パーキンソン病患者・家族のための『ピアカウンセリング』ってご存知ですか?

病気との向き合い方

 

「全国パーキンソン病 友の会」の会報で1年近く前に目にした“ピアカウンセリング”という言葉。その時は、何となく見過ごしてしまったのですが、いろいろと体の不調が増えてくると、そう言えばアレッて何だったんだっけ?なんて急に気になり出したりして…。

『iPS細胞』の登場以来、急に病名だけが独り歩きしているように広がった“パーキンソン病”ですが、健常者の方どころか、罹患した患者やその家族も最初に診断が下った時って困惑するしかないですよね。

私のように“ドクターショッピング”を数年経験すると、自分なりにいろんな病気、その症状を調べていました。なので診断が下った時には、『やっぱり…』という気持ちの方が強かったですね。戸惑う余裕も無かった!と言うのが本音です。進行性の難病だということは分かっていましたから。

パーキンソン病は、何となく聞いたことがある病気…かもしれませんが、症状も進行も人それぞれ。オンの時は、病気だと分かりづらく周囲だけでなく家族にすら理解してもらえないことも!そんな、パーキンソン病の『ピアカウンセリング』について調べていきたいと思います。

『ピアカウンセリング』とは?

 

まず、「peer」の意味は“仲間”です。1970年代の初め、アメリカで自立生活運動の中で『ピアカウンセリング』は始まりました。

自立生活運動が目指すところ…それは、障害を持つ当事者自身が自己決定権や自己選択権を育て、平等に社会参加していくこと!だそうです。

❖パーキンソン病相談会で、相談者からあがった主な不安の例です。
(1)病気に対する不安、薬の問題。どう進行していくのか?⇐やっぱり、これが一番ですよね!
(2)この病気を周囲の人たちに理解してもらうにはどうしたら良いのか?
(3)仕事が徐々にできなくなっている。この先の生計に対する不安。⇐障害年金がありますが、それだけでは足りないかも…。

(4)家族として、どうサポートしていけば良いのか?
などの問題が出たようです。

ピアカウンセリングと一般的なカウンセリングの違いは?

私たちが一般的に“カウンセリング”と聞いて思い浮かべるシーンといえば、専門的なスキルを身につけたカウンセラーが、相談者と1対1で悩みを打ち明け、解決策を考えていくような感じでしょうか?

相談者と同じ体験をしている人がカウンセラーになるとは限らず、というよりその方がケースとしては稀かもしれません。そして、カウンセラーと相談者は対等な立場とは言えないのではないでしょうか?

それに対して、同じ立場や悩みを抱えて集まった人たちを対象として、グループ活動の中で、カウンセリングのスキルを活用していくのが『ピアカウセリング』なのだそうです。

カウンセラーは、同じ悩みを持ち、それを分かち合う仲間として相談にのる“ピアカウンセラー”で、グループを上手く誘導し、相談者が自分の力で悩みを解消できるように進めていきます。

参加している人たちは、同じ仲間として、相談者の心のサポートや、成功体験などを話すことで、解決できる方法などを提供していくのです。グループの参加者が、お互いに影響し合うというところが、一般的なカウンセリングとの違いですよね!

このピアカウンセラーの進行によって、ピアカウンセリングがうまくいくかどうかが決まっていくのだそうです。そんな重要なピアカウンセラーって、どうやって決めていくのでしょう?

ピアカウンセリングから得られるものとは?

まずは“気づき”ではないでしょうか?自分の悩みを話したり、相手の話を聞いたりしていると、悩みを抱えているのは自分だけではないことに気づきます。心が楽になるかもしれません。パーキンソン病のような難病になると、孤立しがちです。私も“市”の支援課に問い合わせて、実施していれば参加してみたいです。

まだ、自分が体験していないことも聞くことができます!同じ悩み、同じ病気で共感できるのもメリットですが、同じ境遇でも違った体験や考え方があります。それを聞くことで、新たな一歩が踏み出せるかもしれません。

ピアカウンセリングでコミュニケーション能力がアップする可能性も!何かしらの悩みや病気を持っていると、他人と話しをするのがツラくなることがあります。

けれど、ピアカウンセリングでは、カウンセラーの進行で、自分のことを話したり、人の話を聞いたりしていきます。徐々に心を開いて、他の人との関わり方や、コミュニケーションのとり方を学ぶ機会にもなるそうです。

これまで見てきたように、ピアカウンセリングには一定の効果があります。しかし、このような特徴が、かえって新たな一歩を踏み出す機会を失わせてしまうこともあります。それについて、ここでみていきましょう。

ただ、良い事ばかりではなく『ピアカウンセリング』には注意点もいくつかあるようです!

ピアカウンセラーは、臨床心理士のような専門家ではないというところなのです。そのため、雑談で終わってしまったり、仲良しクラブのようになってしまうこともあるようです。

また、後ろ向きな意見ばかりに押されて、結局そんなもんだよねという愚痴をこぼす場所になってしまったり、不幸自慢大会状態になることも…。本来の目的である『未来に向かって羽ばたく!』みたいな感じとは真逆の方向へ走り出してしまったり、とグループの“雰囲気”の決め手になるのは、やはりカウンセラーの進行しだいのようですね!

 

ピアカウンセラーには、どうすればなれるの?


ここで再度『ピアカウンセリング』とは、悩みや障害など何らかの問題を抱えた人同士が集まり、同じ仲間として支え合い、自立生活における精神的サポートや情報交換などを行うものだということを押さえておきます。

そしてピアカウンセラーが職業として確立しているのかどうかは意見が分かれるところだそうです。現時点では、ピアカウンセラーには公的な資格もなく、民間資格のみとなっています。ピアカウンセリングのみで収入を得ていくのは非常に困難ではないかと考えられているようです。

講習の受講とレポート提出によって資格が与えられるようです。
ピアカウンセラー養成講座(約5時間)に参加し、レポートを提出します。そのレポートを一般社団法人 日本心理療法協会が評価し、一定水準以上の成績を収めた場合に修了証をもらえるようです。ピアカウンセリングの進行が成功するかどうかは、ピアカウンセラーの経験と資質によるところが大きいというのが分かりますね!

※一般社団法人 日本心理療法協会:ピアカウンセラーをはじめ、スクールカウンセラーや各種心理療法の専門家が技術の共有、症例の研究などを行うために作られた組織です。

まとめ

本当に、上手くいけば理想的なカウンセリングになりそうですし、逆の場合はカウンセリングどころではなくなってしまいそうですが、興味はありますね!参加してみたいです。

2015年からストレスチェックが義務化されたにも関わらず、多くの企業ではメンタルヘルスの対策が進んでいない状態ともいわれています。このピアカウンセラー講座を企業の人事担当者とかが社員のメンタルケアのために受けることも多いようです。

また、ボランティアで被災地に行く人が受講することもあるようですね。それは素晴らしいことだと思います。スキルを磨いて、皆を幸せにするピアカウンセラーが1人でも多く育って欲しいと思います。


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