パーキンソン病患者にとって“薬局”との関係は大切です。指定薬局では何でも相談できますか?

病気との向き合い方

パーキンソン病患者で特定疾患受給者証が交付されると「指定医療機関」と「指定薬局」を申請しなければいけません。ただ、その病院でパーキンソン病以外の症状で受診した場合は医療費補助は受けられません。また、「指定薬局」もここでいう『かかりつけ薬局』とは違います。あくまでもパーキンソン病症状での受診の際に使います。

難病患者である私たちパーキンソン病患者こそ『かかりつけ薬局』が必要不可欠だと思います。同じ薬局に通っていると“前の自分”を知ってくれています。薬が変わった時など、自分でも気づかない変化を指摘してもらえることもあります。

いつも薬の変更があると、体調を崩しやすいとか、この季節は苦手ですね!もう暫くの辛抱ですよ!と言われるとホッとします。それは、いつも私を同じ薬局が見てくれているからなのです。

特定医療費(指定難病)受給者証を申請し、交付されると医療費の上限が決まります。ただ、パーキンソン病患者の全員が同じ自己負担上限額ではありません。世帯収入にもよりますし、「高額かつ長期」に分類されるかどうかによっても違ってきます。

また軽症者であっても医療費が高額になると“特例”として医療費の補助を受けることができます。
※この辺りの詳しい記事は、今までにも書いています。⇒こちらをクリック

特定医療費(指定難病)受給者証が交付されると、医療機関で受診する際には通常の健康保険証に加え、必ずこの受給者証と自己負担限度額管理票を提示しなければいけません。

また、受給者証があればどの病院でも医療費の補助を受けられるわけではなく、申請時に申告した「指定医療機関」と「指定薬局」のみで補助を受けることができます。※申請後も追加はできますが、指定医療機関として認められている病院に限られます。

この時に、医療機関の前にある薬局を選ぶことが多いと思います。メリットはその病院が処方する薬の在庫が揃っていることが大きいですね。もちろん利便性も考えられます。デメリットとしては総合病院の場合、複数の薬局があるのですが、混雑していて待ち時間が長い上、ゆっくりと薬の相談をしている場合じゃない!という雰囲気が伝わってきます。

私は、総合病院から個人クリニックに転院しましたが、総合病院に通院していた時から総合病院の“門前薬局”を「指定薬局」にせず、家から一番近い薬局に決めました。

その薬局は横に整形外科がある同じく“門前薬局”です。本当に最初は、家に近くとりあえず処方箋だけを渡して、後で取りに来た方が気が楽!くらいの気持ちで、そこを「指定薬局」にしたのです。
※門前薬局:病院の直ぐ側にあり、主にその病院の処方箋を対象とする調剤薬局のこと。

難病の診断を受けた当初は、薬の種類が途方もなく多いものだとも知らず、整形外科の前にあろうが、内科の前にあろうが薬局にはすべての薬が揃っているものだと思っていました。お恥ずかしい…。

ところが、整形外科から出される薬がほぼ100%を占めると思われる薬局に、パーキンソン病治療薬などあろうはずもありませんでした。けれど、その薬局の薬剤師さんたちは、嫌な顔もせずその薬が有る薬局から“かき集める”ようにして揃えてくれました。それでも足りない分は、届き次第、家に持って来てくださるとのことにすっかり恐縮していまったのを今でも覚えています。

それからは転院をしてからも、ズッとそこが「指定薬局」になっています。転院後の病院は院内処方ですから脳神経内科としての薬は病院で処方されます。私の場合は、精神科にも通院しているので“自立支援医療”としての指定薬局も決めなければなりません。当然、その薬局が「指定薬局」となるため、その薬局との縁は続いています。

私たちパーキンソン病患者の様に医療費補助を受けている患者は、指定医療機関や指定薬局を決めなければならないのです。決めるか、決めないかの選択肢はありません。

それでは“決めなければいけない”という決まりのない通常は健康な人も『かかりつけ薬局』にまとめた方が良いと推奨されているようです。これはどうしてなのでしょうか?

かかりつけ薬局とは?


厚生労働省が推進する薬局のあり方というか機能は、~「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ~というものだそうです。

医薬分業が始まって久しく、古い病院で『薬局』と書かれたガラス窓にカーテンが引かれていると懐かしいとさえ思うようになりました。お薬手帳も本当に持ってて当たり前!という感じ(特に難病の私たちだからでしょうか?)になってきたように思えます。

そして、一昔前には余った薬(残薬)を冷蔵庫に入れておいて服用した記憶もあります。今考えると、何という無謀なことを!確かに、お薬手帳の浸透で効能のダブった薬の減薬、併用禁忌の薬の服用を未然に防ぐ、ジェネリック医薬品の説明など、メリットは大きいと思います。医師は、その分診察に集中できます!

近頃よく見る“お医者さんビル”、その中に調剤薬局が一件入っているというパターンって増えてきていませんか?まだまだ、『かかりつけ薬局』が良いと分かっていても、いろいろな診療科が集まっている“お医者さんビル”のようなところでない限り、内科だけの病院にかかれば、その前の薬局に行ってしまいますよね。

患者に、“ここが私のかかりつけ薬局”として選んでもらう薬局にするためには薬局、薬剤師のモチベーションも上げていく必要ってありますよね!例えば、患者にとってメリットが実感できるサービスを提供した場合、その薬局、薬剤師が内容に応じて報酬が加算されるとしたら…当然、報酬も大切ですが“認められる”ということで、頑張れそうな気がするのですが。その辺りはキチンと盛り込まれています。

そうすることによって、患者が利便性だけで門前薬局から薬をもらうのではなく、良き相談相手として薬局を1カ所に絞っていくのではないでしょうか!

かかりつけ薬局では、どんなサポートが受けられるの?

たくさんのチェック項目があります。
●薬の効果が継続しているか。
●副作用は出ていないか。
●複数の病院に通っている場合、薬は重複していないか。
●患者の嚥下(えんげ)の能力に薬の形状などが合っているか、服用のタイミングは合っているか。
などだけではなく、子どもにどうやって薬を飲ませたら良いか?サプリメントは飲んでも良いの?など総合病院の短い診察時間では聞き漏らしたり、聞きにくかったことも丁寧に説明してもらえます。これってありがたいですよね!

風邪のひき始めに症状に合わせた市販薬を選んでくれたり、受診した方が良いかどうかのアドバイスももらえるとのこと!無駄がないですよね。また、介護関連商品の相談などにも応じてくれるそうです。

 

まとめ

 

何と3回目にして『かかりつけ薬剤師』まで到達していません。かかりつけ薬局は、私たちの様々な薬に対する不安や疑問に答えてくれます。それが、市販薬であっても、サプリメントでも相談にのってもらえます。

では、どんな薬局を選べばいいのでしょうか?私事になってしまいますが、たまたま選んだ薬局がとても親身になってくれる薬局だったので、そのまま自然と『かかりつけ薬局』になりました。

整形外科の門前薬局ですから、パーキンソン治療薬などあるはずはなかったのにその日の内に揃えて自宅まで届けてくれました。それからは次の予約日を必ずチェックして薬切れのないように気をつけてくれました。そして何より心強いのがお薬の袋に書いてある携帯番号です。

これは、緊急を要するほど具合が悪くなった時に24時間体制で対応してくれる薬剤師さんが持っている携帯番号なんです。

私は、偶然良い薬局に恵まれましたが、今ではかかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師は厚生労働省が力を入れている分野です。パーキンソン病は、薬が命!ということは薬局・薬剤師選びは絶対におろそかにはできません。次回はようやく『かかりつけ薬剤師』についてです。

 

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