『パーキンソン病と脳・神経の病気を知るセミナーin大阪』に参加してきました!


2018年2月12日(月・祝)の午後1時から、大阪国際会議場(グランキューブ大阪:大阪市北区中之島5-3-51)の10階で開催されました。

5人の神経内科の先生方が「パーキンソン病とは」から「パーキンソン病治療の最先端」までの講演されるという滅多に聴けないセミナーにドキドキ・ワクワクで参加してきました。

できるだけ新しく、なお且つ正確な情報が欲しい!パーキンソン病患者なら誰でも(と言っても過言ではないでしょう!)思うことですよね。

実際は、いろいろなメディアから溢れる難病の治療方法の情報に“右往左往”させられているような気がします。今回は、現在医療の最前線で活躍されている教授陣の講演から少しでも、学べることがあればと行ってきました。そのあたり書いていきます。

サイド上

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『パーキンソン病と脳・神経の病気を知るセミナーin大阪」のプログラムです。

①13:00~13:15 京都府立医科大学医学部神経内科 水野 敏樹教授
◆神経内科とは

②13:15~13:35 京都大学医学部(神経内科医) 澤本 伸克教授
◆パーキンソン病の診断方法について

③13:34~13:55 和歌山県立医科大学医学部神経内科 伊東 秀文教授
◆パーキンソン病の薬物治療について

④13:55~14:15 大阪大学医学部神経内科 望月 秀樹教授
◆パーキンソン病の最新治療について

⑤14:35~14:50 京都大学医学部神経内科 髙橋 良輔教授(日本神経学会 代表理事)×樋口 了一さん
◆トークショー『病気になってもあきらめない、意欲を失わない生き方』

⑥14:50~15:20 シンガーソングライター樋口 了一さんのミニコンサート

という、何とも盛りだくさんな内容でした。なんと言っても、一人の先生の持ち時間が20分ずつくらいの“バトンリレー講演会”!(私が勝手に付けた名前です。失礼しました。)チョッとバタバタ状態でしたね。

おまけに“レジュメなし”のパワーポイントだけの講演会だったので、必死でメモを取りながら聴いてました。オン状態だったのが幸いしました。

セミナーの内容は?

❖神経内科とは?

私の場合、ドクターショッピングを繰り返し“パーキンソン病”の診断までに数年という長い期間が必要でした。パーキンソン病など神経疾患は「神経内科」の領域なのですが、神経内科の個人クリニックが非常に少ない事や「神経内科」という“科”がどのような疾患を診ているのか、またどのような症状が現れた場合に、神経内科の受診を考えるかが全くと言っても過言ではないほど知られていませんでした。

iPS細胞が世に出て以来、神経疾患なるものが存在し、難病が多くあるのだという事がようやく知られてきました。“パーキンソン病”という病名も知られるようになりました。それでも、未だ「神経内科」と「精神科」と「心療内科」の区別がつかない人って多いのではないでしょうか?というより区別がつくのは、実際に「神経内科」を受診している患者や医療関係者だけかも…なんて思ってしまいます。

セミナーでもその辺りの話は出ました。現時点で多く使われている「神経内科」という標榜を「脳神経内科」に統一する動きがある、ほぼ決まっているというような感じでした。※標榜:病院・診療所などの医療機関が、医療法等の規定に基づいて、広告に表示できる診療科の名称。施設内での診療科名とは必ずしも一致しない。

私の主治医のクリニックは開業間もないせいか「○○脳神経内科クリニック」です。確かに、この方が良く知られている“脳神経外科”の内科部門を受け持つ“科”なのでは?というイメージが湧きますよね!

【主に神経内科で扱う病気は?】
神経内科が扱うのは、脳や脊髄、神経、筋肉に病気があるため、体が不自由になる病気です。まず、神経内科で病気を診断し、結果として手術が必要な場合に脳神経外科が紹介されます。

症状:しびれやめまい、うまく力がはいらない、歩きにくい、ふらつく、ひきつけ、しゃべりにくい、物が二重にみえる、頭痛、勝手に手足や体が動く、意識障害など

まず、全身を診ることができる『神経内科』でどこの病気なのかを見極めます。骨や関節の病気が“しびれや麻痺”の原因なら整形外科へ。手術などが必要なときは脳神経外科へ。精神的な場合は精神科へ紹介します。
という事は、今の医療の順番は“真逆”ってことですか?!これは、かなりショックです。

病気:頭痛、脳卒中、認知症、てんかん、パーキンソン病、神経難病(運動ニューロン病、脊髄小脳変性症、多発性硬化症、重症筋無力症、パーキンソン病、進行性核上性麻痺など)
何とか、まず神経内科へ!ということをアナウンスすることはできないものでしょうか?

❖パーキンソン病の診断方法について

パーキンソン病の診断で最も重要なもの。それは、いつからどのような症状がでてきたのかを問診することだそうです。その問診をもとに特徴的な徴候の有無を診察します。

問診と診察でパーキンソン病を疑った場合、その診断を確認する目的で『検査』を行います。検査の結果だけでは、パーキンソン病を診断することはできないとのこと!私は、完全に 間違ってました。

【主な検査方法は?】
パーキンソン病の診断では、ドパミントランスポーターシンチグラフィや MIBG 心筋シンチグラフィが良く知られていると思います。講演会でも触れられていました。脳の MRI や CT の断層画像の撮影も行われます。(MRI、CTはパーキンソン病だと正常です)

現在“臨床診断”と“確定診断”で、90~95%はパーキンソン病と診断できるそうです。※残り10%弱は、関連疾患の可能性がでてきます。

そして、検査と治療の要素を併せもつ“治療的診断”があります。パーキンソン病の治療薬の“レポドパ”や“ドパミンアゴニスト”を服用して、効果があるかどうかで診断をします。

《鑑別診断について》
ここでは『多系統萎縮症』を取り上げたいと思います。発症は30 歳台以降が多く、多系統の神経が侵され、緩徐に進行していきます。自律神経障害が高頻度で出現し、パーキンソン症状を主症状とするMSA-P 型と小脳性運動失調を主症状とする MSA-C 型に分けられます。

多系統萎縮症では比較的早期から“喋りにくさ”、“飲み込みにくさ”も出現します。また、多系統萎縮症のパーキンソン症状には抗パーキンソン病薬が無効、もしくは効果が限られているようです。パーキンソン病で
は小脳性運動失調はありません。

多系統萎縮症の診断、パーキンソン病との鑑別には画像検査が有効です。多系統萎縮症では脳 MRI 検査で特定の部位(小脳、中小脳脚、橋、線条体)に“やせ”が認められます。一方パーキンソン病では MIBG 心筋シンチグラフィで心臓への集積低下が認められることが多いですが、多系統萎縮症では異常がみられません。

進行性核上性麻痺や大脳皮質基底核変性症も、画像診断や抗パーキンソン病薬の効果などでパーキンソン病と鑑別していきます。講演会でもパーキンソン病と関連疾患との鑑別には時間をさいて説明がありました。

❖パーキンソン病の薬物療法について

パーキンソン病の治療薬の種類については、今回は取り上げずに“薬物治療の開始時期”などについて書いていきます。パーキンソン病の治療は、症状を軽減することで、私たち患者の日常生活動作のレベルや生活の質を改善するために行われます。

パーキンソン病は定期健康診断で分かるような病気ではありません。病院を受診した時点で、何らかの“痛み”や“運動障害”を感じていると思われます。

そのため、診断後早期に治療が開始されることが多くなっているようです。※近年の臨床研究で、診断後、すぐに治療を開始しなかった群では約18か月後にパーキンソン病症状悪化が認められたのに対し、早期に治療を開始した群では、どんな薬剤を選択されてもパーキンソン病症状の悪化は認められなかったという結果も報告されたそうです。


❖パーキンソン病の最新治療について

今回の講演会では、進行期のパーキンソン病患者に対して“デバイス治療”が有効ではないか?ということでした。いわゆる手術を伴う治療ですね!

今、一番耳にする機会が多いのが、脳深部刺激療法: DBSではないでしょうか?頭蓋骨に10 円玉大の大きさの穴をあけて、そこから脳内深くに細い針(電極)を入れます。

胸の皮膚の下にバッテリーを埋め込み、電極とバッテリ―の間を、皮膚の下を通したコードで結線して、持続的に脳内に電流を流す治療法です。他に、針を埋め込む代わりにその部位を凝固して破壊する方法がと
られる事もあります。

また、2016年には“L-ドパ・カルビドパ配合腸注剤”を、胃ろうを作製して先端を十二指腸に留置したチューブからポンプを用いて持続的に注入するという治療が承認されました。講演会で日本でも、既に300人くらいが治療を受けたとのことでした。

デバイス治療を受けても病気そのものが完治するわけではありません。DBSは薬と併用することになるでしょうし(減薬は期待できます)、胃ろうを作った場合に傷口が痛む、肉芽ができるなどの課題もあります。ただ、患者の苦しみが少しでも楽になるなら有効な治療法と言わざるを得ないのではないでしょうか。

最後に大阪大学の望月教授から核酸医薬の治療の話がチラッとですが出ました。この核酸医薬の投与で「αシヌクレイン」の蓄積・凝集が抑制されることを確かめたとのこと。臨床における投与法に近い、脳室内投与で効果が確認できたというではありませんか!

「αシヌクレイン」の蓄積により発症する孤発性パーキンソン病やレヴィー小体型認知症など他の疾患についても効果が期待されるそうです。またまた、一喜一憂です!

まとめ


本当に駆け足!という感じの講演会でしたが、最後にシンガーソングライターの樋口さんの張りの歌声を聴いて『あきらめてはいけない!』ということを実感しました。パーキンソン病になっても、ここまでできる!っていうことを身をもって伝えていただきました。