パーキンソン病患者にも朗報となるか?『Muse細胞製品の細胞加工施設』新設へ!

パーキンソンン病の治療の展望

なんと!世界初の『iPS細胞』の製造施設の完成に続き、『Muse細胞製品の細胞加工施設』が新設されるのではないか?というニュースが飛び込んできました!これを見る限りでは“再生医療”の発展は目覚ましいものに思えます!

前に『Muse細胞』についての記事を書いたことがあります。パーキンソン病に応用されるかどうか!それは、全く未知の段階ですが“再生医療”という文字に目が釘づけになってしまいました。

★その『Muse細胞』に関する記事がこちらです。⇒クリック

そして先日、大日本住友製薬が2018年3月1日、世界初の『iPS細胞』の製造施設を完成させたという記事も書きました。⇒クリック

今、まさに“再生医療”花盛り!と言った感じでしょうか。私たちパーキンソン病患者にとっては、研究が進んでいくことは喜ばしいことです。先日取り上げた『Muse細胞』に新たな動きがあったようです。そのあたり書いていきます。

 

『Muse細胞』とは?


前の記事でも書きましたが、おさらいです。『Muse細胞』の発見は2010年、東北大学医学部細胞組織学の出澤真理教授によるもの。

『Muse』は「Multi-lineage differentiating Stress Enduring cell」の略で、「多系統分化ストレス耐性細胞」と訳されます。

❖『Muse細胞』の特性は?

●骨髄、皮膚、脂肪などの間葉系組織に存在し、また様々な臓器の結合組織にも内在する。市販の間葉系の培養細胞からも得られ、アクセスしやすい。
1細胞から体中の様々なタイプの細胞に分化可能。自己複製能も有する。
体内に自然に存在する細胞であり、腫瘍化の危険が極めて低い。
上記の特長は、再生医療の発展に大きく貢献しそうですよね!

また、そのまま血中に投与するだけで組織修復をもたらす!という特長も兼ね備えているのです。腫瘍を作らないという安全面と、分化誘導なしで生体内に投与するだけで組織修復細胞として働く簡便性があるのが『Muse細胞』でしたね。ということは点滴で治療ができる?ということでしょうか!

一方、ES細胞やiPS細胞を再生医療に用いる場合には、目的とする細胞に分化誘導する。⇒腫瘍化の危険を持つ未分化な細胞を除去する。この2つの要件は外すことはできません。

『Muse細胞』においては、採取してきて体内に投与すれば障害部位を認識し、そこに生着して組織に応じた細胞に自発的に分化するのです!再生医療への道がついに現実のものとなるのでは?!とワクワクしますよね。

今のところ脳梗塞、腎不全、肝障害などさまざまな病気治療に効果があるのではないかと言われています。
『Muse細胞製剤』を用いた急性心筋梗塞の臨床試験を2018年1月に開始し、有効性と安全性を確認したのち、対象疾患を増やしていく予定とのことです。

※株式会社 生命科学インスティテュートは2018年1 月に急性心筋梗塞の臨床試験を開始し、2021 年度の承認取得を目指しています。

また、東北大学のホームページには、この『Muse細胞』を使って将来は神経疾患治療法の開発につなげたいと考えています。と記載されています。期待してしまいます!パーキンソン病にも有効であることを願うばかりです。

その『Muse細胞』の新たな動きとは?

2018年3月20日付けで『Muse細胞製品の細胞加工施設を新設』来年1月稼働へ!という記事が。これまた目が釘付けです。生命科学インスティテュートとなっていました。

❖生命科学インスティテュート

前の記事ではあまり触れませんでしたが、株式会社 生命科学インスティテュートは三菱ケミカルホールディングスグループの一員であり、生命科学インスティテュートグループ(株式会社LSIメディエンス、株式会社エーピーアイコーポレーション、クオリカプス株式会社、 健康ライフコンパス株式会社)の持株会社として、ヘルスケア分野に焦点を当てた事業展開をしています。

事業内容:健康・医療ICT(情報通信技術)、次世代ヘルスケア、創薬ソリューション

株式会社 生命科学インスティテュート(本社:東京都千代田区、「LSII」)は、ライフイノベーションセンター(神奈川県川崎市)内に細胞加工施設(Cell Processing Center、以下「CPC」)を新設することが決まったと発表しました。

新設される「CPC」は、臨床試験で使う『Muse細胞』製品の製造と承認取得後の商用生産に利用するとのことです。『Muse細胞』は、展開が速いような感じがするのですが…。もう“加工施設”!って思ってしまします。日本は何でも遅いという先入観が抜けないんですね!

【施設概要】
名 称: LSII 再生医療センター(仮称)
所在地:神奈川県川崎市川崎区殿町三丁目 25 番 22 ライフイノベーションセンター
延床面積:1,267.5 ㎡
着工: 2018 年 5 月
竣工: 2018 年 9 月
稼働: 2019 年 1 月

投じる資金は20億とも30億とも言われています。でも、もし『Muse細胞』の製造加工がトントン拍子に進めば(かなり、私的な希望的見解が入ってます)、手術が不要なわけですから設備の整っていない地方の病院でも扱いやすいですね。

【ライフイノベーションセンターとは】
神奈川県は、再生・細胞医療の産業化拠点「ライフイノベーションセンター」を中心として、同分野の実用化・産業化の促進に向けた取組みを推進しているようです。



まとめ


『Muse細胞』は、現時点では“心筋梗塞”などの臨床段階で、パーキンソン病などの神経疾患にまで有効かどうかは分かりません。ただ、その特性・特長から考えると脳神経細胞の“再生医療”への応用を期待してしまいます。

前回から数か月で、工場の新設に着工するというスピードも今までの日本の医療と一味違うような…。いつものことですが、期待し過ぎず、希望は捨てず、私たちは今自分ができることを精一杯やるしかないのです!

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