前回も書いておりますが、子供たちが独立し元の夫婦2人の生活になって10年。毎年2人で老々介護になった場合のことを少しでも早い時期からシッカリと話し合っておかねば!と話していました。
今回の引越しは、物件の利便性にこだわったので、築年数が古く、おまけにバリアフリーとは程遠いものでした。転倒などの起こした場合、パーキンソン病患者は咄嗟に手が出ず、思いがけないほどの怪我に繋がることも!!ほんの少しの段差やスロープの方が危険なこともあるのです。
例えば、ラグマットです。
冬は嬉しいアイテムですよね!ただ、マットには1cm程度(種類、素材、使用季節によって違います)の段差が四方にあります。家の中での転倒事故って多いです!
まず、リフォーム担当業者に自分たちの希望を全て提案してみました!
とにかく、できるかできないかは別として私たちが希望していることを全て出してみることになりました。その段階で予算的にかけ離れると思われたら“即ボツ”。何とか見積もりの段階までは入れておき、金額次第で『絶対譲れない』『グレードを下げてもお願いしたい』『予算に合えば取り入れたい』くらいに振り分けました。住宅改修、改造に詳しい業者さんだったので提案もしてもらいました。
【私たちの希望】
●できるだけバリアフリーにしてもらいたい。
※グレードを下げてでもお願いしたい。
●お風呂場の浴槽は不要。シャワーブースにしてもらいたい。その際に物置の棚も不要。
※予算に合えば取り入れたい。
●できるだけのドアを引き戸にしてもらいたい。
※グレードを下げてもお願いしたい。
●ベランダでの作業中にオフになった経験から、洗濯物を日当たりの良い窓際に“室内干し”で乾かしたい。
※グレードを下げてもお願いしたい。
●古いマンションなので。収納スペースが少ない。所々に出っぱっている?小さな物置のような空間(作りつけ?)は撤去して欲しい。その代わりに、まとまった量を収納できるクローゼットの作成を依頼したい。
※絶対譲れない。
特に気になったのが廊下です。古いロッカーのような物置が作りつけてあって視界を遮るため実際に狭いのですが見た感じの圧迫感は家の顔の玄関から廊下を暗くしてしまっていました。
●子どもがいれば部屋数は必要かもしれません。今は、2人ですからダイニングとリビングを一部屋にして欲しい。
※絶対譲れない。
古い水屋タンスをリフォームし横並びにしてサイドボードに作り直していました。保管は修理専門業者に依頼しておりましたが一軒タンスなので横並びにすると360cm。これを置くだけでも大変でした。
などです。
いよいよリノベーション開始!内部は全て撤去され、コンクリートの箱になりました。
本当に何度も打ち合わせをしました。どこまで希望を入れていくか。壁紙を貼るまでに決めておかなければいけないことが多かったですね。壁紙を貼ってしまうと、あとから変更をお願いした場合は“やり直し!”になってしまいます。
それとマンションの場合は、管理事務所に工事の工程表はもちろん、床材の遮音のグレード、一日一日の工事終了の時間の徹底(撤収時間含む)など細かい部分まで提出しています。
一番騒音が気になるのが最初の2、3日のキッチン、浴槽、トイレなどを撤去する期間です。
できる限り、工程表通りに進めていくためにも水廻りのデザインやメーカーを『予算』『機能性』『イメージ』などの多方面から決めておくことが大切です。
※騒音が気になる日には担当業者さんが上下階を含めご近所に挨拶に行ってくれました。今は、リフォーム工事中の対応は担当業者さんに一任のケースが多いと思います。
最初はキッチンまでは予算的に無理だろうと考えていました。還暦過ぎてからの“ローン”はたとえ借りることができたとしても返済に不安が残ります。今回、担当業者を決めた後、3種類ほどの“見積書”を作成してもらいました。その中のキッチンを含むフルリフォーム(なんて言葉があるのでしょうか?)の見積書…ギリギリ何とか支払えそうなんですよね。
ただ、住んでいて不自由という理由で申請する“住宅改造”では認められたとしてもほんのわずか(住宅改修の手すりは問題ないのでは!とのこと)だそうです。問題は、この際一気にリノベーションした方が5年後に取り換えるのとどちらが良いのか?という点のみ。
悩んだ末、キッチンも入れ替えました。水廻りは全て同じメーカーだったのでショールームで色や取っ手の形状など実物で確認できたので良かったです。
【実際のリフォーム箇所】
◎部屋全体の床を5cm上げることによって全室バリアフリーを実現!
ビフォーアフターだったか?で観たことがあるような。我が家でそんな大がかりなことをするとは思っていませんでした。部屋の継ぎ目は残ってしまうだろうと諦めていましたから。継ぎ目があると2、3mmという微妙な段差が残ります。今回のリフォームでは全く段差はありません。
◎念願のシャワールームになりました!!
これだけは、ショールームでは確認できませんでした。湯船は私にとってもうユックリとできるところではなくなっています。入る時、出る時も気をつけなければいけません。ついつい椅子に座ってシャワーを浴びるというバスタイムになっていました。
私が使っていないので主人も使わない。けれど湿気は湯船にも付きますから掃除はしないと…ならば要らない!という結論に。ただ安いお風呂より値段は高かったです。シャワーは3カ所。頭上から(固定)、普通にシャワーヘッドを持って体にかけられるもの、前面にノズルが8カ所(固定、ノズルの角度は自由に変えられる)がついています。
3ヶ所を同時に出すと水圧が下がりますが、それを避ければ問題は無いです。手すり1ヶ所で恐怖心も無く使用できています。将来的に介助が必要になっても椅子に座ってシャワーを使用できるので介助する側の負担も少ないのではないか?と考えたからです。
それと元々はシャンプーなどを置く棚がセットされていました。今回は敢えて外してもらいました。掃除が楽だからです。今はシャンプーなども容器に入れずにぶら下げて使用できるグッズも販売されています。
90×130cmという狭さも私にとっては安心なんです。
※シンクは広く深くとっています。洗髪ができます。
◎スペースが許す限り“吊り引き戸”になりました。
バリアフリーですから下のレールは無いので吊り引き戸です。最後まで閉めなくても自然に閉まってくれるのでとても楽!チョッと遊び心でミッキー(キャラクター料別)の形の窓がついたドアもお願いしました。
※引き戸部分は手すりが付けられないので下の写真のようにできるだけ壁に近づけて床から立ち上げています。使いやすいです。
◎室内干し取り付けました。(電動式室内物干し)
毎日洗濯するなら!とのことで竿1本タイプです。7㎏まで大丈夫。リモコンで上下できます。使わない時は天井に格納されます。車椅子に座った状態で干せます。
◎廊下スッキリしました。もし車椅子が必要になっても大丈夫!
比較するリフォーム前の画像が無いのが残念ですが。感覚的に言うと倍ぐらいになった感じです。
◎キッチンも入れ替えました。
お約束のようについていた吊戸棚も見当たりません。今のキッチンは引き出しなので、かなり大容量です。収納は下駄箱と一緒にオーダーしたキッチンキャビネットと流しの下の引き出し。
まとめ。
2020年12月に引っ越してきて2ヶ月近く。マンションを購入してから1年と2ヶ月長い道のりでした。まだまだ片付いたとは言えませんが、このリノベーションやって良かったと思います。全ての家具を1m20以下にしました。ただでさえバランスが悪くなるパーキンソン病です。
できるだけ伸びしなければ取れない場所や脚立を使って取る位置には棚や収納庫を作っていません。下駄箱とキッチンキャビネットも注文して作ってもらいました。
子どもたちがいる時に天井に作りつけの棚、下駄箱も天井までの作り付けで作成してもらいます。その2人も独立してしまったのに“入れるところがある!”と物は増えます。まず履かない靴を捨てた段階で2/3は減りました。まだまだ、片づけは終わりそうにないですね。
それともう一ヶ所リフォームしてます。最近テレワークなどが増えてこの場所をリフォームする方が増えていると聴いたことがあります。“押入れ”や“クローゼット”です。小さくても事務スペースが必要です。短期間ならリビングでも良いでしょうが、時期的な目途が立たなければ、どこかを必要な物が置ける空間に!との流れのようです。
我が家はたまたま押入れを作業スペースにリフォームしてもらっています。押入れは奥行きが長く、天袋もあり便利ですが、“とりあえず上げておこう”、“取り敢えず奥に置いておこう”で物が溜まっていくのかもしれません。
壁紙は部屋と同じ物です。パソコンデスクがピッタリと収まりました。隠れ家っぽくて良いですよ。押入れのワークスペース化は増えるんじゃないでしょうか?
◎チョッとした遊び心も!
今回のリノベーションは『老々介護となった時』とか『免許返上の後』など、少々重い感じで進めてきたようですが少しだけ遊び心の有るチョイスをしたもの使っています。
《壁紙①》
和室以外の部屋の壁は上段左の下がストライプになった壁紙で統一されています。元は腰板を諦めて。ストライプのどちらか一色を上部に持ってくる予定でしたが、在庫が揃わず急遽選び直すことに。色が合ってると思ってよく見たら可愛いキャラクターが!!でも我が家を訪れた人で先にキャラクターに気づいた方はまだ誰も。チョッと寂しいような気もしますが、気付いた時の反応が楽しみ!
《壁紙②》
上段右側はトイレです。狭い空間なので、思いっきり遊んでます。こちらも壁紙は有名なキャラクター。ごく一般的な壁紙だったのですが、部屋全体の壁紙を変更したため。ハッキリ言ってノリです。でもお気に入りなんです。
《リビングドア》
ステンドグラスの作家さんにデザインからお願いして作成してもらったステンドグラス。18×160というとても難しい依頼を受けてくれた上。デザインも亀甲の帯をイメージしたオリジナルです。
遊び心と言えば『吊り引き戸』に使っているミッキーの窓(灯り取?)は、チャンとディズニーの許可を得たものだそうです(値段見るまで気づきませんでした)。
★どんなに安全なようにリフォームしても気をつけて生活しなければ無駄になります。いつかパーキンソン病に良い治療法が見つかるまで大きな怪我をせず頑張っていこうと思います。
コメント
一気に咲いた桜も、一気に散ってしまいましたが、今は葉桜になって緑陰を与えてくれています。
ご無沙汰しています。
新型コロナのニュースばかりの1年でしたね。まだまだこれからも当分続くようで・・・
マンションのリノベーション、よかったですね。
いつも前向きに向かっていらっしゃるご様子に励まされ、
時々、ブログを訪問させていただいています。田上
ありがとうございます。でも、この病気を抱え、環境を変えることは想像以上にストレスがかかりました。知らず知らずのうちに姿勢が悪くなり家の中でも突進、転倒を繰り返しました。何とか元気そうに頑張ろうと思ったのですが…。でもブログ書き続けていたから、こんなうれしいコメントいただけるんですよね!!!焦ってばかりの半年くらいでした。体も気持ちも落ち着かせて、ボチボチ頑張ります。本当にありがとうございます。また、コメントでお話ししましょう。