先日、目にした記事。『難病のパーキンソン病 超音波使った新治療法の治験開始 阪大』火付けは、2019年11月28日。
数年前、ブログを書き始めた時は一酸化炭素だのミトコンドリアだのの“見出し”に遂に完治か!と心躍ったものです。
iPS細胞さえも『もう、ダメか!』と諦めモード…。そして今度は“超音波”!!朗報かも?!というニュースに対しても回を重ねる毎にドンドン、オ~ッ!と思うテンションが低くなってます。
超音波を使っての治療…そもそも超音波って?
今回、大阪大学大学院医学系研究科の望月教授を中心とした研究グループが発表した『パーキンソン病に対する新たな治療法』とは、弱い超音波を使って異常を起こしている神経細胞だけを焼き切るというもの!
特殊な装置を使うようですが、1000カ所から一気に異常個所へピンポイントで“弱い超音波”をあてることによって異常個所を焼き切り、それによって、今患者が苦しんでいる症状が改善されるそうです。
本当に今の“ツラい症状”が改善レベルまで緩和させてくれたら!って考えるだけで嬉しくなります。でも、どこかで“一酸化窒素”、“コエンザイム”、“ミトコンドリア”など浮かんでは消えていった(まだ、研究は着々と続いているかもしれませんが(*_*;)研究たちと同様に“ぬか喜び”に終わってしまうのでしょうか?
本当に早く根治治療法が見つかるか、緩解でも良い私たちが普通の生活を営める程度の新薬が開発されるか。もしくは、デバイス治療(DBSやデュオ・ドーパのように外科的な治療、要するに手術)の発展などが無ければ日本だけでも15万人はいると言われるパーキンソン病患者は路頭に迷うようになるかもしれません。
もし、患者数が多いという理由で“希少性”が認められず、指定難病から外されたとしたら、とてもじゃないですが現在のレベルの治療を受けることは我が家では不可能です。3割負担としても10万/月くらいの薬代がのしかかってくる可能性はあるのです。
ですから、新しい治療法、今回阪大が発表した体にメスを入れず、気になる症状の部分の神経細胞だけをピンポイントで取り除くことができれば…その治療が保険適用になれば…素晴らしいですよね。
★そこで、ふと「超音波」ってよく耳にしますが、どのような物なのでしょうか?恥ずかしながら、私は今まで深く考えていませんでした。
◆超音波は音の一種◆
では音とは?となるのですが、音は空気の振動。物が振動する⇒その周りの空気も振動⇒その振動の広がりが音として伝わるのです。
私たち人間は、声帯を震わせることで空気を振動させる⇒音を出す⇒その音が喉で反響し、声として発声される。
超音波とは、一般に「人間の耳に聞こえない音」とされているようです。
超音波の特性としては、伝わるのに媒体が必要です。気体、液体、固体などの媒体中を伝搬します。けれど真空中では伝わりません。
超音波は光の通らない媒体中でも伝わり、媒体により伝わりやすさが違います。気体<液体<固体の順で伝わりやすさ高くなるそうです。
そして、超音波は減衰し、周波数が高いほどその率が高くなるため、超音波は可聴音より短い距離しか届きません。これは媒体によっても変化します。
音は均質な媒体中では直進、音速が異なる物体との境界面で反射する。この性質を、魚群探知機や医療診断装置で使っているそうです。ウ~ン!難しい。
超音波は、周波数が高いほど鋭くなるため医療診断装置に使う場合など、ピンポイントでの計測が可能になり、細かなところまで見ることができるようになるそうなんです!!
※この辺りがポイントでしょうか?難しすぎて…。
そしてパーキンソン病の症状を改善させる超音波を使った新しい治療法とは?
私たちパーキンソン病患者に対し、大阪大学の研究グループは、弱い超音波を使って異常を起こしている神経細胞を焼き切る新たな治療法を、一般的な治療として確立させるための治験を始めたとのことです。もう始まっているということですね!
その治療法は、書き出しの部分でも触れていますが「特殊な装置を使っておよそ1000か所から、異常を起こしているとみられる脳の神経細胞の一部に弱い超音波を集中して照射する手法で、脳のほかの部分への悪影響を避けることができる」というもの!
この治療法は根治治療ではないそうですが、症状を改善させる効果が期待されるということです。そして、研究グループでは、健康保険が適用される一般的な治療法として確立することを目指し、今後1年かけて10人の患者を対象に、安全性や効果を確認する!とのこと。
パーキンソン病患者にとって、根治治療が叶うならどれほど嬉しいか…。けれど、このツラい症状が少しでも改善されるなら、それも大きな外科的手術を施さなくても済むのなら充分に進歩なのです。
そして、保険適用となり広く患者の誰もが受けられる治療法であることが望ましいのは言うまでもありません。『超音波は以前から『パーキンソンに効く』という治療法として注目されていたのです!
超音波を使っての治療…そもそも超音波って?
去年2018年の2月にブログで取り上げたのが『MRガイド下集束超音波治療(MRgFUS)』でした。その記事はこちらをご覧ください。
パーキンソン病治療に有効なのでは?とのことで湘南藤沢徳洲会病院が国内初の『MRガイド下集束超音波治療(MRgFUS)の臨床研究を2017年4月に始めています。
結果、振戦優位型のパーキンソン病患者さんは治療を受けた後、症状が軽減したとのことです。3月14日の本態性振戦(自分の意思と関係なく手や首が震える疾患)が1例目、この時の患者さんは4例目だったそうです。振戦優位型のパーキンソン病患者さんをこの装置で治療したのは日本初!
MRgFUSはMRI(磁気共鳴画像診断装置)と超音波装置を組み合わせた治療法で、MRIでリアルタイムに患部の位置と温度をモニタリングしながら、1024本の超音波を集束、患部を焼灼(しょうしゃく)するとあります。何となく似ているような…。専門家からしたら違うんでしょうね!
頭蓋骨に小さい孔を開ける手術をすることなく治療できるため、外科的侵襲や感染のリスクも低い。治療効果をすぐに確認できる。など素晴らしい治療のようですが、実施には十分な知識と技術が求められるとのこと。今でもやっているのでしょうか?成功していたら保険適用になってますよね!
病院のホームページを見てみると、2018.08.08。
振戦優位型のパーキンソン病に対するMRガイド下集束超音波治療の臨床試験の募集は終了しました。現在、ジスキネジアを有するパーキンソン病に対するMRガイド下集束超音波治療の臨床試験の募集を行なっております。
試験の詳細について知りたい方は、主治医からの紹介状をご準備の上、当院神経内科の受診手続き(外来予約)をおとり下さい。とありますから、きっと続いているのでしょうね。実を結びますように。
病院からは2019年。この時の患者さんは68歳時に上肢振戦で発症した73歳男性。午後3時半に治療開始。局所麻酔をして専用のフレームを装着した後にMRI室に移動。ヘルメット型の超音波装置を頭に装着して標的部位を確認する作業を開始。治療の成否を決めるため、何度も調整を繰り返す。
治療後にすぐ歩けるそうです。5回目の照射を終えたところで治療効果を確認するテスト。手のこわばりが取れてきています。震えも少なくなりましたとのこと!
8回目の照射を終えたところで2回目のテスト。振戦の消失に加え、動きがスムーズになっていることを確認。10回目の照射をして治療は終了。治療から14日目に自宅退院だそうです。いろいろな治療法の開発が待たれます。
まとめ
根治治療でなくても良い!薬が効いていない時のこのツラさが少しでも軽減されるのなら。そんなことを指の固縮に苦しむ時は心の中で叫びます。
たった一日の安らぎすら与えてはもらえないのでしょうか?いつも体のどこかが緊張している…。本当にきついですね。でも、笑ってお喋りしている時もあるんですよ。泣き笑いも混じってますけど。泣いたり、泣いたり、笑ったり。生きてるんですね。
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