パーキンソン病でも医療費には個人差が。セルフメディケーション税制を覚えてますか?

パーキンソン病

確定申告の季節がやってきました!私たちパーキンソン病のような難病患者には『医療費控除』は当たり前と思っていましたが、発症間もなくで、病院も近い、他の病気も併発していなければ1年で10万円にはならないかもしれませんね。

けれど、平成29年度の申告分から創設された「セルフメディケーション税制」も見落とさないようにしましよう。対象になるかもしれません。もう、確定申告は始まっていますが、まだまだ間に合います。

今までに書いた医療費控除の記事です。
10万円を超えないと受けられないと勘違いしないで!の記事⇒クリック
セルフメディケーション税制に関する記事⇒クリック

確定申告の真っただ中です。平成29年度申告分から医療費控除の提出書類が変わりました。また、新しく「セルフメディケーション税制」なるものが創設されるなど変更点が多い年です。見落としの無いように、シッカリと申告しましょう!

平成29年度の医療費控除における変更点は?

❖ 医療費控除の提出書類の簡略化

(1)「医療費の領収書」の提出又は提示が不要になった。
(2)「医療費控除の明細書」の提出が必要となった。

また、「医療費の領収書」は5年間自宅等で保管することとなっていますが、医療費通知』を提出する場合は明細書の記載や領収書の保管を省略することができます。

◆「医療費控除の明細書」への記載事項など。

● 医療を受けた患者の氏名
●医療機関・薬局など支払先の名称
●医療費の区分
●支払った医療費の額
●上記の金額のうちで生命保険や社会保険などで補填される金額
※ 医療費控除の内容確認のため「医療費の領収書」の提示、提出を求められる場合があります。確定申告期限から5年間は保管しておく必要があります。
※平成31年分の確定申告まで経過措置として、今まで通り、医療費の領収書の提出、提示によることもできます。

◆「医療費通知」(医療費のお知らせなど)とはどのような書類?

医療費通知書って何だっけ?と一瞬悩んだのは、私だけでしょうか?健康保険組合から送られてくる“医療費のお知らせ”のことだったんですね。お恥ずかしい…。

平成29年分の医療費控除の申請をするときには「医療費控除の明細書」を作成し、確定申告書に添付することと書きました。※上記参照。

ただ、医療保険者から交付された「医療費通知」がある場合は、それを添付することによって「医療費控除の明細書」の記載を省略することができるとのことです。「医療費通知」に記載された医療費の合計額を医療費控除の明細書に記載できます。

※医療費通知には、以下の項目が記載されているはずです。また、インターネットで医療保険者から通知を受けた医療費通知情報であれば、その医療保険者の電子署名か、その電子署名に係る電子証明書がついているものを指します。

●被保険者等の氏名
●療養を受けた年月
●療養を受けた者
●療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称
●被保険者等が支払った医療費の額
●保険者等の名称

ただでさえチョッと面倒だな…と思ってしまいがちな“確定申告”。制度が変わると余計にハードルが上がるような気がしてしまいます。けれど、健康組合から送られてくる「医療費のお知らせ」を利用して医療費控除の書類を作成できる!慣れてしまえば楽になりそうですね。不安なのは初年度だけでしょう。

 

❖ここで、医療費控除のおさらいです。

医療費控除は、1年間(1月1日~12月31日まで)の医療費が高額であった場合、所得控除を受けられる制度です。本人だけではなく、配偶者や親族分の医療費も、生計が同一であれば合算することができます。

支払った医療費が還付になるわけではなく、医療費控除を申告するで、源泉徴収された所得税から還付されるか、納付する所得税額が減額になります。

対象となるのは、医師や歯科医師の診療に基づく医療費や薬代(歯科矯正や美容整形、予防接種、健康診断、診断書代は対象外)です。

医療機関までの公共交通機関の利用代金も対象になります。※タクシーも対象となることが多いと思います。領収書をもらうか、キチンとメモを残しておきましょう!入院の部屋代(差額ベッド代は対象外)、食事費用、手術代金(一部例外あり)、出産費用、市販の医薬品といったところでしょうか。

セルフメディケーション税制が創設されました!

❖まずは制度の概要です。

健康の保持増進及び疾病の予防として一定の取組を行っている人が、平成29年中に自分自身と、また自分と生計を一にする配偶者やその他の親族のために12,000円以上(上限88,000円)の対象医薬品を購入した場合に、受ける事のできる制度です。※ただし、通常の医療費控除との選択適用

セルフメディケーション税制も医療費控除同様に、12,000円を超えた医薬品の購入額がそのまま返ってくるわけではありません。超えた部分の金額がそれぞれの世帯に応じた所得税や住民税から差し引かれるということです。

❖セルフメディケーション税制の適用を受けるための「手続」「必要書類」

【提出書類】
●セルフメディケーション税制を適用し計算した確定申告書
●セルフメディケーション税制の明細書
一定の取組を行ったことを証明する書類 ※提示によることも可能。

一定の取組を行ったことを証明する書類
●インフルエンザの予防接種や定期予防接種の領収書または予防接種済証
●市区町村のがん検診の領収書または結果通知表
● 職場の定期健康診断の結果通知表 ※「定期健康診断」か「勤務先の名称」が記載されていること。
● 特定健康診査の領収書又は結果通知表 ※「特定健康診査」か「保険者名(加入している健保組合等の名称)」が記載されていること。
●人間ドックやがん検診など各種健診(検診)の領収書または結果通知表 ※「勤務先の名称」「保険者名(加入している健保組合等の名称)」が記載されていること。

いずれの場合も、結果通知表の数値は塗りつぶしたりしていても差し支え無しです。こちらも平成31年まで 経過措置として、明細書ではなく領収書の添付または提示によることもできます。

セルフメディケーション税制の対象商品
医師によって処方される医薬品(医療用医薬品)から薬局やドラッグストア等で購入できる医薬品に転用された医薬品(スイッチOTC医薬品)です。

セルフメディケーション税制の対象となる商品には、パッケージに税制の対象である旨を示す識別マークが掲載されていたり、購入した際の領収書(レシート)に控除対象であることが記載されています。

スイッチOTC医薬品の「対象品目一覧」(厚生労働省ホームページ)はこちらです。⇒クリック

もし、対象商品と分かって購入したのに店舗によっては対応できてなくてレシートに「★」マークが付いていないことがあるかもしれません。その際は、商品名、金額、セルフメディケーション対象品目である旨、店名、購入日を記載してもらいましょう。

 

『セルフメディケーション税制』と『医療費控除』!得なのはどちら?


セルフメディケーション税制と医療費控除は併用ができないので、どちらか一方を選択しなければいけません。まずは、試算してみましょう。※課税所得金額によって税率が変わるので所得控除額で比較します。

数字を入れるだけで簡単に計算できます。試算表はこちらです。⇒クリック

確定申告の前に試算して得な方を選択しましよう!ただし、セルフメディケーション税制の対象は“スイッチOTC医薬品”に限定されるのに対し、医療費控除の対象となるものは、上記のように医療費や処方箋等の医薬品だけでなく、通院に使った公共の交通機関の交通費など幅広いものになります。

また、美容目的の歯科矯正は対象外ですが、子供の不正咬合の歯列矯正などは医療費控除の対象となります。その年、一年の医療費とその内容によって、どちらが得かが決まってきます。家族の健康のために使った大切なお金です。健康チェックも兼ねて、レシートの整理をしましょう!チョッと急いでね。

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