パーキンソン病など難病の治療の未来に暗い影!?日本の科学技術力の低下。


今、再生医療の最前線におられる方のインタビューが記憶に残っています。その方のインタビューの中で『未来の医学部の使命は、社会を変える人材の輩出』という言葉があったように思います。そのとき、その言葉に凄く共感したので覚えているのですが…。

また、「医者は生活が安定している」とか「医者は不況に強い」と考えて医学部を目指す人もいる。けれど、せっかく勉強してきたのだから、もっと世界を変えるような道も考えてほしい。これからの医学部には、社会を変えるような人材を育成する役割も求められているという言葉には、その実現を強く希望し、期待したいです

確かに、日本の公的医療保険は“国民皆保険”という制度に従い実行されています。所得や性別、年齢等に関わらず日本国民と認められた者であれば誰でも加入できるのです。また経済的困難性を排除するための政策もあり国内加入率は他の先進国と比べてもかなりの高水準だそうです。

ただ、その一方で、日本の大学の状況や研究環境の悪化、科学力の低迷を強く懸念する声が挙がっているのも事実のようです。それは、私たち難病患者が待ちこがれている『病気の完治』への道のりが、ますます険しいものになるような気がしてなりません。

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近年の日本人「ノーベル賞受賞者」は?


誰でも知ってる「ノーベル賞」。本当にしってますか?ノーベル賞って凄い賞…くらいは分かりますよね。チョッとノーベル賞について調べてみましょう。

【ノーベル賞とは】

ダイナマイトの発明で巨万の富を得たアルフレッド・ベルンハルド・ノーベルが遺贈した基金から、毎年 4機関によって授与されています。最初の授与は、ノーベルの 5回目の命日 1901年12月10日に行なわれたそうです。

ノーベルの遺言により“物理学”、“化学”、“生理学・医学”、“文学”、そして“平和”の 5分野で「その前年の1年間、人類に対して最大の貢献をした者」に授与されるという本当に凄い賞。

“経済学賞”は、1969年から授賞されているとのこと。賞の授与機関は、物理学部門および化学部門はスウェーデン王立科学アカデミー。生理学・医学部門は王立カロリンスカ医学研究所。文学部門はスウェーデン・アカデミー(以上ストックホルム)。平和賞はノルウェー国会ノーベル委員会(オスロ)です。

❖物理学賞
●1949年:湯川秀樹(理学博士)=中間子の存在の予想。
●1965年:朝永振一郎(理学博士)=量子電気力学分野での基礎的研究。
●1973年:江崎玲於奈(理学博士)= 半導体におけるトンネル効果の実験的発見。
●2002年:小柴昌俊(理学博士)=天体物理学、特に宇宙ニュートリノの検出に対するパイオニア的貢献。
●2008年:小林誠(理学博士)=小林・益川理論とCP対称性の破れの起源の発見による素粒子物理学への貢献。益川敏英(理学博士)。
●2014年:赤崎勇(工学博士)=高輝度で省電力の白色光源を可能にした青色発光ダイオードの発明。天野浩(工学博士)
●2015年:梶田隆章(理学博士)=ニュートリノが質量を持つことを示すニュートリノ振動の発見。

❖化学賞

●1981年:福井謙一(工学博士)=化学反応過程の理論的研究。
●2000年:白川英樹(工学博士)=導電性高分子の発見と発展。
●2001年:野依良治(工学博士)=キラル触媒による不斉反応の研究。
●2002年:田中耕一(工学士)=生体高分子の同定および構造解析のための手法の開発。
●2008年:下村脩(理学博士)=緑色蛍光タンパク質 (GFP) の発見と生命科学への貢献。
●2010年:根岸英一=クロスカップリングの開発。鈴木章(理学博士)

❖生理学・医学賞

●1987年:利根川進=多様な抗体を生成する遺伝的原理の解明。
●2012年:山中伸弥(博士(医学))=様々な細胞に成長できる能力を持つiPS細胞の作製。
●2015年:大村智(薬学博士、理学博士)=線虫の寄生によって引き起こされる感染症に対する新たな治療法に関する発見。
●2016年:大隅良典(理学博士)=オートファジーの仕組みの解明。

❖文学賞

●1968年:川端康成(文学士)
●1994年:大江健三郎(文学士)

❖平和賞

●1974年:佐藤栄作(法学士)=非核三原則の提唱。

※2017年現在、ノーベル経済学賞を受賞した日本人はいません。

 

かつてのノーベル賞の受賞者が抱く危機感とは?

確かに2008年から毎年のように、“物理学賞”、“化学賞”、“生理学・医学賞”で、日本人がノーベル賞を受賞していますが2017年には科学技術の分野での受賞はありません。

そのことに強い危機感や懸念を示しているのが、ノーベル医学・生理学賞の受賞者、大隅良典さん、ノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章さん。実際に研究に没頭してしてきた受賞者の言葉はズシリと重いです。

訴えているのが、日本の研究環境の悪化。これは以前の記事でも取り上げましたが山中教授も危惧されていて、その直後にねつ造問題が発覚しました。

大隅良典さん、梶田隆章さんによると「日本の大学の状況は危機的で、改善しなければ10年後、20年後には日本人のノーベル賞受賞者が出なくなると思う」、「残念ながら、もはや日本は優れた科学技術の国とはいえないのではないか」とのことです。で、優れた国であるというのはもはやいえないのではないか」と強い懸念を示しています。

実際、日本の大学や研究機関が発表する科学技術の論文の数は、10年前に比べて6%減少。アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、中国、韓国の7カ国で、論文数が減ったのは日本だけ…。中国は10年前の4倍以上、韓国も2倍以上に増える中、日本は論文数でアメリカに次ぐ第2位から中国、ドイツに抜かれ第4位に転落。

世界的な科学雑誌「ネイチャー」は、日本の論文数がこの10年、停滞しているとしたうで、「日本は長年にわたり科学研究における世界の第一線で活躍してきたが、日本の科学研究が失速し、このままではエリートの座を追われかねない」と警告したそうです。

2000年以降、世界で科学技術に対する予算が増やされているというのに、日本の大学などの研究現場では、論文の数を左右する「研究者の数」、「研究時間」、「研究者の予算」のいずれもが減らされている…特に目立つのが研究時間だそうです。一体どういうことなのでしょう!

 

まとめ

確かにノーベル賞も大切です。iPS細胞は、一気に再生医療を加速させました。治療法のない難病がこんなにあるのだということも世間が知るキッカケとなりました!

ただ、私たちパーキンソン病などの難病患者にとって大切なのは、シッカリとした研究・開発ができるだけ早く、安全に進むことなのです。

医療費の削減を図る前に、シッカリと予算をかけて未だ治療法が確立していない難病を完治、または進行を止めるようにするべきだと思うのですが。高齢化が進む中、パーキンソン病や認知症の患者は増加し続けるでしょう。ここで、研究費の予算を削っては本末転倒です。

大学では新規採用が無くなり優秀な若手研究者は大学を去っていく…“科学技術立国”だった日本は“昔話”になってしまったのでしょうか。

再生医療の臨床も本当に始まるのか、疑問に思うことさえあります。寄付を集めるためにマラソンをしたり、かつてのノーベル賞受賞者が私財を投じなければいけないような国ではないはずです。