パーキンソン病は、むずむず脚症候群(RLS)の併発が多い病気。ビ・シフロール後発品もRLSの効能追加取得によって先発品との不一致が解消!


私には、ミラペックスという名称の方が聞き慣れている感じがするのですが、選択的ドパミンD2受容体作動薬ビ・シフロール錠(一般名:プラミペキソール塩酸塩水和物製剤)は、1985年にドイツベーリンガーインゲルハイム社(現 ベーリンガーインゲルハイムファルマ社)で開発されました。

先発品は、このベーリンガーインゲルハイムのビ・シフロール錠ということになりますね。現在では100ヶ国近くで使用されているそうです。承認は、パーキンソン病および中等度から高度の特発性(一次性)レストレスレッグス(むずむず脚)症候群への適応です。

ビ・シフロール錠とミラペックスLA錠の成分が同じであることは知っていました。診断が下った当初、マドパーとミラペックスを処方されていましたから。ただ、後発品(ジェネリック)の多さと、先発品と後発品で効能の記載が違っていることなどは知りませんでした。そのあたり調べてみます。

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まず「先発品」と「後発品」の説明から

『ジェネリック』と言った方が断然分かりやすいですよね!CMでお馴染みです。普段、薬局で薬を処方してもらう時も“先発品”や“後発品”というのは、ほとんど耳にすることがないように思われます。

後発医薬品(ジェネリック医薬品: generic drug, generic medicine)は、医薬品の有効成分そのものに対する特許である物質特許が切れた医薬品を、他の製薬会社が同じ有効成分で製造・販売する医薬品です。ご存知の方も多いですよね。※特許期間は20~25年。

ジェネリック医薬品はよく聞きますが、私は逆に元の新薬である先発品という呼び方は初めて聞いたと言っても良いくらいで、勉強不足です。医薬品の特許はひとつだけではありません。物質特許(有効成分)・製法特許(製造方法)・用途特許/医薬特許(効能効果)・製剤特許(用法用量)の4種類があります。

ただ、何度もブログで取り上げたように『創薬』には数百億とも言われる巨額の費用と膨大な時間がかかっているのです。開発企業にすれば、特許期間が過ぎたからと後発企業に苦労して創り上げた製法を持って行かれるのを黙って見過ごすわけにはいきません!

開発(先発)企業の対抗手段としては、同一薬効成分に新たな効能・適用などを発見し、特許権を追加取得したり、製剤・剤型を見直して効能以外に付加価値を付ける(口の中で溶けるOD錠とか?)などでしょうか!とは言え、ジェネリック医薬品は続々と販売されていますよね。患者側としては、効能が同じで薬価が安ければありがたいです。

ただ、後発品は有効成分は同一でも添加物が多少異なるのでは?吸収率や血中濃度の推移に多少の差異はあるのでは?など全く同じ薬とは言えないのでは…という声もあるようです。けれど、厚生労働省の承認が得られているのですから患者側は効果・効能を信じるしかありません。※後発品使用は強制ではありません。

薬は人によって合う、合わないがあります。先発品より後発品の方が効き目があったというケースもあるのではないでしょうか。後発品の薬価は、先発品の7割~3割くらいのようです。

特に高薬価医薬品ではメリットは大きいですね。私が“帯状疱疹”になった時に処方されたのは後発品で、5割くらいの薬価だったと思います。慢性疾患などで長期使用せざるを得ない場合も薬代の大きな節約になるでしょう。

「後発品」が抱える問題点とは?

後発医薬品には、先発医薬品には存在する効能やその一部が認められず、適応症が少ない場合があるのです。上記の通り後発品は、先発品に認められる特許期間が切れたとき、同じ有効成分を持つ医薬品開発が認められるようになるため、開発製造できるのです。

ということは、先発品の4つ全ての特許が切れていない場合、すなわち“一部”の効能効果や用法用量にまだ特許が残っていたとしても、後発医薬品が承認できることになるわけです。

そういった場合、後発品においては、先発品の特許が残っている部分については同じ有効成分を用いることができません。当然、先発医薬品に認められる効能効果が“後発品”には一部認められず適応症が少なくなったり、用法用量が異なったり…ということが発生するのです。

ただし、このような制限がある場合を除いては「後発品」の効能を「先発品」と合致させるようにという動きが、厚生労働省により求められていたのです。

そして今回ビ・シフロール後発品でRLSの効能が追加されることに!


日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社の『ビ・シフロール®錠』の薬効分類名は、ドパミン作動性パーキンソン病治療剤・レストレスレッグス症候群治療剤(RLS、むずむず脚症候群)となっています。この薬が先発品です!

そして後発品の多さに驚きました。一部だけ抜粋してみますね。
①中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)
●平成29年10月の時点で①の効能がついているのは「先発品」の日本ベーリンガーの  ビ・シフロール錠だけです。
先発 ビ・シフロール錠0.125mg 日本ベーリンガー ①

後発 プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg「AA」 あすか=武田 -
後発 プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg「DSEP」 第一三共エスファ=第一三共 -
後発 プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg「EE」 エルメッドエーザイ=エーザイ -
後発 プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg「FFP」 富士フイルムファーマ -
後発 プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg「JG」 日本ジェネリック -
など(この倍ぐらいの後発品があります)

これは、0.5mg、0.125mg1錠(OD)、0.5mg1錠(OD) も同様です。薬価は先発品が45.7円で後発品が20円前後と言ったところでしょうか。

●これが、平成30年3月20日からはどうなったかというと…。
先発 ビ・シフロール錠0.125mg 日本ベーリンガー ①
後発 プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg「AA」 あすか=武田 ①
後発 プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg「DSEP」 第一三共エスファ=第一三共 ①
後発 プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg「EE」 エルメッドエーザイ=エーザイ ①
後発 プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg「FFP」 富士フイルムファーマ ①
後発 プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg「MEEK」 小林化工 ①
など各社。

武田、サワイ、日医工など後発品を手掛ける製薬各社は2018年3月20日、抗パーキンソン病薬『ビ・シフロール』(一般名:プラミペキソール塩酸塩)の後発品について、中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(RLS)の効能・効果と用法・用量の追加承認を取得したのです。先発品と効能・効果、用法・用量とも同一となり不一致は解消されました。

まとめ

パーキンソン病患者だけでなく、病気になったとき『薬』は本当に大切です。私たちにとって先発品か後発品かよりも、より安全で安心して服用できる『薬』を創って頂きたいと願っています。