パーキンソン病に特化したリハビリ『LSVT®』訓練法に注目!

パーキンソン病

パーキンソン友の会の方とメールのやりとりをしていて、私が「今日も今からリハビリ行ってきます!」と送信すると「私はLSVTに参加してます!」という返信が‼

❝LSVT❞って何⁉その時は聞き返せず、後で調べてみると米国で考案された『発声発語明瞭度改善目的の訓練法』で、特にパーキンソン病患者に有効なんだそうです。知らなかった❗

今回は
LSVT®はどんな訓練法?
LSVT®はPT、STなら誰でもできる?
LSVT®LOUD、LSVT® BIGではどんな訓練をするの?
について書いていきたいと思います。

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『LSVT®』とは、どんな訓練法?

「LSVT」とはLee Silverman Voice Treatmentの略です。LSVTの始まりは1998年に米国のRamigらによって開発されたパーキンソン病の『発話の障害』に対する音性治療手技だそうです。

すでに40ヶ国以上で『LSVT® LOUD』として広まっています。ST(言語聴覚士)の領域で初めて、訓練効果に関するエビデンス(その治療法がよいとされる証拠)が臨床研究では最高の❝レベルⅠ❞と認められた手法なのです

世界各地でWorkshopが開催され、多くのSTが『LSVT®』を行なえるようになる中、2009年8月になってようやく日本でもWorkshopが開催されるという状況だったようです。やっぱり日本は、福祉に関しては立ち遅れているのでしょうか?

第1回目のWorkshopが開かれたのは、新潟リハビリテーション大学院大学(現:新潟リハビリテーション大学大学院)でした。近年では、発声発語への治療効果だけでなく、パーキンソン病患者の症状として現れやすい「摂食嚥下障害」の改善にも効果があるとされているようです。

さらに『LSVT®』は、領域を運動療法へと広げ、ST領域の訓練法を『LSVT® LOUD』、PT(理学療法士)領域の訓練法を『LSVT® BIG』の2つに大別しました。

『LSVT®』は、STやPTなら誰でも行なえるのですか?

『LSVTⓇ』は、見ての通り商標登録されていますね‼これはLSVT Globalが、治療効果を国際的に維持するためのものなのです。臨床家としてのLSVTⓇ施行には、LSVT Globalが主催する2日間のWorkshopに参加して認定を取得することが必要なのです。

認定講習会の参加費用は、一般参加、学生参加(言語聴覚士の養成学校)、認定既得者によって違います。35,000くらい~90,000円弱くらいで、受講料、資料代、認定試験料、認定証及び認定登録費用、昼食代も含まれているみたいです。
認定既得者は、受けたいプログラムだけを受けるという形式のようです。当然テストもありません。

2日間のプログラムすべてに出席(遅刻・早退は認められません)‼し、認定試験で85%以上の正答率で、認定取得となります。
※不合格者は再試験料を納付の上、改めて認定試験を受けることができます。

 

『LSVT®LOUD』や『LSVT®BIG』では、どんな訓練をするのでしょう?

【LSVT®LOUDのリハビリ内容】

私たちパーキンソン病患者は、オフになると❝小声❞になります。ですから、私の起床時はドヨドヨです。「おはよう」の声も暗いったらありゃしない。『LSVT®LOUD』は発話明瞭度の改善を目的に、意識的に大きな声を出すトレーニングなんです。

パーキンソン病患者は引きこもったり、孤立しがちです。その上で発話障害が加われば、パーキンソン患者のQOLを低下させる可能性は高いです‼
LSVT®LOUDという訓練でコミュニケーション能力が向上するならば、病気が進行した後も『他人と話せる』という自信が持てますよね😀

そして、トレーニングは継続が重要です。STが患者が家に居る時もセルフトレーニングできるように指導してくれます。

LSVT®LOUDのトレーニング効果は2年後も持続することが証明されているとのこと🌈PETを用いた研究で、LSVT®LOUD後、大脳皮質の運動野、運動前野における過剰な活動性が増大することが示されたそうです。

プログラムは1カ月で、16のセッション。(1週間に60分のセッションを4つずつ)。目標は、決して叫んだりするものではなく、無理のない健康な声の大きさになるようにトレーニングすること‼パーキンソン病の患者なら進行度に関わらず効果があるそうです。

【LSVT®BIGのリハビリ内容】

LSVT®BIGの基本概念はLSVT®LOUDです。パーキンソン病患者の運動療法として2005年から始まりました。パーキンソン病の私たちは、声も小さくなるし、固まってくると動作も小さくなります。前かがみで、すり足、歩くときに手も振らない…。

LSVT®BIGではアクティブストレッチ(Active Stretching)等の手技を取り入れた、身体全体を大きく使った動き(Large Whole-body Movements)を使って訓練が実施されます。これ、絶対に良いです‼

LSVT®BIGでは大きく動くことを考え(Think BIG)、動作の大きさ(Amplitude)のみに焦点をあて、集中的(Intensive)に訓練することで、無動、動作緩慢に代表される運動障害を改善することが目標‼

大きな動きによって感覚の自己校正(Sensory Calibration)を行わせ、運動における適切な大きさを認識し修正する能力を改善することも目標!って本当に私もやってみたいです‼パーキンソン患者に正常な大きさの動作を教え込む、思い出させる、何より大切な訓練だと思います。そしてパーキンソン病に特化しているというのが魅力です

※この中に出てきたPT(理学療法士)、ST(言語聴覚士)は、共に国家資格です。
※どちらの訓練も通院・入院と病院など施設によって違うようです。ネットで調べただけでもパーキンソン病患者に、この訓練を取り入れているところが多くて、知らなかった自分が恥ずかしいです。是非、検索してみてください。

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