世界初の「iPS細胞製造工場」完成!パーキンソン病など神経疾患に対する『大日本住友製薬』の取り組みにも注目!

パーキンソンン病の治療の展望

大日本住友製薬が、京都大学「iPS細胞研究所」の高橋 淳教授と共同で実用化を目指している『非自己iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞』で、厚生労働省から“再生医療等製品”の先駆け審査指定制度の指定品目に選ばれた記事は以前書きました。★その記事がこちらです。⇒クリック

また、自社のMR※の質向上に向けて独自の取り組みを進めているとのことです。全国のCNS(中枢神経系: central nervous system)領域専任のMRが参加する宿泊研修「MRキャンプ」など、働く人材の質を高めるというのも素晴らしい取り組みの一つですよね!

※『MR』は聞き慣れないかもしれませんが、皆さん良く病院で見かけられていると思います。午前の診察が終わる頃や一日の診察が終了するころにスーツを着た営業マン(近頃は女性も多いです)が、先生に会うために待っている、あの方達です。

MR(medical representative:メディカル・レプリゼンタティブ)は自社の医薬品の「情報提供・収集」と「普及・拡大」が主な仕事です。MRは、医薬品に関する情報をドクターなど医療従事者へ提供し、医薬品の適正使用を促します。

また、MRは各製薬会社の営業ですから自社製品を普及させなければいけません。他社製品よりもいかに優れているか、 効果や効能を詳しく説明できるように常に正しく専門的な知識が必要なのです。

このように、社員教育にも力を入れている『大日本住友製薬』とはどのような会社なのでしょう?世界初の「iPS細胞製造工場」は無事完成したのでしょうか?その辺り調べていきます。

 

『大日本住友製薬』とは?

【旧大日本製薬】
●1897年(明治30年)5月14日 設立:大阪製薬株式会社設立。

●1898年:東京の半官半民の大日本製薬会社を吸収合併し、社名を「大日本製薬株式会社」に改称。
●1927年:気管支拡張・鎮咳剤「エフェドリン『ナガヰ®』」新発売。
●1956年:一般用医薬品事業スタート。
●1979年:抗菌性化学療法剤「ドルコール®」新発売。
●1987年:てんかん治療研究振興財団設立⇒1989年:抗てんかん剤「エクセグラン®」新発売。パーキンソン治療薬「トレリーフ」としても使われています。
●1997年:創立100周年、翌年消化管運動機能改善剤「ガスモチン®」新発売。
●2003年:用内服液剤「オプソ®」新発売。

【旧住友製薬】
●1984年(昭和59年)2月6日設立。
●1984年:経皮鎮痛消炎剤「インテバン®クリーム」新発売。
●1989年:ノルエピネフリン作動性神経機能改善剤「ドプス®」新発売。
1996年:セロトニン作動性抗不安薬「セディール®」新発売。
●2001年:抗精神病剤「ルーラン®」」新発売。H2受容体拮抗剤「タガメット®」の販売を開始。
2004年:営業開始20周年。
2社とも、他にも多数の薬を開発しています。ほんの一部を抜粋いたしました。

●2005年:10月1日 大日本住友製薬 誕生 ※一部のみ抜粋。
●2008年:非定型抗精神病薬「ロナセン®」、高血圧症治療剤「アバプロ®」新発売。
●2009年:パーキンソン病治療剤「トレリーフ®」新発売
●2011年:非定型抗精神病薬「LATUDA®」サノビオン社が米国にて新発売。速効型インスリン分泌促進剤「シュアポスト®」新発売。
●2014年:再生医療等製品事業に関する合弁会社(株式会社サイレジェン)を設立。神戸再生・細胞医薬センター(現 再生・細胞医薬神戸センター)を開設。

『大日本住友製薬』の売り上げランキングは?

日本の製薬会社と言えば?という質問をされた場合“大日本住友”の名前を即座に答える人は、それほど多くないかもしれません。実際のランキングで見てみるとどうなんでしょう?!

「2016年度 国内製薬会社 売上高ランキング」で見ると、1位:武田薬品工業、2位:アステラス製薬、3位:大塚HD、4位:第一三協、5位:エーザイ、6位:中外製薬、7位:田辺三菱製薬、8位:大日本住友製薬、9位:協和発酵キリン、10位:塩野義製薬と続きます。結構上位ですよね!

❖『大日本住友』がパーキンソン病に“力”を注いでいるのはサイトからも分かります。

会社のホームページを見てみると、“患者・一般の皆さま”というタブがあります。そこから“健康情報サイト”に行くと、“病気の知識”、そして“パーキンソン病ステーション”へと繋がっていきます。

そこには、パーキンソン病とは?から始まって、リハビリテーションについて、介助をする側の方へのアドバイスが細かく記載されています。

また、パーキンソン病治療をサポートするアプリ『リハビリ日誌』も紹介されています。私の場合だとiPhoneなのでApp Storeからダウンロードすれば良いみたいです。「リハビリ」「症状記録」「振り返り」「お薬管理/通院管理」までサポートしてくれるようです。

「リハビリ動画」を使えば、自分のスマホで確認しながらリハビリができる。3段階のメトロノームのテンポに合わせながら、歩いた時間をカウントできる。「痛み」や「しびれ」「便秘」「睡眠障害 」など、気になる症状を記録できる。症状を記録して、受診時に主治医とのコミュニケーションがスムーズにできる。など優れものですね!アプリの紹介ページはこちらです。⇒クリック

世界初のiPS細胞製造工場ついに完成!

 

大日本住友製薬は2018年3月1日、大阪府吹田市に建設中だった『iPS細胞』の製造施設が完成したことを発表しました。

『iPS細胞』由来の細胞製品の製造施設は世界初だそうです。ブログでいろんな記事を書きながら、日本は遅れてるな~と思っていたので、今回の快挙!嬉しいです。

また、大日本住友製薬は理化学研究所や京都大学などと共同で、網膜疾患の「加齢黄斑変性」や神経難病の「パーキンソン病」に対するiPS細胞由来の細胞医薬品の開発を進めているとのこと。今回の製造施設完成で実用化に向けた研究に弾みがつけば!と、また期待してしまう私です。

完成した施設は同社総合研究所内に立地。地上2階建てで、延べ床面積は約2915平方メートルだそうです。加齢黄斑変性、パーキンソン病、網膜疾患の1つ「網膜色素変性」、脊髄損傷に対応した4種類の再生医療製品を製造するとのこと。ますます期待が膨らみます!

❖製造施設について

再生・細胞医薬製造プラントの名称は、「SMaRT」(Sumitomo Dainippon Manufacturing Plant for Regenerative Medicine & Cell Therapy)だそうです。他家iPS細胞由来の再生・細胞医薬品専用の商業用製造施設としては世界初!何度聞いても良いですね。この響き!

2018年3月現在5つのプロジェクトが動いているようです。

●慢性期脳梗塞(SB623):サンバイオ 北米 他家間葉系幹細胞
●加齢黄斑変性: ヘリオス理化学研究所 国内 他家iPS細胞由来網膜色素上皮
●パーキンソン病(先駆け審査指定制度対象):京都大学iPS細胞研究所(CiRA) Global 他家iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞 ※臨床試験(治験)は、2018年度開始予定(医師主導)(日本)
●網膜色素変性: 理化学研究所 Global 他家iPS細胞由来視細胞
●脊髄損傷: 慶應義塾大学 大阪医療センター Global 他家iPS細胞由来神経前駆細胞
何だかドキドキしてしまいます。

医薬品としての安全性、品質管理などに対する法律や省令にも適合したので、今後開始する予定の臨床試験(治験)で使用する細胞を製造するほか、製造販売承認を取得後の商用製品まで製造できる施設なのだそうです。この施設で一日も早いiPS細胞を使った治療法が見つかりますように!そして実用化されますように!と願うばかりです。

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