『iPS細胞』の未来は、再生医療と創薬の2本柱!パーキンソン病の根本治療へ前進!

パーキンソンン病の治療の展望

私は、今まで『iPS細胞』と言えば❝再生医療❞、移植しかイメージしていませんでした。けれど、私が過度の期待をしてしまうのを怖がって、『iPS細胞』から目を背けている間に、何とiPS細胞を使った新薬開発「創薬研究」が進んでいました‼また、一喜一憂してしまいそうです。

『iPS細胞』を未来のステージへと進める!と題した山中教授のお話しを交えながら日本がiPS細胞を用いた再生医療や創薬(新薬開発)の世界でが生き抜いていくためには何が必要なのか?

医療の世界でドラッグラグ、デバイスラグがあると言われている日本が、iPS細胞で世界を驚かせました。そして、その研究成果でも再び世界をアッ!と言わせることができるのでしょうか?言わせて欲しい!

京都大学iPS細胞研究所、製薬会社が『iPS細胞』の医療応用に取り組む❝今❞と❝未来❞について書いていきます。

 

 

 

『iPS細胞』の医療応用の2本柱は、再生医療と創薬です!

【再生医療の課題とは?】

安全性の問題

iPS細胞から作った目の細胞や脳の細胞、心臓の細胞などを移植するわけですから、一番の課題は当然「安全性」ですよね。私たちパーキンソン病患者にとっても、一日も早い再生医療の実現は希望そのものですが、それは安全であるということが前提です‼

iPS細胞には❝ドンドン増える❞という特徴があります。そして、増やした後に「心臓の細胞」や「網膜の細胞」を作るのです。心臓や網膜の細胞は増えたりしません。だから腫瘍を作ることもないのです。

もしも、iPS細胞を他の細胞に作り変えて移植する際、少しでもiPS細胞が未分化のまま残ってしまったら…少しずつでも増えてしまう危険性がありますよね‼

目的の細胞に『iPS細胞』を完全に変えてしまう❗それが、最も重要なことであり、多くの科学者たちが必死で、10年もの間研究してきたことなのです。

「目的の細胞だけを認識する」❗その一番スタンダードな方法は、その細胞だけを認識する抗体を使うというものだそうです。京都大学iPS細胞研究所の髙橋淳教授がパーキンソン病に対するiPS細胞を使った再生医療の治験を2018年度中には申請をしたい考えで進めているとのことです↗↗

iPS細胞から作った脳の細胞「ドーパミン」を作るパーキンソン病の治療法開発でも、細胞の精製にやはり抗体を使うそうです。やっぱり期待してしまいますね‼

時間・費用の問題

患者さんの細胞を使う方法を、「自家移植」と呼びます。拒絶反応を起こしにくいという点では理想的ですよね。ただ、自家移植の課題は、時間と費用がかかることなんです。

2年前から理化学研究所で臨床研究が始められている❝加齢黄斑変性❞の手術は自家移植で行われました。結果は良好!ただ、患者さん一人の細胞を評価するだけでも数千万円、一例目の手術までにかかった全ての費用を合わせると1億円近くにもなるそうです。そして、期間としても1年くらいはかかってしまったとのこと。

時間がかかれば、患者の状態も変わります。重病の場合は、亡くなっているかもしれません。やはり、期間短縮は大きな課題ですね。※費用は言うに及ばずです…。

動物ではサルを使った動物実験の結果、「有効である」というニュースを目にしますが、サルと人間ではかなり違いがあるそうです。実験動物は遺伝的に比較的均一なのですが、人間はより幅広い多様性があるのです。
※現段階では、効果の程度を判断することはできないようです↘↘

 

『創薬』の分野で病気のメカニズム解明が加速!

『iPS細胞』は新薬開発にも大きく貢献しています。まず、薬の有効性や安全性を確かめる試験に使うこと、また難病の治療薬を見つけるために使う、というものです。

【薬の有効性や安全性を確かめる】

ご存知のように新薬が承認される前には、有効性や安全性を確かめるために、いくつもの試験が行われます。試験管などの器具の中で動物や人の組織を用いて「in vitro試験(ラテン語で「ガラス容器の中で」を意味する言葉)」を行い、動物への作用、人への作用はどうかと調べていきます。

ここで問題になるのが、人の細胞にどのように作用するか!を「in vitro試験」で十分に確認したくても、薬の研究開発に使うためとはいえ、人の心臓や肝臓の細胞をとってくるなんて、簡単にできることではないですよね‼

そこで『iPS細胞』が活躍します❗例えば、iPS細胞から、心臓の筋肉の細胞や肝臓の細胞を作ります。それらを用いて調べることで、薬の成分がどのように作用するのか、安全性に問題はないかなどを確認することができます。

【難病の治療薬を見つける】

まだまだ、世の中には原因不明の病気がたくさんあります。「神経変性疾患」と呼ばれるものが代表例ですよね。私が罹患しているパーキンソン病、ALS(筋委縮性側索硬化症)、アルツハイマー病などがあります。

これらの病気になった患者からiPS細胞を作り、神経細胞を作ってみると、もとから持つ遺伝的な要因の影響で病気の患者と同じような性質をもつ異常な神経細胞が作られることがあるのだそうです‼

この細胞に新薬の候補となる成分を作用させ、正常な人と同様な性質になったかを確認すれば、病気の症状を改善する効果や副作用も調べられます。新薬の開発スピードを早めたり、薬の安全性を確認できる可能性も高くなります。

パーキンソン病の薬は、人によって合う合わないがあって薬合わせが大変です。また、希少難病は、その病気だけの薬の開発がコスト的にも困難だったりします。けれどiPS細胞を活用すれば、時間も費用も抑えられるかもしれません。

日本も新たな治療薬を創り出すことに力を注いでいるようです。例えば、産官学(産業界、国や地方自治体等の行政機関、大学などの研究機関)の連携プロジェクト「疾患特異的iPS細胞を活用した難病研究」です。

まだ、『iPS細胞』の治療による難病の完治の実用化までの道のりは、はるかかなたのようで悲しくなります。それでも薬の研究にも使われ始め、一歩一歩進んでいることを信じ、治療、リハビリに励みたいと思います。

こうしている間にも難病患者のために、研究を重ねてくださっている方がおられるはずです。心から感謝します。

 

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