経済面での不安の軽減はもちろんのこと、オフの状態も診てもらえる、そしてタブレット端末などを使いますから、家族や介護スタッフ皆が診察を聞けるわけですから病気の症状を理解しやすくなると思うのですが。

Verily社の『Study Watch』を使うようです!

武田薬品が2018年12月18日に発表した日本人のパーキンソン病患者の運動症状解析のための共同臨床研究には、疾患管理に役立つツールを使うようです。

長期目標は、将来、パーキンソン病の疾患管理に役立つツールを医療関係者に提供するというもの。そのためにはパーキンソン病患者さんの運動症状を解析することが必要と考えられたとのことです。

その解析に使われるのが、Verily社とパーキンソン病患者の運動症状を測定するVerily社のウェアラブルデバイス(身に付けられる機器)の「Study Watch」!このStudy Watchを使うことで、継続的なパーキンソン病患者のバイタルサイン(血圧や体温)や運動症状の解析ができるのだそうです。

ひとりでも多くのデータを解析することは、未だ見つかっていない「神経変性の進行を遅らせる介入治療方法」の開発に応用できるのではないかというのが、企業側の見解のようです。

この医療用スマートウォッチ「Verily Study Watch」は、センサーを内蔵することにより時計サイズで常時心拍数・心電図などの計測が可能なのだそうです。

単なるデジタルガジェット(携帯型の電子機器)ではなく、医療器具として位置づけ、Verily Study Watchによって医療をさらに進化させる役割を担うとしています。

まとめ

名探偵コナンのコナン君が付けてるみたいな感じでしょうか?Verily Study Watchのメリットは上記のものだけでなく、私たち被験者の精神的な負担や負荷を低くするということも考えられますね。

大人になっても注射は怖いし検査は嫌です。あの大きな機械の中に入ると考えただけで滅入りますから。データとしても被験者がリラックスした状態の方がより正確でしょう!

この機器のセンサーで計測できるのが「心電図」、「心拍数」、「皮内活動」、「慣性運動」で、バッテリーは最長1週間稼働できるそうです。

武田薬品では、「パーキンソン病治療は進歩しており、その進歩には医薬品が大きく貢献していますが、患者さんの治療満足度は未だ低いのが現状です。患者さんの幸せは、我々にとって常に最優先に考える事項です。症状の軽減や、進行を遅らせるための治療中の患者さんへの理解を深めることは大変意義があります。」※本文はもっと長いです。

このコメントで、近い将来ではなさそうですが、いつかそのデータが新たな治療法の開発に繋がるかもしれないと思いました。なんて単純なんでしょう。ただ、なにが根本的な治療に繋がるかはやってみないと分かりません。ドンドンやってもらいたいものですね!

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