パーキンソン病に「生体機能チップ」は、新たなツールとなるのでしょうか?


近頃、“開発”、“創薬”、“ヒトiPS細胞”、“機能再現”などという単語に過敏に反応するようになってしまいました。いつも『進行性の病気だからこそ、今が一番!』なんて言っておきながら、パーキンソン病に怯える毎日です。情けない…。

そしてまた、私の目に飛び込んできたのが『生体機能チップ』とやらの開発に大手製薬会社も参画するという記事!ダメですね~!目が釘付けです。

恥ずかしながら「生体機能チップ」というものを今回の記事で初めて目にしました。どういものなのか?将来、パーキンソン病の治療の選択肢の一つになり得るのか!など調べてみたいと思います。

私は、正式登録していないのですが「日刊 薬業」という情報誌?の見出しだけは見ることができます。なぜ、会員登録をしないのか?答えは簡単です。高いんです。新聞並みの値段なら直ぐにでも会員登録をしたいところなのですが…数倍しますから。

その、見出しに“製薬大手も参画、「生体機能チップ」開発へ!AMED事業、来月稼働。創薬の新たなツール”という文字と、“ヒトiPS細胞などから作製した臓器細胞をチップ上に配置することで、人体機能を再現する”という文字が輝いて見えました!

こういう見出しを見ると、どういうものか分からないまま、つい期待が膨らんでしまうのです。

サイド上

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「生体機能チップ」とは?

「生体機能チップ(Organ-on-a-chip)」は、チップ上に構成された臓器の機能を持つ素子だそうですが、これだけで『そうなんだ!』と直ぐに理解できる人はどのくらいいるでしょう?

ますます複雑に!マイクロリアクターの一種でチップ上に半導体製造で培われた微細加工技術を駆使し、微細な流路を形成し、その上に臓器の細胞を培養する…のだそうです。

まず、もう分からない用語が!マイクロリアクターって何?あまりにも難しい説明を書いても、余計に理解不能になってしまいそうなので超簡単に“一辺あたり1mm以下の大きさの空間で化学反応を行う装置”だそうです。一辺1mmって!!

元は半導体の微細加工技術の発達でマイクロデバイスを自由につくることができるようになった内のひとつが微細な反応セルを基板上に集積したマイクロリアクターなのだそうです。※デバイスは、道具を意味します。パーキンソン病の治療でも薬物療法と手術(機器を用いるデバイス療法)があります。

手のひらサイズのチップが実験室系同等の機能を持つことが示されると世界中で研究が始まったとのことです。本当に凄いことですね!現代の薬剤開発を支えているマイクロリアクターのサイズもDNA複製や単一細胞検出などでは、ミクロからナノという広範囲のスケールでチップが作られているそうです。
※単位がピンときません!私だけ?よく使う「ミリ(mili)」が 1000分の1。「マイクロ(micro µ) 100万分の1。「ナノ(nano n)」10億分の1。とにかく、とてつもなく小さいということだけは分かったような…。

 

AMED事業とは?

まず、AMEDとは平成27年4月設立の「国立研究開発法人日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development)」の略称です。ドラッグラグ・デバイスラグの時も紹介しました。

AMEDは国が定める「医療分野研究開発推進計画」に基づき、基礎研究から実用化まで一貫した研究開発を行うことにより、成果を一刻も早く私たち患者に届ける(実用化する)ことを目指しているのです。

❖AMEDのプロジェクトは?

●オールジャパンでの医薬品創出プロジェクト
●オールジャパンでの医療機器開発プロジェクト
●革新的医療技術創出拠点プロジェクト
●再生医療実現プロジェクト⇐ 今回のAMED事業というのは、このプロジェクトではないでしょうか?

◆再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業(再生医療技術を応用した創薬支援基盤技術の開発)
概要:高精度な培養技術で培養した各種臓器の細胞をチップ等デバイス上に搭載し、デバイス上で化合物の安全性や薬物動態等を正確に評価するための基盤技術を確立、臨床段階での医薬品開発候補化合物の開発中止率低減の実現を計る、と記載されています。

●疾病克服に向けたゲノム医療実現プロジェクト
●ジャパン・キャンサーリサーチ・プロジェクト
●脳とこころの健康大国実現プロジェクト
●新興・再興感染症制御プロジェクト
●難病克服プロジェクト
●健康・医療戦略の推進に必要な研究開発事業
●医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE :Cyclic Innovation for Clinical Empowerment)
これだけのプロジェクトを抱えているんですね!

この『再生医療実現プロジェクト』の概要は、再生医療研究を、基礎から臨床段階まで一貫して推進し、再生医療関連事業の基盤整備やiPS細胞等による新薬開発を支援する!となっています。

やっぱり期待してしまいますね!いや、期待しましょう!

まとめ


今回の『Organ-on-a-chip』は、本当に難しくて、?マークの連続なのですが、この用語にも?マークが何個もつきました。医薬品開発における革新的なツールとして近年注目を集めているのですが…。

今までにも新薬創薬の難しさ、かかる年月、数百億以上とも言われるコストの記事を書いてきました。これまで医薬品候補物質の評価手法として、培養細胞を用いた実験や動物実験が長年行われてきました。

確かに、培養細胞は低コストで比較的簡便に実験ができる反面、シャーレの中と、生体内での環境とは違います。そのため、細胞が本来もつ機能を失い、薬物投与に対して正確な生体への影響を反映していない可能性もあったと考えられています。動物実験も同様です!

臓器チップは、上記の通り手の平サイズのプラスチック製チップの上で臓器の機能を再現したデバイス!チップ上にヒト由来の各種臓器細胞を乗せ、微細な流路を通じて酸素や栄養素を含む培養液を送りこみ、生体内と似たような環境を作り出すというもの。何だか夢のようですね。だったら、神経細胞も…と思ってしまうのです。

また、その方法の場合、従来の実験手法よりも正確な、ヒト生体内と近い薬物の影響が確認できるのではないかと期待されています。また、将来は『Organ-on-a-chip』に留まらずHuman on a Chipにまで発展するのではという構想まであるようです。想像ができませんが…。

けれど、製薬会社、AMEDが開始するプロジェクトが一体となれば実現するかもしれません。キッと実現する!パーキンソン病にも希望をもたらしてくれると信じたいと思います。