パーキンソン病の新治療法確立に追い風?日本メジフィジックスが PET 診断薬の製造検討に関する共同研究契約を締結

パーキンソンン病の治療の展望

私は6年くらいのドクターショッピングの間に、あらゆる検査をしてきました。CTやMRIは、どこを何度撮ったのか記憶に無いくらいですから…。もっと回数が多いのが採血です。けれど、何度、どこを撮影しても異常はみつかりませんでした。パーキンソン病なのに見当はずれなことを繰り返していたのです!

家族といえども、私も痛さやダルさ、字が徐々に書きにくくなっていることを打ち明けたところで100%理解することは、限りなく不可能に近いように思います。

結局、救急搬送されるまで「無理矢理に病気になりたがり屋」というレッテルまで貼られてしまいました。たった一度、肘をクルッと回してくれれば、もしかしたら?と思えたかもしれないのに。悔やまれます。

救急搬送された時もMRIを撮りましたが結果は…。それまで、お騒がせしましたで終わっていたのですが、救急の担当医がどこかがおかしいということで、総合病院に連絡を取り、無事?!にパーキンソン病との診断がついたのです。

その日の内に「確定診断」をするためMIBG(meta-iodobenzylguanidine:)心筋シンチグラフィという検査の予約をとりました。あれよあれよという間に事態は急速に変化したのです。私が宣告を受けた6年前までは、この心筋シンチですら受けてない方も多いかもしれません。

パーキンソン病では心臓交感神経が徐々に障害されま。ごく軽症のパーキンソン病患者においてはMIBGの集積正常例が存在するそうです!ただし、日が経つにつれMIBGの集積は低下していきます。

これだけでも“凄いこと!”だと思います。パーキン病関連疾患やパーキンソン症候群との識別が可能となったわけですから。でも、今やもっと検査は進歩し、その検査から分かる患者の情報も増えているようです。

PET診断とは?

画像診断には、放射線、磁場・電磁波、超音波などを用いるものがあります。会社の健康診断などでも行われる単純X線撮影(いわゆるレントゲンですね)は、誰もが1度は体験されたことがあるかと思います。

今では、コンピュータを導入した技術の進歩により、人体の内部を様々な方向から切った様な画像や3次元的(立体的)な画像も撮影可能になっています。この画像の情報は、患者さんへの負担を最小限に抑え、かつ、適切な診断をするための大切な情報なのです。

主な画像検査は?というと、MRI(磁気共鳴画像診断)検査、CT(コンピュータ断層撮影)検査、RI(核医学)・PET検査を行います。

❖PET検査について

「PET検査」は通常、がんの早期発見のために活躍してしていたようです。「PET検査」とは「陽電子放射断層撮影」という意味で、ポジトロン・エミッション・トモグラフィー(Positron Emission Tomography)の略。ハッキリ言って難しすぎます。

体に異常を感じたり、腫瘍ができたりしてから発見されることが多いため、少しでも早く見つけるために開発されたもので、特殊な検査薬で『がん細胞に目印をつける』というのがPET検査の特徴です!世の中には凄いことを考え出す人がいるものですね。

まず、検査薬を点滴で人体に投与し、専用の装置で体を撮影することで、印のついた「がん細胞」だけを見つけることができるのです。今まで見つけることのできなかった小さながんの発見を可能にしたのです。
今や、全国の専門施設で受けられます。

 

日本メジフィジックスと京都大学のタッグはパーキンソン病患者に朗報となるでしょうか?

日本メジフィジックスは、京都大とPET画像診断剤の製造・供給に係る業務委受託契約を締結したと発表しました。京都大は世界で初めてパーキンソン病を対象に『ヒトiPS細胞』を応用する臨床試験を実施すると発表しましたが、具体的な日程はまだですね。

ふと、不安がよぎります。2016年と言われていたのが、2018年に。そして、今年も残すところ、後4ヶ月あまり…。これがまた2019年には実施とならないことを祈るのみです。

日本メジフィジックスは、住友化学と米ゼネラル・エレクトリック(GE)グループの合弁会社。iPS細胞でパーキンソン病を治す診断薬に関して国内での商業化に向けた治験の共同研究契約を京都大学と結びました。パーキンソン病に使う診断薬の治験を進めて販売し、他の大学などの研究機関への販売につなげる方針だそうです。

細胞が生着していることを確認したり、移植した細胞が“がん化”していないかなどを確認したりする複数の製剤を、実際に2018年度以降に始まるパーキンソン病の治療の治験で使えるかどうかを確かめるとのこと。診断薬としての販売は30年ごろだそうです…チョッとため息が。そんなにかかるんですね。

去年、報道関係者向けに発表された内容は、京都大学と共同研究契約を締結 ~iPS 細胞を応用した移植治療の臨床試験に向け画像診断薬製造を検討~

京都大学と『 iPS 細胞』を応用した移植治療の効果および安全性を評価するために必要な PET 診断薬の製造検討に関する共同研究契約を締結しましたという報告です。将来的に京都大学が計画しているパーキンソン病に対する iPS 細胞由来ドパミン神経細胞移植治療の臨床試験での PET 診断薬の有効活用を目指していることが報告されました。

これに対し、京都大学 iPS 細胞研究所の髙橋淳教授らは、動物を用いた試験において iPS 細胞を応用した細胞移植治療の有効性および安全性を示しており、PET による画像診断が細胞移植の効果を評価する方法として有用であるとしています。

加えて「放射性医薬品の製造・供給において豊富な実績がある日本メジフィジックスとの共同研究は、パーキンソン病に対する iPS 細胞由来神経細胞移植治療の有効性や安全性を評価する上で大きな力になる」とも評価!共同研究を通して、iPS 細胞技術を用いた医療応用の早期実用化を目指すとのことで…またまた期待してしまうのでした。

まとめ

やはり実用化までは10年以上かかるんですね。でも10年一昔とも言いますし。PET による画像診断は、治療薬の治験において治験薬の用量評価や治験対象患者の選別、治験薬の有効性や安全性の評価に有用な技術と言われています。

何よりも、iPS細胞移植の治療による問題点であった“がん化”が、画像診断で一早く発見(当然、そのような問題があってはならないのですが…)できる!その技術との提携は大きな、大きな前進に繋がるのではないでしょうか?

日本メジフィジックス株式会社について、少し触れておきます。
放射性医薬品を用いた核医学検査は、脳卒中、認知症、心臓病ならびに悪性腫瘍など幅広い疾病の診断に有用とされています。日本メジフィジックスは、住友化学株式会社と GE ヘルスケアグループの合弁企業で、放射性医薬品のトップメーカーとして知られているようです。

主な製品としては、日本の民間企業としては初めてサイクロトロンを自社所有し、核医学画像診断やポジトロン断層法(PET診断)、放射線療法に用いられる放射性医薬品の研究・開発や製造、販売。

2005年(平成17年)にポジトロン断層法(PET診断)用の薬剤を国内で初めて販売。放射性医薬品については、すばらしい実績を誇っているようです。

是非、今回の提携が、iPS細胞を使ったパーキンソン病の治療法確立の追い風となるよう願っています。

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