パーキンソン病患者は遠方の病院の受診は困難…遠隔診療が病院の選択肢を増やす!


パーキンソン友の会の医療講演会を聴きに行った際、順天堂大学の服部教授の講演内容に心が救われたという記事を書きました。『患者は、医師の前では元気になる。私たちは、ある意味一番見てはいけない患者の状態を診ているのかもしれない』といったような内容でした。その時、遠隔診療の話もチラッと出ていたのです

約1年前の記事はこちらです。⇒クリック

パーキンソン病患者を始め神経疾患を多く扱う病院に通いたい!そうは思っても、交通費(どころか宿泊費も必要です)。我が家ではとてもじゃないけど無理です。進行してくれば、支払い能力は有っても、通院が困難になってくるでしょう。

講演会の中で、服部教授が「順天堂大学には北海道から沖縄まで患者さんがおられる。その負担を軽減するためにパソコンなどを使った診療ができれば…」と言われたのが、忘れられませんでした。

そんな時に順天堂大学のホームページで見つけました!2017年7月の大学のNEWSで、順天堂大学医学部附属順天堂医院 脳神経内科(教授:服部信孝)は、パーキンソン病や認知症に代表される神経疾患や慢性疾患による通院困難な患者さんのために、 日本初の本格的な遠隔診療サービスを開始します。というもの!そのあたり調べていきます。

サイド上

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ついに動き出した『遠隔診療』

スマートフォンやパソコンの“ビデオチャット機能”を使い、インターネットを介して診療が行われるのが『遠隔診療(オンライン診療)』です。

その『遠隔診療』が、政府が2018年度の診療報酬改定で遠隔診療を評価するという方針を表明したため、普及へと大きく動き出しそうなんです。

厚生労働省では、適切な運用に向けたガイドラインを策定する動きが始まったようです。「対面診療とオンラインでの遠隔診療を組み合わせた新しい医療を、次の診療報酬改定でしっかり評価する」。

遠隔診療の活用には消極的とされてきた医師会も、対面診療を原則にするという前提のもとで、遠隔診療に一定の有用性を認める姿勢を示したようです。

仕事・子育て世代は医療機関を訪れる時間をなかなか確保できない。専門の医療機関が近隣にない地域の高齢者や難病患者。『遠隔診療』は、そういった患者に新たな受診スタイルの選択肢を提供するのものではないでしょうか

❖ニーズは幅広い疾患領域で!

都市部を中心に、遠隔診療サービスを日常診療に取り入れる医療機関が徐々に増えてきているそうです。医療ITベンチャーのメドレーが2016年2月から提供する遠隔診療サービス「CLINICS」は、2017年6月までにほぼ500施設が導入。

当初のビジネスパーソンが利用者の大半ではないかという想定だったようですが、産婦人科や高齢者診療など非常に幅広いニーズがあったのです。理由は“患者にとっては利便性向上”、“医療機関にとっては未受診者の受診促進、既存患者の治療継続率改善”につながっているとのことです。

2017年6月に開催された「第66回 日本アレルギー学会学術大会」では、花粉症に対する舌下免疫療法における遠隔診療の効果が明らかになりました。花粉症に対する舌下免疫療法を過去3カ月以上受けていた患者76人を、対面診療を行う群(58人)と遠隔診療を利用する群(18人)に分け、2016年9月~2017年4月の8カ月間の治療継続率を比較。結果は、対面診療群の治療継続率が83%。遠隔診療群では94%という高い治療継続率が得られたそうです。

医療現場での有用性が徐々に認められてきた『遠隔診療』に対して、政府は、遠隔診療をめぐる解釈をより明確にするための、厚労省からの新たな事務連絡の発出と、次期診療報酬改定での評価という後押しをする方針とのことです。

❖まだ、危惧する声も!

解釈の明確化や診療報酬での評価により、普及が期待される一方で“ブームではないか”危惧する声もあるようです。あるクリニックでは、遠隔診療を利用する患者からは予約料を徴収し、対面診療よりも診療費が高くなるように設定しているそうです。

これには、患者が遠隔診療というオプションに安易に流れてしまわないように、受療行動をコントロールすることも目的の一つとのこと。

「対面診療」と「遠隔診療」のどちらが優れているかという“点”での比較に陥らないことが大切対面診療に遠隔診療を組み合せることで、通院の継続率向上や、通院の間の状態把握につなげることが重要なのだそうです。「遠隔診療」は、可能性があるだけに大事に育てなくてはならない、と考えられているようです。

順天堂医院が、日本初の本格的な遠隔診療サービスを開始!


順天堂大学医学部附属順天堂医院 脳神経内科が使用するのは、IBMの遠隔診療支援アプリ。 患者さんに寄り添う「ハートフルな診察」と「あきらめない医療」の提供を目指すものだそうです。特定機能病院が、実証実験以外で『遠隔診療』を導入するのは日本初!

ホームページによると、『遠隔診療』(病院によっては、距離を感じるため”オンライン診療”と呼んでいるところもあるようです)で、パーキンソン病など、慢性疾患に罹患している患者の通院にかかる身体的・経済的な負担が軽減されるとのこと。※対面診察は数か月に一度になるようです。

遠隔診療という名称からは、本当に“距離”を感じてしまいますが、実際はその逆。家族だけでなく医療・介護関係者も主治医の顔を見ながら話すことで、 通院における対面診療と同様の信頼関係を築くことができるようになるのもメリットのひとつ。

また、日常の生活ぶりを主治医、 医療・介護関係者と共有し、 患者の状況に最も適した医療支援を受けることが可能に!それは、診療側にとっても、家族やサポートする介護関係者ともコミュニケーションをとることで、効率的な診療サービスを提供できるということですね。

『遠隔診療』という名前とは裏腹に、患者、家族、サポートする側に最も寄り添った形で診察を受けられるかもしれません!これは期待できそうです。

担当医師にとっても、患者さんの自然な映像と音声から、 在宅時や外出先の状態を把握することができるわけです。狭い診察室だけの姿では分からなかったものも見えてくる…そんなメリットもありますね 薬の調整が、より患者さんの状態に合ったものにできる可能性は大きいかと思います。

また、地域の診療所との連携も視野に入れているとのことですから、一人のパーキンソン患者を複数の医師が診察する!私の理想です!!

まだまだ『遠隔診療(オンライン診療)』は始まったばかりですが、「iPad」を利用することで様々な医療・介護のデータが蓄積していきます。 今後の展望として、最新のCognitiveテクノロジー(※)によるビッグデータ分析に基づいた個人向けアドバイスを提供したいと先を見据えた治療法だと考えられます。
(※) 音声・動画などの情報を継続的に学習し、 人間の意思決定を支援する技術です。

 

まとめ


以前から、興味があった順天堂大学の『遠隔診療』。実は、お問合せのメールアドレスで内容を質問させていただきました。本当に数多くの患者さんを診てらっしゃる脳神経内科の先生から2日後くらいには丁寧な返信を頂き感激しました。

今のところは、原則順天堂大学病院の患者さんを対象にしたものであること。『遠隔診療』を希望するなら主治医を変えなければならないとのことでした。諦めかけていたのですが、主治医から紹介状を書いてもらって、まず『対面診察』を行えば、主治医を変えずに『遠隔診療』も可能との返事を頂きました。半年に一度は『対面診察』が必要だそうです。指定難病の受給者証も使えるのではないですか?とのことでした。

その対応の迅速さと丁寧さに驚くと共に神経疾患の将来は明るいかも!と期待してしまう、単純な私なのでした。