パーキンソン病にはマルチビタミン剤はダメ?!薬の効果が減るのはどのビタミン?

パーキンソン病

“ビタミン”は、一般的に私たちの身体に必要なもの!って思いますよね。ビタミン不足だと風邪をひきやすいとか、女性ンzkz美容にビタミンは欠かせないとか!

でも、そのビタミンの中で私たちパーキンソン病患者にとって命綱とも言える“レポドパ”の効果・効能を弱めてしまう種類があるようです。

今回は、レポドパ(L-ドーパ)の薬効を弱めてしまうビタミンとは何なのか?逆に摂った方が良いと言われているビタミンはあるのか?また、薬の吸収を早める飲み方とは?など、チョッと基本的なところをおさらいしていきましょう!

  

ビタミンの種類や効果は?足りなくなるとどうなるの?


ビタミンA
《効果》
*網膜を守る、免疫機能の維持、成長促進
《不足すると》
夜盲症、目や皮膚の乾燥

ビタミンB1
《効果》
*糖質の代謝の促進、神経に作用
《不足すると》
*脚気、多発性神経炎、眼球運動障害、筋力低下

ビタミンB2
《効果》
*免疫力の強化、糖質の代謝促進、過酸化脂質を消去する
《不足すると》
*口内炎、皮膚の炎症

ビタミンB6
《効果》
*脂質、タンパク質の代謝促進、免疫力の強化
《不足すると》
*口内炎、皮膚の炎症

●ナイアシン
《効果》
*性ホルモンを合成する、神経組織の維持
《不足すると》
*皮膚の炎症、下痢、舌炎

●葉酸
《効果》
*細胞を再生する、タンパク質の代謝促進、赤血球の形成
《不足すると》
*貧血、下痢、舌炎

●パントテン酸
《効果》
*疫力の強化、糖質の代謝促進、発育促進
《不足すると》
*手足のしびれ、心拍数増加、起立性低血圧

●ビタミンC
《効果》
*生体内抗酸化作用、カルシウム、鉄の吸収促進、コラーゲンの増強
《不足すると》
*壊血病、貧血、頭痛、肩こり 

●ビタミンD
《効果》
カルシウムやリンの吸収促進
《不足すると》
骨粗鬆症、不眠症、筋力低下

●ビタミンE
《効果》
*抗酸化作用、老化防止
《不足すると》
貧血、手足のしびれ 

この中で、パーキンソン病治療薬に悪影響を及ぼすのが『ビタミンB6』なのです!

レボドパと『ビタミンB6』の関係は?


パーキンソン病治療薬の中心と言える“レボドパ”では、『ビタミンB6』が脱炭酸酵素活性を高めて末梢でのレボドパの代謝を進めるため、レボドパの脳内への移行量が減少してしますそうです。そのため、せっかくの薬効が弱まってしまうのですね!

なんて難しいのでしょう!“脱炭酸酵素活性”って何?って思いませんか?“脱炭酸”って?

  1. 脱炭酸(だつたんさん:Decarboxylation)は。カルボキシル基(−COOH) を持つ化合物から二酸化炭素(CO2) が抜け落ちる反応のこと…。ますます難しいです!

  2. 脱炭酸(だつたんさん、Decarboxylation)は有機反応の形式のひとつ。カルボキシル基 (−COOH) を持つ化合物から二酸化炭素(CO2) が抜け落ちる反応…って、なんて難しいのでしょう!

    生合成の過程ではアミノ酸が脱炭酸を起こしてアミン(化学合成上重要な物質)を与えます。例えば、チロシン → チラミン、ヒスチジン → ヒスタミン、グルタミン酸 → γ-アミノ酪酸(GABA)、5-ヒドロキシトリプトファン → セロトニン、L-DOPA(レポドパ) → ドーパミン、など。

    脱炭酸を触媒する酵素は脱炭酸酵素(デカルボキシラーゼ)、またはカルボキシリアーゼ(EC 4.1.1) と呼ばれているもの。と、いうことは「ビタミンB6」はこの脱炭酸酵素を活発にしてしまう?ということ?

では、どうすれば良いの?


そこで、末梢におけるレボドパからドーパミンヘの変換を抑制するために、脱炭酸酵素阻害薬のカルビドパの同時投与、あるいはレボドパ・カルビドパを配合した製剤が利用されています。

ドーパミンをそのまま投与しても血液脳関門は通過できません!これができれば苦労はないです。そのため、ドーパミンの“前駆物質”としてレボドパが治療の中心的な薬として使われています。レボドパは血液脳関門を通って脳内に入ると、脱炭酸酵素によってド-パミンとなり、脳内のドーパミン量を増やしてくれる優れもの!

ところが、レボドパの敵『脱炭酸酵素』は脳内だけでなく末梢にも存在するのです。せっかく投与したレボドパのほとんどが脳に到達する前にド-パミンへと変換されてしまう…。なんと、レボドパを経口投与した場合、脳内へ移行する割合は約1%程度!だそうです。レポドパ(L-ドパ製剤)は、血液脳関門を通過⇒脳内の芳香族アミノ酸脱炭酸酵素の作用でドーパミンに変化⇒少なくなったド-パミンを補うことができる!

けれど、レポドパ単剤投与の場合、末梢(脳内に移行する前)の段階で酵素“レボドパ脱炭酸酵素”により分解されてしまうと脳内へ移行できません。そのためレボドパ製剤には末梢でのレボドパの代謝・分解を抑える薬(カルビドパやベンセラジド)が配合されている場合が多いのですね!※脱炭酸酵素は、胃腸や肝臓などいろいろな臓器にも存在します。

レボドパとカルビドパの配合製剤:ネオドパストン、メネシットなど
レボドパとベンセラジドの配合製剤:イーシー・ドパール、ネオドパゾール、マドパーなど

そこで活躍するのが、末梢だけに作用する“カルビドパ”などの『脱炭酸酵素阻害薬』。レボドパの投与量を減らすことができるため、副作用の出現の確率も下がります。低減することができる、とのこです。

また、末梢性ドーパ脱炭酸酵素阻害薬(DCI)は血液脳関門を通過しません!レポドパのみを効率よく、脳内に到達させることができ、レポドパの必要量が75~80%も削減るそうです。

副作用として出現しやすい悪心、嘔吐、食欲不振などもかなり減らすことができるようになったとのことです。レポドパ合剤の効果は、単剤の場合と比べて4~5倍に達すると言われています。

また、『ビタミンB6』とレポドパ単剤を併用した場合作用の減弱が相互作用として問題となります。けれどカルビドパとの配合剤は『ビタミンB6』併用しても影響がないそうです。

*ただ、レポドパ単剤にもメリットはあって、ジスキネジアの発生が少ないとされています。

◆レボドパとの併用に注意がサプリメントに“ピリドキシン塩酸塩(ピリドキシンは水溶性ビタミンであるビタミンB6群の一つ)”があります。レボドパと脱炭酸酵素阻害薬(ペンセラジド塩酸塩、カルビドパ水和物) の配合剤は、レボドパ単剤とは違い、ピリドキシンの影響をほとんど受けないとされ、併用注意ではありません。

ビタミンB6を多く含む食品は?

●ビタミンB6の多い食品ベスト8(水分が40%以上の食品で)
①にんにく
②まぐろ(びんなが)
③酒粕

④牛肉(レバー)
⑤まぐろ/赤身
⑥まぐろ/脂身
⑦かつお(秋獲り)
⑧かつお(春獲り)
他にも、とうがらし、こめ、にんにく、ピスタチオ、バナナなどが挙がっています。

まとめ

結局は、現在ほとんどが配合錠となっているため、神経質にビタミンB6を遠ざけることはないようです。ただ、何事も『ホドホド』が肝心。食べ過ぎにはパーキンソン病でなくても注意が必要ですね。

レポドパは胃酸で溶けて十二指腸で吸収されます。高齢になってくると胃酸分泌も低下します。それに伴い、レポドパの吸収が低下してくる場合があるようです。このような場合は、レモン水やビタミンCなどと一緒に服用すると吸収が良くなることがある?!とのこと。私は、柑橘系の飲み物で薬を飲んではダメだと思っていました。

牛乳や乳製品は逆です!胃酸が出る胃粘膜がタンパク質の膜で覆われ、そのタンパク質が粘膜から脳に入るレポドパを入れまいとするため、レポドパの効果が出にくくなるようです。

私のような、ヨーグルト大好き!はどうすれば良いか…、牛乳や乳製品は夕食後の服薬後に摂取するようにした方が良いそうです。

薬ひとつとっても栄養素との相性まであるんですね!管理栄養士さんや薬剤師さんの苦労が少しは分かったかもしれません。生意気ですけど。

 

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