パーキンソン病患者とPT(理学療法士)、そしてOT(作業療法士)との関わり方の違い。


私たちパーキンソン病患者にとって“薬物療法”と“リハビリ”は車の両輪のようなものというのは、今までの記事でもよく書いています。リハビリと聞いて、直ぐに思い浮かべるのはPT(理学療法士)さんではないでしょうか?

けれど、私たちのリハビリに携わってくださっているのはPT(理学療法士:Physical Therapist)だけではありません。通所リハビリなどで筋固縮の状態をチェックしてもらったり、個人にあわせたリハビリメニューを考えてもらったりと、接する機会が多いのはやはり担当PTです。

前回テーマとして取り上げた国家資格の医療従事者の中にOT(作業療法士:Occupational-Therapist)という資格があったのを覚えておられるでしょうか?※Occupationalとは、それだけでは“職業上の”とか“事務的な”のような意味のようです。

どちらの資格も、パーキンソン病のように進行性の難病患者や、怪我や病気で身体の自由を奪われてた患者に対して個人に合わせたリハビリを行い、できる限り良い状態の生活をキープし、改善させる支援をするという点は共通しているようです。今回はその『違い』について調べてみたいと思います。

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PT(理学療法士)とは?

『理学療法士及び作業療法士法第1章総則第2条1』によれば、「理学療法」とは、「身体に障害のある者に対し、おもにその基本的動作能力の回復を図るため、治療のための体操とその他の運動を行うほか、電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理療法を行うこと」をいいます。と謳われています。

前回でも触れたように理学療法士は、医師の指示の下でリハビリテーションや物理療法を行い、運動能力の回復(立つ、座る、歩くなど)を支援する専門職です。

❖理学療法士の職場による仕事内容の違い。

急性期病院・クリニックの場合
急性期病院やクリニックでの理学療法士の主な仕事は「リスク管理」と「機能回復」。
急性期病院や怪我・障害の発生直後からリハビリを行なう場合、患者は、まだ障害の原因となった病気や怪我が治りきっていないということが大半です。

※急性期病院とは急性疾患や慢性疾患の急性増悪などで緊急・重症な状態にある患者に対して入院・手術・検査など専門的な医療を提供する病院となっています。

寝たきり状態にしないため、身体に負担のかからない範囲で運動を継続させます。入院中は臥床時間がながくなるので、運動によって体力・筋力の低下の防止に努めます。それには病気や怪我の原因とそのリスクを把握する必要があるため、リハビリだけでなく医学的な知識も身に付けなければいけません。

◆回復期リハビリテーション病院の場合
回復期のリハビリで重要なポイントは「機能回復」と「動作改善」です。最近、入院日数が減ってきつつあるので重要なポジションのようです。回復期のリハビリではより実用的で、日常生活に合わせたリハビリが必要となるのです。利用者さんの身体機能のみならず、家族との関係性や家の構造、生活スタイルなどをより詳しく把握する必要があります。

他にも介護老人保健施設や、デイサービスなどの高齢者施設のリハビリは「機能維持」がポイント!加齢による身体機能の衰えを少しでも遅くするのです。リハビリを楽しむことができる運動やレクレーションを考えるのも仕事です。

そして、私も利用させてもらっている訪問リハビリが最近増えてきているそうです!要介護認定を受け、サービスを申し込んだ利用者の自宅にPTが訪問し、自宅でリハビリを行います。エッ!自宅と思われるかもしれませんが、日頃生活をしている環境でのリハビリは、日常動作の改善にも直結します。家族や介護者にもアドバイスすることができるのです。(1回の利用は40分~60分)

※特定医療費(指定難病)受給者証があれば、訪問リハビリは介護保険ではなく医療保険扱いに!の詳しい記事はこちら⇒クリック


他にも人数としては少ないですが、スポーツトレーナー、行政関連で活躍するPTもいるようです。また児童福祉施設・身体障害者施設で働いているPTも!仕事の幅が広いという事は、利用者のニーズも様々です。頭が下がる思いです。

OT(作業療法士)とは?

『理学療法士及び作業療法士法第1章総則第2条1』によれば、「作業療法」とは、「身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせること」をいいます。となっています。短時間の通所リハビリ施設ではOTと会う機会は少ないかもしれませんね。

作業療法士のリハビリは、“身体的な分野”と“精神的な分野”に分けられるそうです。身体的なリハビリとしては、関節を動かしたり筋肉を動かしたりすることで、身体機能を向上させます。ここまではPTと似ていますね!

作業療法士の仕事のポイントは「応用動作」という、私たちが普段の生活で行う日常動作(食事・入浴・着替えなど)です。

これらは、基本動作ではなく応用的な動きなので、判断力や記憶力の訓練にもつながるのだそうです。例えば、料理や洗濯、掃除など家庭内の動作。また、将棋、書道、園芸、木工、裁縫といった作業や動きを行いながら訓練をサポートしていきます。

❖作業療法士の職場による仕事内容の違い。

◆病院
OTもPT同様に病院を職場とする場合が多いようです。専用のスペースでリハビリを行う場合もあれば、病棟を回ってリハビリを行う場合もあります。医師の指導のもと、看護師やPT、ST(言語聴覚士)など他のリハビリ専門スタッフと協力しながら仕事を進めていきます。基本的な仕事の進め方はOTもPTも同じですね。

◆保健所

保健所で主に行われているのは、病気の予防の勧めや健康相談などの福祉関連業務ですが、リハビリの教室などが開かれることもあります。保健所で勤める場合には公務員として働くことになるため、安定して働けると思います。ただ、恐らくですが募集人数はそれほど多くないでしょう。

◆職業センター
作業療法士の仕事は職業リハビリテーションです。職業リハビリを行うのは、公共職業安定所(ハローワーク)や地域障がい者職業センターなどがあり、OTはそこで、職業に関しての指導や紹介、就職後のアドバイスや雇用主へのアドバイスなど多岐に渡る仕事をします。

◆精神科病院
精神科病院では、当然ですが“うつ”、“認知症”、“統合失調”、“薬物などの依存症”などといった精神疾患のある患者さんに接することになります。

OTはその患者に向き合い、精神的な負担の緩和、作業プログラムによる訓練などを通して、社会生活への復帰をサポートします。

その他にも、小児病院や児童福祉施設、介護老人保健施設、特別養護老人ホームなどで活躍しています。また、OTも訪問リハビリで活躍しています。

パーキンソン病患者も“食事動作”、“洗面動作”、“着替え”、“排せつ動作”、“入浴動作”などOTのお世話になる確率は高いですね!そして認知症もとなるとなおさらです。

PT(理学療法士)とOT(作業療法士)の違いは?

上記のことをまとめてみると、PTとOTの仕事には、まず患者をリハビリ専門職の一員としてサポートするという共通の目的があります。その上で、それぞれが違う目的で患者をサポートしているのです。

◇理学療法の目的:身体の基本的な動作における機能回復をサポートする。
寝返り、立つ、歩く、座るといった基本動作を筋肉や関節を動かす「運動療法」と、患部を温める、冷やす、電気刺激を与える「物理療法」で機能回復を目指す。※「運動療法」と「物理療法」は理学療法の2大治療法と呼ばれています。

作業療法の目的:日常生活で必要な機能回復をサポートする。
着替え、料理を作る、仕事ができる、学習することができる、支障なく生活ができることなど応用動作ができるように機能回復を目指す。そのために運動活動を持続させ、手先・指先が上手く動かせるように、手工芸などを進めてみる、少しずつ生活圏を拡大させるための活動をするとのこと、PT、OTの皆さんには感謝ですね!

まとめ

今回あらためて理学療法士・作業療法士の仕事内容を調べてみて、これ程多岐に渡る知識と経験が必要なしごとなんだ!と実感し、感謝の気持ちでいっぱいです。

私は、OTが統合失調症やうつ病などの精神疾患の患者さんも対象としてしていることを全く知りませんでした。PT、OT共にパーキンソン病患者には運動面、精神面でなくてはならない存在だということが分かりました。リハビリ!頑張ります。