パーキンソン病の服薬開始から7年目。通所から訪問リハビリに変更して3年目。PTとの2人3脚は続きます。

パーキンソン病

今から2年3ヶ月ほど前、通所リハビリのメニュー変更がありました。PT(理学療法士)との個別リハビリの時間短縮、送迎を入れると3時間以上の時間を費やすにも関わらず、自分が受けたいリハビリと通所リハビリの内容の差の広がり…など、悩んでいました。

私が通っていた通所リハビリの施設は、とてもシッカリとしたメニューで私たちを支えていてくれていたと思います。病院と直結し、入所する前には、キチンとした健康診断まで実施するというのがその病院の院長の方針でした。

ただ、一度に10人程度が(人数は制限し、スタッフの目が行き届くようにしてくれていました)同じ場所でリハビリを行います。筋肉トレーニングや有酸素運動の機械などは、一人一人に合わせてあります。それでも30分もかかりません。

PTとの個別のリハビリが10分~15分。これがメインなのですが…。

後は天井からぶら下がったコードでの運動だったと思いますが、個別に変えていくわけにはいきません。座って行うか、立って行うか、くらいの違いはつけられますが、一人の運動機能訓練士(その施設はPTの他に利用者約5人に一人“運動機能訓練士”がついてくれていました)で、利用者の安全を確保するのは限界があります。

確かに通所リハビリには長所もたくさんあります。時間通り身支度を整える!これだけでも、私たちパーキンソン病患者にとっては大変なことです。まず、服薬時間の調整は必須項目ですね!

また、いろんな年代の人、別の病気の人との交流も楽しいです。同じ時間帯の人とは世代を超えて仲良くなりました。けれど、私が『リハビリ』に求めていたものとは違い、ドンドン“距離感”を感じるようになっていました。

パーキンソン病は「進行性」なのです。日々進行を実感する時もあります。一日でも長く自分で歩きたい、できる限り自分のことは時間がかかっても自分でしたいと考えてリハビリに期待を寄せていたのに3時間の内の半分くらいは送迎とお喋りとリズム体操に消えていきます。

それは、それで悪いことじゃない!楽しめば良い!と考えようとしても…というか考えている時点でどこかに不満があるんです。何を贅沢な、と打ち消そうとすればするほど距離を感じる。2年前にはそんな時期がありました。

そんな私を心配して担当ケアマネがある提案をしてくれたのです。介護点数も余っていることだし『訪問リハビリ』を入れてみたらどうかしら?というものでした。40分間だけれど、1対1だしパーソナルトレーナーみたいじゃないの!とのこと。

病院の院長も今の体力なら訪問リハビリを追加しても問題はない!と太鼓判。その病院では、通所リハビリと訪問リハビリは管轄は違うものの同じ病院内で働くスタッフ同士。連携も取れますね!と話はトントン拍子に進みました。

今も“パーキンソン病”という厄介な病気に振り回され、焦り、嘆き…そういう“負の感情”があることに変わりはありませんが、2年と少し前は、まだ狙った時間に服薬すると、自分が“ON”でいたいときにチャンと薬が効いてくれていました。

だから「もっと頑張れば、もっと動きが良くなるはず!!」なんていう“変な焦り”があったように思います。本当に、この病気になってから周囲の人の支えと許しで、ここまで歩いてこられたのだと感謝の気持ちでイッパイです。

そして、これからのリハビリ方針も決まり、翌月から通所リハビリに訪問リハビリを加え、より充実したものにしていきましょう!めでたし、めでたしのはずが…。

この計画を実行に移すためにケアマネが、着々と準備を進めていました。訪問看護(リハビリ)を受けるためには、主治医の指示書が必要です。『訪問リハビリを受けることによって、患者は身体機能面で生活のQOLの維持に効果が期待できます。』というものです!もちろん主治医は快諾。

さぁ!翌月から新体制で!と思った矢先に思わぬ情報が。私も勉強不足でした。調べれば直ぐ分かることなのに。私の担当ケアマネは良くも悪くも(悪くはないですよ)ザックリとした性格。だから楽しく付き合って?いられるんだろうな~と、思います。

でも、この時には私の担当ケアマネになって4年が経っていたにも関わらず、私が『特定医療費(指定難病)受給者証』を持っていることを知らなかった…というか浮かばなかったとのこと。

現在利用している訪問看護リハビリテーションセンターに確認の電話を入れた際「訪問リハビリを受ける方はパーキンソン病と聞きましたが特定医療費受給者証は、お持ちですか?」と聞かれたそうです。そこで初めて“アレッ?!”と思い、私に確認を取ってきました。でも、憎めない人なんですよね!

厚生労働大臣の定める疾病等は介護保険の利用者でも訪問看護は「医療保険」で行うということになっています。

それって私たちパーキンソン病患者にとってはメリットなの?
はい!大きなメリットです。これは以前にも書きましたが、おさらいです。医療保険対象だと、なぜ大きなメリットなのでしょう?

 

なぜ訪問リハビリが『医療保険対象』だと患者にとってメリットが大きいの?

再度繰り返すことになるのですが、厚生労働大臣の定める疾病等は介護保険の利用者でも訪問看護は「医療保険」で行います。

医療費に組み込まれるということは、パーキンソン病の特定医療費の上限までで訪問リハビリも受けることができるわけです。

❖ここで再度・再度、医療費助成の対象になるのは?をおさえておきます。
(1)指定医療機関での難病の治療(保険診療)にかかった窓口での自己負担額
(2)薬局(指定医療機関)での保険調剤の自己負担額
(3)訪問看護ステーション(指定医療機関)を利用したときの利用者負担額
(4)介護保険の医療系サービスを利用したときの利用者負担額
例えば、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、介護療養施設サービスなどのサービス。

では対象とならないのは?と言うと、“認定されている病気やケガ以外での治療費”。はたまた、“入院中の食事や差額ベッドの入院時の食費、差額ベッド代”、“診断書や臨床調査個人票”といった主治医に病状の証明を依頼する時、“自費診療”の費用、鍼灸、マッサージなど。

前にも書きましたが、私のように地域包括支援(ケア)センターからケアマネージャーが来ている場合、その時点では“要支援担当のケアマネ”とも言えます。だからどう!!ということはなく、指定難病受給者証を要支援のパーキンソン患者が持っていることは多くないのです。そのため、要支援担当のケアマネジャーは、指定難病者への訪問リハビリが公費負担の対象だということを知らないというケースは少なくないそうです。

なかなか難しいことですが、もしも可能ならば自分でも“パーキンソン病”のことを調べてみても良いかもしれません。あくまでも無理のない範囲で!

そして私は、2017年6月から通所リハビリをやめ、週に2回の訪問リハビリに切り替えました。とりあえず経済的なメリットは大きいです。単純に通所リハビリの“施設利用料”がいらなくなるのですから。

ここから2年!本当にPT(理学療法士)には感謝してます。

1回目の訪問リハビリの前に担当のPT(理学療法士)との面談がありました。顔合わせ…と、チョットした相性診断的なものも含まれていると思います。私の場合、通所リハビリの担当PTがイチオシのPTでした。

「彼は、若いけれど“引き出し”をいっぱい持っている子?だから、絶対大丈夫!相性も合うはず!!」とのこと。打ち合わせ当日にやってきたのは“そのイチオシの彼”でした。私の息子と同い年。若ッ!と思いつつ、私がリハビリに期待していること、40分間という限られた時間をいかに有効に使っていくか!を熱心に聞いてくれたのを覚えています。

私がリハビリに期待していること…私一人ではできないこと、間違ったやり方で続けている動き(ストレッチなど)を正しく修正して欲しい、自分自身でも家族でも友達でもない“第3者”としてキチンと“今の状態と今私にできることを指導して欲しい”というようなことを言ったと記憶しています。

それから、訪問看護・リハビリは自宅に来てくれます(あまりにも当然ですが)、そしてリハビリ専門職の「医療従事者」が1対1で筋肉の状態、歩行姿勢、バランス感覚などその日の私がどこまでやれるかをチェックしてからリハビリに移ります。

これほど安心なことはありません。ですから「少々キツメにお願いできますか?メニューとしてはここまでやれたら良いな!というのを常に目標にしたいです。」と伝えました。

後で、よくこんなこと言ったものだ!なんて笑っていましたが、実際にリハビリが始まると“笑えない事態が!”次々と…いろいろな事を思い知らされました。ヤッパリ運動不足でしたね。

私の無様な“前屈(してるつもり)姿勢”は、決して誰にも見せたくありません。全然前屈じゃない!ヒザはプルプル…。開脚なんて90度くらいしか開かないし!またヒザだけプルプル。

PTはキツメにっておっしゃいましたよね~なんて冗談交じりに、開脚の足がそれ以上戻らないように自分の足で私の開脚を押さえながら、はい!手を出して私の手を掴んでください!って言われてもできるわけないし…「ウギャ~!」みたいな叫び声にもならない声を上げるのが精一杯。本当に股関節カチカチ、肩甲骨周りカチカチでした。

今も柔らかくなったとは言えませんが少しはマシになったかも。やっと指が床につくようになりました。歩行は始める前に廊下を5~6周。終わりに、また同じように。動画で撮影もします。観るとショックを受けますが現実を直視できます。

片足立ちも始める前に左右20秒ずつ。終わりにも同様に。これが不思議なことに筋肉を緩めすぎるとグラグラ!PTも毎回“ちょうど良いほぐし加減”に頭を悩ませているようです。

まとめ

前の投稿の時にも書きましたが、通所リハビリ、訪問リハビリ、それぞれ長所短所はあります。費用も当然大切ですが、自分が目標とするリハビリは何なのか?リハビリは身体面だけではありません。パーキンソン病は鬱にもなりやすくストレスにも弱くなります。

精神面のリハビリも考慮に入れて通所リハビリ、訪問リハビリ、どちらも併用する、など担当のケアマネジャー(介護支援専門員)と相談されてはいかがでしょう。

通所リハビリは送迎が付いています。出かけてしまえばスペースや立派な運動器具がは確保されています。

いろんな人と触れ合うことのできる通所リハビリは、それが苦痛でたまらない方は別として、体調が悪いとこもりがちになるパーキンソン病患者にとって“気分転換”は立派な精神面のリハビリになると思います。

訪問リハビリをためらっている理由が「家を片付けないとダメだから」というのを聞いたことがあります。確かに足の踏み場もなければリハビリどころではありません。片づけるチャンスかも。ただ、そんなに広いスペースは必要ありませんよ。

おさらいですが、やはり生活の場で自分に合った運動や動線をPTと一緒に作っていく訪問リハも楽しいです。PTが居てくれるのは週に2時間弱。残りの時間は自分で体を動かさなければいけませんから。

けれど、パーキンソン病が治る病気になって、完治した後に身体を元の状態に戻すリハビリくらいしか必要なくなる…そんな日が来ることを願わずにはいられません。

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