パーキンソン病にとって『徐放剤』のメリットやデメリットは?

パーキンソン病

やはり、万能な薬というのはないようです。けれど、限りなくデメリットの少ない薬が開発されることを私たちパーキンソン病患者は心から願っています。

パーキンソン病患者にとってツラいのはONとOFがあることです!できるだけ穏やかに長く『ON状態』を保てる薬、レポドパの徐放剤が開発、承認されることを期待しつつ。

今回は、ユックリと溶けることによって、効き目が1日続く『徐放剤』について書いていきます。

 

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DDSの概要とは?DDSって何?

薬の投与形態に工夫をして、体内での動きを上手くコントロールする❗必要な場所に、必要な時、必要な量だけ作用させることで、薬の効果を最大限に発揮させる事を目指す💊投与に関する概念をドラッグデリバリーシステム(DDS:Drug Delivery System)と言います。

このドラッグデリバリーシステムという考え方は、今から20年ほど前から研究されてきたそうです。そしてDDSの概念は、今や治療薬だけにとどまらず予防薬や診断薬、化粧、染料、塗装、また、期待の再生医療などの先進医療をも含んだ広い研究開発に必要不可欠な基盤技術なのです。

徐放剤とは、どのようなものなのでしょうか?

パーキンソン治療薬にも❝徐放剤❞という薬があります。これって、私たち患者にとっては、どのようなメリットがあるのでしょう⁉

通常、私たちは薬を経口投与と呼ばれる服用方法で💊を❝飲む❞事が多いです。そして薬を服用した後、すぐに薬剤が崩壊して有効成分が放出されます。

素早く薬剤が崩壊する、この製剤を『速効性製剤』と呼びます。これに対し、薬がユックリと溶け出すように特殊な製剤化を施した薬を徐放性製剤』と呼びます。少しずつ医薬品が体内に溶け出していくため、一日の血液中薬物濃度(血中濃度)を一定にすることができるのです。

《徐放製剤化することのメリット》
まず、服薬回数を減らすことができますまた、徐放製剤化することで、副作用の軽減や、患者の服薬コンプライアンス(薬をきちんと服用したか?)を上げることも期待できます。

徐放製剤化による「薬の副作用」の軽減とは?」

薬の作用を測定する主な設定値に『血中薬物濃度』があります。つまり、血液中に含まれる薬物濃度によって、薬がどれだけ作用するかを予測します。

医薬品には薬の作用が適切な「有効域(治療域)」が存在します。薬の『血中薬物濃度』が低くなるとその分だけ薬の効果がなくなってしまいます。この時の領域を❝無効域❞と呼びます。

また、逆に『血中薬物濃度』が高くなりすぎると、今度は副作用が出やすくなります。副作用が表れだす血中濃度が❝毒性域❞なのです。

半減期が短い医薬品だと、一日に何回も服用する必要があるだけでなく、この時に薬物を服用した時の血中薬物濃度のピークは必然的に高くなってしまいますよね

これに対して、徐放製剤化した薬はユックリと有効成分が溶け出していくため、血中薬物濃度をできるだけ平坦(なだらかに)することができます

そのため、徐放性製剤は血中薬物濃度が毒性域に到達するリスクを減らすこともできるのです。また、無効域の時間を減らすことも期待できます。

それなら徐放製剤化によるデメリットは無いの?

ここまでだと万能の様に思える徐放製剤化ですがDDS(ドラッグデリバリーシステム)によって徐放製剤化した薬は当然ながら(残念ながら?)利点だけではありません。

徐放製剤化するためには、その薬剤に特殊なコーティングを施すという事になります❗そのため、薬を服用するときに噛み砕くなど、指示以外の飲み方をしてしまうと大変なのです!

薬を噛み砕いてしまうと、せっかくユックリと溶け出すように設計した薬のコーティングが剥がれてしまいます。

そのため、通常であれば徐々に血中薬物濃度が上がるはずが、コーティングが剥がれているので急速に血中薬物濃度が上昇してしまいます。その分副作用が表れてしまうのです。

また、患者さんによっては薬を割ったり粉砕したりする必要があるケースは、少なくないですよね。特にジスキネジアがヒドイ場合などが典型的です。例えば、ある医薬品を5mg分だけ服用したいけれど10mgの有効成分を含んでいる規格の錠剤しかない場合、この10mgの薬を半分に割って5mgにしなければいけません‼

徐放製剤化した医薬品は特殊なコーティングを施しているため、錠剤やカプセルを割ったり粉砕したりすることはできないんです😱

そのままの状態で服用してこそ効果があるのです!つまり、徐放製剤化によるデメリットとしては「臨機応変な対応ができない」という点なのです❗

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