パーキンソン病の『新しい貼付薬』が久光製薬から!2017年中にも承認申請となるでしょうか?

パーキンソン病

新薬開発は、今までも記事にしてきました。せめてパーキンソン病の進行が止まる薬ができれば…それが叶わないなら、副作用が少なくて「オン」が長く続く薬が開発されれば…と期待してしまいます。久光製薬が第Ⅲ相まで進めている新薬のHP-3000。年内の申請を目指しているそうです❗

他の国では随分前に承認されているのに、日本では申請さえされていない、そんなパーキンソン病の薬がたくさんあります。日本の製薬会社が開発しているのに販売は日本じゃない❗そんなニュースにガッカリすることも↘↘

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久光製薬が2017年4月に、「経皮吸収型パーキンソン病治療薬」として開発中の『HP-3000』(一般名は、ロピニロール塩酸塩)が開発段階の第Ⅲ相に達した事を発表しました。そして、2017年度中の承認申請を目指します。

毎回の事ですが、薬物療法が中心のパーキンソン病患者にとって新薬が承認され、薬の選択肢が増えることは朗報なんです。抗パーキンソン病薬は、人によって副作用も様々です。種類が増えれば自分に合った❝薬❞が選びやすくなります。

今回、久光製薬が開発中の薬は「貼付剤」です。経口薬との違いなども併せて調べていきたいと思います。

 

 

 

久光製薬が開発中の「HP-3000」ってどんな薬?


「HP-3000」は、非麦角系ドパミンD2受容体作動薬であるロピニロールが有効成分の貼付剤です。すでに2013年に大塚製薬から貼付剤の❝ニュープロパッチ❞が発売されてますから、パーキンソン患者の中には貼り薬の経験者も多いのではないでしょうか?

ただ、私はこの❝ニュープロパッチ❞で首下がり、腰折れという副作用が出てしまったのですが…。ドーパミンアゴニストのロピニロールは、ド-パミン受容体に直接作用することによって、パーキンソン病の症状である筋肉のこわばりや手足のふるえなどを改善します。

ロピニロールの効果発現はやや緩慢と言われていますが、安定した効果が期待できます。通常、レボドパ製剤と併用することが多いです。レキップ❞といった方が分かりやすいですよね‼私も就寝前に10㎎処方されてます。

久光と言えば、パッと頭に浮かぶのが貼り薬ですよね。得意分野でしょう‼この「HP-3000」はパーキンソン病の治療薬として第Ⅲ相、そして中等度~重度の特発性レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)を対象とした治験の開発段階が第Ⅱ/Ⅲ相です。

「経口薬」と「貼付剤」。効き方に違いはあるの?

少し前までは❝薬❞と言えば、錠剤やカプセル、粉状のもの、などを水で口から飲むもの❗でしたよね。それを「経口剤」といいます。経口剤に含まれる有効成分が体内に吸収されるプロセスは、飲み込まれた経口剤は胃で溶けた後、有効成分が小腸で血液中に吸収され、まず肝臓に運ばれます。

その一部は肝臓で代謝されてしまいます。肝臓を通過した有効成分が全身に送られ、患部にも届くことで作用し治療効果が現れます。そして、全身を巡り終えた血液は肝臓に戻り、再度全身へと運ばれます。

有効成分が肝臓を通過するたびに代謝が行われるので、経口剤はその効果が徐々に弱くなります。分解された有効成分は、腎臓で回収されて尿とともに体外に排泄されます。経口剤は口から体内に入るので、効果が現れるのも早く、効果が弱まるのも早いのです。

※経口剤は肝臓や腎臓に負担を与えやすいため、元々肝臓や腎臓の悪い患者さんの場合は、服用の際は主治医の指示に従いましょう!

「貼付剤」の一番のメリットは、注射や経口剤ほどの速効性はなくても、有効成分の血中濃度が急激に高くならず、ほぼ一定量の薬剤が継続的に身体に投与されるという点でしょう

肝臓が悪い患者さんに対する負担も軽いですね。もうひとつの大きなメリットは、薬の『飲み忘れ』や『飲み過ぎ』が無いということでしょうか‼パーキンソン病患者の場合は認知症のリスクを少なからず負っています。

徐々に自分の薬の服薬管理が困難になります。また、パーキンソン病患者に多い嚥下障害からも服薬自体が困難になります。私も最近では、薬の形状によっては、ヒヤリとすることが(OD錠は助かります)。患者を支える家族にとっても1日1回の貼り付けで済む「貼付剤」のメリットは大きいでしょう。

それでは、貼付剤をもっと増やせば?ということになるのですが、貼付剤の開発には難題が山積しているようです。もともと私たち人間の皮膚には、外界からの有害物質や病原体の侵入に対するバリアー機能が備わっていて、異物を通さないように守ってくれています。

薬剤かどうかは、バリアー機能には分かりませんから、皮膚表面から血管内まで薬剤が到達するまでには、何層もの皮下組織やバリアー機能を通り抜ける必要があるのです‼何だか凄いですね。

また、錠剤であった医薬品を貼付剤という薄い1枚に収めなければならないこと、一定量の成分を皮膚に送り出さなければいけないこと、など開発者の方々の苦労があってこそなのですね。

そして「貼付剤」で気になるのが❝皮膚のかぶれ❞です。私は副作用が出たので、1ヶ月くらいしか使っていませんが、結構大きいのです。パーキンソン病の進行とともに容量が増えれば「貼付剤」も大きくなります。

一日中同じ場所に貼っているわけですし、それを剥がせば次の分を貼らなければなりません。少しずつ場所をずらしたとしても、凄く皮膚が丈夫でないと❝かぶれ❞は避けられないかもしれません。

貼れる場所も決まっています。腹部や臀部、二の腕、太ももなどだったと思います。どちらかというと、皮膚が柔らかい場所なんです。汗や頻繁に動かすことで「貼付剤」が剥がれそうになるので、その上から大きな貼る包帯を貼って押さえてました。首下がりや腰折れがなくても、皮膚のかぶれで挫折していたかもしれません。

けれど、ドーパミンアゴニストが一日中継続的に効果を発揮してくれるということは「オン」「オフ」が出ている進行期のパーキンソン病患者にとってはメリットの方が間違いなく多いです。レキップを服用している私も承認される日が楽しみです。できれば、小さくなってますように…。

 

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