パーキンソン病も近年は、運動症状だけでなく非運動症状も重要視されるようになり「全身疾患」として考えられるようになってきました。けれど、パーキンソン病で『眼球運動障害』についてはあまり語られていないように思います。
パーキンソンコンプレックス(パーキンソン複合体)という概念も定着しつつあるのか…と感じていましたが、嚥下障害や口腔ケア、DBSやデュオドーパなどのデバイス療法の医療講演会はあっても眼球の障害に対してというのは見かけませんでした(私の勉強不足です)。
★パーキンソンコンプレックスに関する記事はこちらです。⇒クリック
パーキンソン病における『眼球運動障害』とは?
パーキンソン病関連疾患である「進行性核上麻痺」の代表的な症状のひとつが『眼球運動障害』です。そしてこの症状が、転倒に繋がり、骨折から車椅子を使用することになる…というのは、耳にしたことがあります。
パーキンソン病では、目の不快感を訴える患者さんは珍しくないそうです。加齢により患者数が増える「眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)」は、瞼が勝手に閉じてきて開けようとしても開けられなくなる病気です。パーキンソン病患者の場合、症状のひとつとして出現する場合もあるようです。
また、上向きの眼球運動がパーキンソン病でも弱くなってきます。目の動きの調節が上手くいかないために、患者は特定の方向を見たときに『複視』を経験することもあるのです。この複視という症状は目の疲れから❝読書❞をするという行動に大きく影響を与えるようです。
そして「瞬き(まばたき)」の回数です。これは、私も当てはまるかもしれません。今まで、この症状がパーキンソン病からきていると考えたこともありませんでした。
もともと仕事をしていた頃からパソコンの前にいることが多く、ドライアイに慣れっこになっていたからでしょうか…けれど、最近は目が乾いてゴロゴロするので、一日に何度も目の洗浄剤でパチパチしたり、目薬を差してました‼
瞬きは、目の前の表面を湿った状態に保ち、角膜(目の前部の表面)を覆う涙の層の質を維持するために必要不可欠‼不十分な瞬きの回数では、視界が曇ります。ホントにストレスが溜まります↘↘
そして、『幻視』です。現実にはそこにいない❝人❞や❝動物❞や❝物❞が、本人にはハッキリと見えるのです。これは、薬の副作用であることも多いようですが、幻視があるとストレスや衰弱の原因にもなってしまいます。
『眼球運動障害』の原因や対処法は?
パーキンソン病の『眼球運動障害』も脳内の神経伝達物質であるドーパミン濃度の低下に起因するものです。
また、「視覚誘発電位(VEP)」および「網膜電位図(ERG)」といった脳の電気活動を測定する特別なテストで、パーキンソン病患者が抱える様々な異常を検出できるそうです。それだけでも救いな気がします。脳の変化による場合もあれば、網膜の変化による場合もあるそうです。
《眼瞼下垂》
先天性と後天性に分けられます。
後天性:老人性・重症筋無力症・動眼神経麻痺・パーキンソン病・脳動脈瘤・コンタクトレンズの長期装用・糖尿病など
治療:先天性・老人性・コンタクトレンズの長期装用では手術、重症筋無力症・動眼神経麻痺・糖尿病・脳動脈瘤・パーキンソン病では原因となる疾患の治療が行われます。
※ 瞼の痙攣であれば、ボトックスも有効かもしれません。
《ドライアイ》
瞬きの少なさによる不快感には、化学薬品(保存薬としてのベンザルコニウム)が入っていない点眼薬を一日に2~3回点眼してしのぐしかないですかね…。病院でも処方してもらえますし、薬局でも買えると思います。私も使ってますが、洗浄液もその場しのぎとはいえスッキリします。
《複視》
複視には、片眼ずつで見たときは1つに見えているのに、両眼で見たときに二つに見えてしまう場合。これを両眼複視と呼びます。
本来1つに見えるべきものが、片眼で見たときも2つに見えてしまう場合。これを単眼複視と呼びます。単純な屈折異常の未矯正であれば眼鏡レンズで対応できますが、そうでない場合は眼科的治療をしても解決が難しい場合があるようです。
半透明の遮蔽レンズやにプリズムレンズというのもありますが、どんな複視も解消できるものではないようです。
《幻視》
主治医に相談しましょう!お薬合わせで改善されるかもしれません。また、他の病気(レビー小体認知症)などを併発しているかもしれません。
パーキンソン病で起こる視覚の問題の対応が困難な場合が多いですが、あきらめず問題解決に向かい主治医と相談しながら改善を目指しましょう!
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