パーキンソン病に『光療法』。その効果は?

パーキンソンン病の治療の展望

パーキンソン病に『光療法』!もう何年も前に「たけしの本当は怖い家庭の医学」という番組がありました。今は確か「名医とつながる!たけしの家庭の医学」という番組名になっているのかな?その“本当は怖い”の頃に、ふと目に留まったのが“冬季うつ病”という初めて聞く病名。

そして、その“冬季うつ病”に対して施されたのが『光療法』でした。それからスッカリ『光療法』という名前も忘れてしまっていましたが、再びふと目に留まったのが、パーキンソン病に『光療法』が有効なのでは?という記事でした。

『光療法』とは、どういう治療法なのか?パーキンソン病に、なぜ有効なのか?などについて調べていきたいと思います。

 

“冬季うつ”とは?

 

秋から冬になると、気分が落ち込んだり、やたらと眠くなったり…そんなこともあるさ!で片づけられるうちは良いですが、ツラさは本人しか分かりません。生活に支障をおよぼすほどであれば「季節性感情障害(SAD)」の一種、「冬季うつ病」かも

初めて「季節性感情障害(Seasonal Affective Disorder; SAD)」という病名が世に出たのは1980年。SADは、秋から冬に抑うつが始まり、春や夏になると治まるという特有のサイクルを繰り返すという事以外、症状としては普通のうつ病と同じだそうです。

例えば、気分の落ち込み、気力が湧かない、楽しめない、イライラする、人間関係が億劫、生きているのが嫌になる…など。ホント、そうですよね!

ところがSADには、非季節性のうつ病とは違う特徴的な症状があるのです。“うつ病”と聞いてイメージする症状は上記のものに加え、不眠や食欲不振…。一方、SADの場合は、睡眠時間が長くなり食欲も増すことが多いとのことです。それも食べたくなるのは甘いものなんだそうです!

「季節性感情障害(SAD)」は、その名の通り春になると回復し、約30%の人が春から夏にかけては気分がやや高揚した(軽躁状態)になる!という傾向があるそうです。

SAD患者数は、女性が男性の約3倍!子どもや年配の方がSADになる可能性は“ゼロ”ではありませんが、きわめて稀なようです。

❖冬季うつの原因は?

冬季うつ病の患者数は、地域により異なります。ヨーロッパでは、南欧に少なく北欧に多い。日本寒い地方ほど、うつ病患者全体に占める冬季うつ病患者の割合が高くなっています。※全国平均1%、日本北部は3~4%だそうです。

原因としては、季節が秋から冬に向かい、日照時間が短くなるにつれて脳内の「セロトニン」というホルモンが減少するからと考えられています。“セロトニン”は、精神を安定させ、やる気を起こさせる働きがあることで良く知られています

❖冬季うつの対策は?

「悪循環」が、症状悪化を引き起こすことも!“うつ”になる⇒何もしたくない(運動不足・日光に当たらない)⇒家でダラダラ食べてばかり⇒太る⇒動きたくない!これぞ負の連鎖。

そして、冬季うつ病の患者の場合、生体リズムが遅い時間にズレている!という特徴があるそうです。健康な人に比べて、体温が最も低くなる時刻やメラトニン(睡眠ホルモンとも呼ばれます)が分泌され始めるのが、約2時間半も遅れているとの報告が!

それに呼応するように、目覚めるころに増えてくる副腎皮質ホルモン・コルチゾールの分泌リズムも、約2時間遅れているそうです。

できるだけ家にこもらず、日光を浴びて「悪循環」を断ち切るのが、一番お金もかからず、手っ取り早いのですが重症になると専門医の受診をおススメします。

この“冬季うつ”の治療で注目されたのが『光療法』なのです。


光療法(ひかりりょうほう)は、一部の睡眠障害やうつ病、また、生体リズムを整える効果があると期待されている治療法。高照度の光を浴びる治療法を「高照度光照射療法」と分けることもあるようですが、光を遮ることも治療法に盛り込む場合もあるため、両者とも『光療法』と呼んでも問題はないようです。

光療法が有効とされているのが、睡眠障害の内でも、とくに概日リズム睡眠障害全般に有効とされています。眠気を司るメラトニンの分泌タイミングを光を用いてコントロールすることで、外界環境と睡眠相とのずれを補正することを目的とした治療法。

また、季節性情動障害のうちでも、冬季うつ病にとくに有効とされているのです。高照度の光を長時間浴びることで“セロトニン不足”が改善されることによるものと考えられています。
※症状が軽い場合は躁(そう)状態になる可能性があるため、光治療を避ける場合もあるそうです。

最近では、非季節性のうつ病の治療にも有効であることが実証されたとのことです。

❖“光”の強さはどれくらい?

「照度」「時間」については、医療機関によって指示が違うようですが、2,500ルクス以上で有効との意見が多いとのことです。ただ、実際の治療現場では、5,000~10,000ルクス程度の照度で30分~1時間程度照射するケースが一般的。

この治療法に関しては有効か無効に個人差はあるようですが、有効な場合は数日~2週間程度で効果が現れると報告されています。

◆通信販売でも「高照度光療法に使用する高照度照明器具」は、販売されています。ただし、“医療機器ではありません”と、シッカリ但し書きが!40,000円前後で2,500~10,000ルクスまで調節可能です。

中には「高照度光照射装置 10,000ルクス光療法」と銘打ったものも販売されてます。値段は同じくらいですね。何と精神科医 精神医療の先生からの紹介も多い商品ですと紹介されてます。

実際にパーキンソン病の患者さんが『光療法』を受けてみられた感想です。

『高照度光装置を用いたパーキンソン病新規治療法の確立』というテーマで、2014年4月~ 2017年3月まで研究、実験が行われています。

《研究実績の概要》 
◇高照度光療法(BLT)前後での運動症状の評価、解析
睡眠リズム障害があると思われるパーキンソン病患者に対してBLTを実施し、その前後で睡眠問診票によるスコア、運動機能評価を行い、データを蓄積。

◇パーキンソン病患者のBLT治療に最適な治療プロトコル(標準治療法)の開発
睡眠リズム異常があるパーキンソン病患者12名(男5名、女7名)に対してまず問診票による睡眠評価を実施。被験者は起床・食事・就寝時刻などを一週間以上一定に保った。試験日には、6時間ごとに毛根を5本程度採取。

以後、12週間以上BLTを継続した時点で、再度睡眠評価および毛根採取を行った結果、約1週間の短期照射でも効果は表れ、12週間の光照射の結果、睡眠の改善につながる可能性が示唆されたそうです。この手法を用いて、患者ごとに最適なBLT照射時間を決定し、治療プロトコルの最適化が実現できると考えられた

《光療法を受けて、3ヶ月後の評価入院の感想です》
その方の感想でも、合う人と合わない人がいるとのことです。光療法は夜に1時間左右2週間交代で受けられたとのこと。その方は『光療法』の効果があったようです。

*夜、よく眠れるようになった。
*むずむず脚症候群にも改善が見られた。
*夜中のトイレの回数が激減。
*手の震えが小さくなった。
*声が大きくなった。
*歩く速度が速くなり、歩幅が広くなった。
*動作がスムーズになった。
個人差があるとは言え、凄い効果ですよね!

まとめ


この治療法は、関西の病院で行われたものですが、まだ臨床研究段階のようです。保険も効かないとのことです。けれど、この病気は容赦なく進行します。もし、本当にパーキンソン病の症状が改善するなら、受けてみたいし、もっとアナウンスもしていただきたいと思います。

そして、一日も早く治療法が確立されるよう願っております。

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