パーキンソン病が新しい治療法で完治するには、まだ時間がかかりそうです!新薬の開発は朗報ですね。


『iPS細胞』を使った治験が始まることが発表されてから、私たち(私だけ…じゃないですよね!)パーキンソン病患者は、詳しい日程も決まっていないというのに、ドキドキしてしまいます。
でも、チョッと冷静になれば、実用化には短くとも10年はかかるのではないでしょうか?ということは私たちパーキンソン病患者にとって“薬が命綱”という状況に変わりはありません。

iPS細胞を使った再生治療の承認・治療法の確立は(あくまでも、私だけの何の根拠もないことです)、安全性がまず“絶対に大丈夫”レベルに達しないと承認はされないでしょう。それは、命に関わる医療の世界ですから当然ですよね。それでも、以前新しい医療器具を使い始めた時は、手術中の事故のニュースを耳にしたこともあります。

私などには『iPS細胞』を使った再生医療の難しさが、実感できません。例え承認されたとしても国内だけでも15万人とも16万人とも言われているパーキンソン病患者を根治させるほどの医療機関や医師が存在するのでしょうか?今回の治験の成功を心から祈りつつ、そんなことを考えてしまいます。

そんな中、協和発酵キリンが新規パーキンソン薬、国内P2a(国内臨床第Ⅱ相前期)試験でPOC取得!というニュースが入ってきました。今回、協和発酵キリンが「パーキンソン病」を対象として開発している『開発コード:KW-6356』ド)の早期パーキンソン病患者を対象としたもの。

以前の記事でKW-6002を取り上げています。※「KW-6002」(一般名:イストラデフィリン 商品名:ノウリアスト)です。この記事は、こちらです。⇒クリック

KW-6002とKW-6356…開発コードも似ているし、“ノウリアスト”と同じような薬なのでしょうか?まだKW-6356は、第Ⅱ相前期ですが新薬の承認には期待してしまいます。また、POC取得とありますが、どういうことなのでしょうか?そのあたり調べてみます。

 

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横文字の多い医療用語。チョッとおさらいです。ブログの中にも頻繁に出てきています!

医療用語には本当に「横文字」って多いですよね。それと頭文字をとったもの。医療関係者にとっては日常用語なのでしょうが、私たちにとっては(?)になってしまいます。このブログの中にも恐らく数え切れないほどの横文字が入っているはず…。できるだけ注釈を入れるようにしているのですが、説明不足で申し訳ありません。日頃よく使う用語もあらためて確認してみました。

アンメットメディカルニーズ:これは難病に関する記事には、かなりの確立ででてきます。
いまだに有効な治療方法がなく、十分に満たされていない医療ニーズ。

ファーストインクラス:新規性・有用性が高く、これまでの治療を大幅に変えるほどの独創的な医薬品。

ベストインクラス:標的分子が同じなど、同じカテゴリーの既存薬に対して明確な優位性を持つ医薬品。

開発パイプライン:製薬会社にとって、新薬誕生につながる開発中の医薬品候補。

POC・early POC:記事の上部で、今回『協和発酵キリンが新規パーキンソン薬、国内P2a(国内臨床第Ⅱ相前期)試験でPOC取得とありました。ではPOCとは?
POCとはプルーフ・オブ・コンセプト(proof of concept)の略称です。薬の開発で使用されることが多く、研究で予測された開発段階の新薬の有効性を実証することや、実際に動物やヒトへ投与し有効性や安全性を証明すること、治療に有効である可能性を示す試験や試行をPOCと呼ぶことが多いそうです。

とくに、少数の患者を対象に実施される臨床試験(第II相試験の前期)自体をPOCと呼ぶこともあるとのことで、予測通りに示された時に「POCを取得した」という言い方をするそうです。

ということは、いかに早く「POCを取得する」か!が新薬開発にとって、企業経営にとって大切なことなんですね!早期POCを目指す理由が、少し分かったような気がします。

臨床試験ヒトを対象として、医薬品の安全性や有効性などを確認するために行う試験。このうち、新薬開発のために行う試験は治験と呼ばれます。承認申請前…第Ⅰ~Ⅲ相、承認後…第Ⅳ相。

*第Ⅰ相(フェーズⅠ):同意を得た少数の健康志願者(がんなどは患者)を対象に、安全性・体内動態確認。
*第Ⅱ相(フェーズⅡ):同意を得た少数の患者を対象に、有効で安全な投与量や投与方法などを確認。
*第Ⅲ相(フェーズⅢ):同意を得た多数の患者を対象に、既存薬等と比較、新薬の有効性と安全性を確認。
*第Ⅳ相(フェーズⅣ):製造販売後臨床試験。第Ⅲ相よりもさらに多数の患者を対象に、新薬の効能・効果の検証や副作用などの調査。

横文字のおさらいをしながら、あらためて『創薬』の大変さを実感しました。

KW-6356の開発進捗状況は?

2018年8月、協和発酵キリンがKW-6356について発表をしています。新規アデノシンA2A受容体拮抗剤KW-6356の早期パーキンソン病患者を対象としたランダム化比較試験における有効性と安全性という内容です。

この試験は、日本人の他の抗パーキンソン病薬を服用していない早期パーキンソン病患者を対象とした前期第2相の多施設共同ランダム化比較試験で、被験者はKW-6356高用量群、KW-6356低用量群またはプラセボ群に1:1:1に無作為に割り付けられ、12週間の試験薬剤の投与をしたそうです。

この試験結果から、KW-6356の単剤投与による早期パーキンソン病患者さんの運動症状に対する有効性と忍容性が確認され、2018年の内にKW-6356について、パーキンソン病患者さんを対象とした後期第2相臨床試験を開始する予定としています。

アデノシンA2a拮抗剤とは?

脳内の運動機能を低下させる物質の作用を抑え、パーキンソン病における運動機能低下などを改善する薬です。私たちパーキンソン病患者は、脳内のド-パミンの量が不足していることで、様々な症状が現れる進行性の難病です。

脳内の一部の神経細胞ではド-パミンが不足すると相対的に“アデノシン”という物質が優位になり、神経が過剰に興奮することで運動機能の低下などがおこるのです。


アデノシンA2A受容体拮抗薬は、神経細胞における“アデノシンの作用”を阻害することで、神経のバランスを調整し、結果として運動機能の改善につながるというわけですね。また、ウェアリング・オフ現象の改善も期待されている薬です。

そして、現段階で「アデノシンA2A受容体拮抗剤」といえば、同じ協和発酵キリンが出している
ノウリアスト(イストラデフィリン)錠20mgです。これは私も朝食後1日1回2錠服用しています。

まとめ

なんだか、同じ製薬会社が同じ効能の薬をぶつけてくる?どうして?と思っていました。というより思っています。けれど、このKW-6356は、先行しているKW-6002「ノウリアスト」と比較するとアデノシンA2A受容体に対する阻害効果が高いのではないか?という情報もあります。

あくまでも正式発表ではないですし、まだ治験段階ですから何とも言えませんが、単剤での効果も期待できるかも…とのこと。

協和発酵キリンもKW-6356を「早期のパーキンソン病、あるいは進行期のパーキンソン病という幅広い効果を期待して試験を開始しております」と発表しています。

さらにKW-6356はぺルマックス、KW-6500、KW-6002に続くパーキンソン病領域の新製品につながる可能性が期待されますとも。今、いろいろな治療法が模索されていますが、現段階では『薬物療法』が中心です。1種類でも新薬が増えるということは、何よりの朗報です。無事承認されることを祈りつつ。

コメント

  1. 久美子 より:

    いつも、貴重な情報をわかりやすく丁寧に表記し提供してくださって感謝しております。日々変わる症状、苦痛、悩み、自分が今気になること、知りたいこと、辛いとき、このブログを拝見し、救っていただいてます。まさに同じ病気で闘病されているからこそ、理解してもらえる安心感感じます。あなたは、なんて強くて立派なかたなんでしょう
    見習いたいと言うのもおこがましいですが、私なんて自分の事だけで精一杯で、いいえ、
    自分の事もできかねてます。感謝している思いをお伝えしたくてコメントしました

    • コメントありがとうございます。今日は台風が近づいているせいか、足の固縮が取れません。パーキンソン病は『4大症状』くらいしか紹介されませんが、それぐらいなら普通の日!よくまぁ、これほど厄介な病気があったもんだと文章にできるようになりましたが、発症当初は“うつ状態”。病気のことを調べては凹む私を見て、検索禁止でパソコンもタブレットも取り上げられ、窓は開けられないようにされました。ここマンションの8階ですから。だから、私なんて強くも何ともありません。「後ろ向き全力疾走」です。皆さんのコメントに涙がこぼれます。退職した時、「仕事すらできなくなった…私は、役立たずのポンコツになった」と家族を困らせては泣いてました。パーキンソン病は闘って勝てる相手でもないし、気力で乗り越えられるような“やわな相手”ではありません。それでも私たちは生きています。一日、一日を大切に宝物のように生きていきたいと思います。ブログを見てくださり感謝です!