2018年6月19日の朝、スマホのけたたましい警告音と共に家で強い揺れを感じました。ラックはグラグラと揺れ、立とうにもどこにつかまって良いのやら…。これが本震なのか?次にはもっと大きな揺れが来るのか?ただ、ジッとしているしかなかった自分が情けないです。玄関で何かが倒れた音がしましたが見に行く余裕もなく。
もし私たち難病患者が非難所生活をすることになったら、薬を持って逃げられなかったら…考えておかなければいけませんね。
ここは、被害が大きかった場所からは離れているのですが14階建ての棟が7棟立ち並ぶマンション。そして我が家は8階です。周囲の戸建ての人は「揺れたわね~」とか、中には気づかなかったという人も…。
災害はいつ、どこでおこるか分かりません。阪神大震災の時も突き上げるような、マンション自体がバウンドしているよう中、私が子供たちの名前を叫ぶ声と何が落ちているのかすら分からないほどの“ガチャン、ガチャン”という音だけが響いていたように記憶しています。それでも、当時は健康でした。今とは状況が全く違うのです!
各自治体も、近年続いている災害をもとにガイドラインやマニュアルなど作成しているようです。
災害時の難病患者対応マニュアルのほんの一部です。
災害時に要支援者の対象に難病は入るかどうかは、実のところ市町村の裁量で決まるそうです。要援護者の対象としては、要介護高齢者、障害児者、妊産婦、乳幼児、難病患者や外国人等が該当すると考えられるとなっています。
これは今後の施策整備の方向性を示すものであって、法的にも実際的にも、現状では今までと同様に多種多
様な難病患者等障害者をどれだけ、どのように入れるかは、市町村の裁量に委ねられているとのこと…まぁ、難しいのは分かりますが。
前にも書いたことがあるのですが『難病』というのは時代と共に変化します。マニュアルに捕捉されたのが特定疾患(医療費の公費助成対象疾患)の患者、障害者手帳をもっていない特定疾患の重症認定患者、その他稀少難病の重症患者、小児慢性特定疾患の重症患者、在宅酸素利用者、1 型糖尿病患者、血友病患者、アレルギーをもっている人、中枢尿崩症患者、透析患者などを含めた慢性疾患患者、高次脳機能障害者、発達障害者などを「難病等障害者」とするとしています。※特定疾患の患者でも、生活保護を受けている場合は対象から漏れる場合があるので要注意!
私たちパーキンソン病患者も同様ですが、難病等障害者は、常時薬に依存している場合が多いと思われます。広域災害の場合を含めて、これらに対しては、国のリーダーシップが求められるとしています。難病の治療・療養に関わっている難病医療ネットワーク病院、関係医療機関、薬剤師会、製薬工業協会、医薬品の卸問屋などと連携して、どこにどのような薬品があるのかなどの情報を整理し、緊急時に必要な医薬品が供給できる体制を構築しておくこと。これは絶対にやっていただきたいことです。
福祉避難所ってご存知でしたか?
災害対策基本法施行令第20条の6第5号によれば、福祉避難所とは「主として高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者(以下この号において「要配慮者」という。)を滞在させることが想定されるものにあつては、要配慮者の円滑な利用の確保、要配慮者が相談し、又は助言その他の支援を受けることができる体制の整備その他の要配慮者の良好な生活環境の確保に資する事項について内閣府令で定める基準に適合するものであること。となっています!
まず、「バリアフリー」「支援者をより確保しやすい施設」であることを主眼において選定するともきめられているようです。
私たちパーキンソン病患者が対象となるかどうかは不明ですが、もし、PD(パーキンソン病)患者が体育館で雑魚寝をしたとしたら…まず、ひしめく人と人の間をすり抜けることも困難です。夜中にトイレに行きたくなったら、すくみ足で寝ている人の上に転倒する可能性大です。
福祉避難所のような場所があるのだということを知っているのと知らないのとでは違うと思います。具合が悪くなった時に誰かに助けを求め、一時的にでも移動させてもらえるかもしれません。
まとめ
今回のことで、避難用のリュックをもう一度作り直そうかと思ったのですが(前に作ったものは、中身は随分前に賞味期限切れ、他の物も使いものにはなりません)、いろんな物を詰め込んでも結局はクローゼットの隅にいつの間にか追いやられ、忘れられるのがオチです。
PD患者の私にとって、一番大事なものは何?答えは簡単『薬』です。「お薬手帳」「特定医療費(指定難病)受給者証」「自立支援医療受給者証」「介護保険被保険者証」「障害者医療費受給者証」も大切。マニアかって言うぐらいのラインナップです。
非常用の持ち出しリュックにいろいろ詰めるのは良いのですが、上記の受給者証などは診察の度に必要です。出したり、入れたりするのが面倒になって結局リュックは忘れられてしまったのです。薬もリュックに入れた分を忘れずに入れ替えないとダメですからね!
そこで、欲張らず持ち出す物を最小限にすることにしました。そうです!薬や受給者証を最優先にします。それも持ち出せるかどうか?気持ちが焦ると“すくみ足”になるので、逃げることができるのかも分かりませんが…。
①まず、大き目の巾着袋を用意しました。
②靴の箱ぐらいの大きさが、ちょうどでした。
③ストックしてある薬も含め、受給者証入れのポーチも全部入れました。
④ポーチの中身。
いざとなったら巾着袋を抜き取れば、薬と受給者証だけは一気に持ち出せます。後は着の身着のままでも構いません!
パーキンソン病は、1,000人に1人。避難所にはPD患者は私一人かもしれません。随分、看護師やお薬の到着が速くなったとはいえ数日はしのがなければいけないでしょう!「誰かスタレボ持ってませんか?」と叫んでも、まず返事が帰ってくるとは思えません。それなら、とにかく薬だけでは何とかしなくては!
コメント
はじめまして、内山と申します。いろいろ教えて頂いています。
私のつたないブログを見ていただいてありがとうございます。私こそ皆さんに励まされています。こうやってブログを書き、文字にすることで、絶望しそうな気持を無理矢理にでも奮い立たせねば、付き合っていける相手ではありませんからね。このパーキンソン病という厄介な病気は。
今後ともよろしくお願いします。また、ご意見などもお寄せ下さい。ありがとうございました。
福祉避難所という発想があるんですね。
早速居住地のページを見たら想定対象はショートステイや特別養護老人ホームばかりで
数日の避難なら十分すぎる安心できる環境でした。問題は一次避難所のスタッフがこの制度を知ってるか?ですね。いい話しをありがとうございます。
窓から見える駅では緊急停車した電車から駅まで線路を歩かされたくらい近場でしたが
TV報道を見て避難所暮らしは諦めてこれも運命だと諦めてました。
コメントありがとうございます。私自身も、まだまだ勉強不足です。もう少し、災害時の対策や福祉避難所について詳しく調べてみたいと思います。