パーキンソン病は“治る病気”!そう言える日はいつ?進むiPS細胞を使った臨床研究。

パーキンソンン病の治療の展望

今日届いた『全国パーキンソン病友の会』の会報。いつものようにパラパラとめくっていると、A4の用紙が1枚…何?と思って読んでみると「iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞を用いたパーキンソン病治療に関する医師主導治験」への申込を検討中の皆様へ(申込方法等のお知らせ)という“見出し”にビックリ!

こういう世界的にも初めてではないか!思われる治験には、今まで京都大学の脳神経内科で受診をしている患者さんの中から、年齢や性別・進行状態などを考慮の上、医師側がピックアップして実施されるものと思っていました。

誰だって難病になんてなりたくなかったし、良い治療法があれば治りたい…。その時に順番があるなら人目もはばからず押しのけてでも我先にと行くかもしれない…。それほど、治療法のない病気で進行性とくれば思いつめてしまいます。こうやってブログを書いていても、もう嫌だ!と叫びたくなることが一日の内でも何度あることか!

近頃、夕方になると姿勢保持がキツクなり始めました。チョッとしたことでふらつきます。尻もちを何度もつきながら着替えている自分に情けなくて涙がこぼれます。

iPS細胞の治験は、成功すれば良いな!早く実用化すれば良いな!くらいに思っていました。でも、私も参加できるかも!そうすれば治るかも!確率はゼロじゃない!などと考えてしまいました。そして、家族に話してみたのですが予想通り怒られてしまいました。

治験に関する記事も書いたことがあります。参加してくださる方がいるからこその“新薬承認”です。でも、当然危険も伴います。早く治りたいなどという気持ちで参加するものではないことは百も承知しているはずなのに…それほど、このパーキンソン病は厄介な病気なのです。

 

そしてA4の印刷物に書かれていた文章が心に刺さりました。万が一にも被験者にされたとしても、自分だけの治験で充分な結果がもたらされるだろうなどと甘い期待は避けるべきです。

遥かな過去から今、将来の研究者たち、患者、関係者の研究の積み重ねによってようやくもたらされる“完治”という言葉を軽く口にするべきではない。

本当にその通りです。今回は、今進んでいるiPS細胞を使った臨床研究について調べていきます。

 

京都大学がiPSで血小板再生。血液難病の臨床研究へ

京都大学では、患者自身のiPS細胞を血小板に育てて投与するという臨床研究計画を国に届け出ていたそうです。対象は、他人の血小板を輸血できない血液の難病になった患者。

2018年8月29日に厚生労働省が計画を審議する予定だそうです。iPS細胞による再生医療は“目”、“心臓”、“血小板”と治療の対象が広がりつつあるのですね!

この臨床研究は、出血を止める血小板をうまく作れない「血小板減少症」の再生医療。今回の研究対象患者は既に決まっているそうです。

ただでさえ、大量出血すれば命に関わる難病なのに、その中でもまれな型の血小板の患者だそうです。通常の「血小板製剤を輸血する」という治療ができないのですね。血小板製剤は型の不適合で免疫が排除するためダメ。胚性幹細胞(ES細胞)や他人のiPS細胞から作製した血小板も使えない。大変です!

では、どうすれば良いのか?臨床研究では患者自身のiPS細胞を血小板に育てて、その血小板を複数回患者に投与するという治療です。1~2年かけて安全性を確認していくのです。患者自身のiPS細胞を使う計画は2014年に実施した加齢黄斑性という目の難病に続き2例目ですね。

血小板は、使用期限が4日と短く備蓄することが不可能。日本は、ますます高齢化が進むでしょうから、献血者は減少するのに、血小板を必要とする人が増えるため需要と供給のアンバランスが予想されます。

病気やケガの治療に使う血小板を他人のiPS細胞から製造する研究開発を進め、医師主導臨床試験(治験)に乗り出すとのこと。今ここで研究が足踏みしてしまえば…後に続く難病患者のため息が聞こえてきそうです。

それを受けて、スタートアップ企業のメガカリオンもiPS細胞から作った血小板の企業主導治験を計画しているそうです。※スタートアップ企業という呼び名自体恥ずかしながら知りませんでした。新たなビジネスモデルを開発する起業で、市場を開拓する段階にある企業。 一般的に、創業から2~3年程度の起業を指すことが多いそうです。

混同しそうなのがベンチャー企業ですよね。ventureは「冒険的な企て」という意味で、新技術・新事業を開発し、事業として発足させたまだ中小規模の企業のことのようです。

私にできることと言えば、まずは、この『血小板再生』の治験が成功しますように!iPSの研究が立ち止まらないように祈ることだけです。

京都大学 パーキンソン病治療にiPS細胞を!保険適用を目指し初の治験。

 

数年前は2016年には始まるのではないか!と言われていたパーキンソン病へのiPS細胞を使った再生医療ですが、もう2年も経ってしまったのですね。

今度こそ、今度こそ!でしょうか。京都大学では、2018年8月にパーキンソン病患者を対象に、iPS細胞を使う再生医療では国内初の臨床試験(治験)をついに始めました!

1例目は2018年の内にも実施されるとのことで、やはり期待が膨らみますね!治験の結果、有効性や安全性(まず、これが一番!)を確かめて保険適用を目指すことになるそうです。

この治験が成功すればiPS細胞の臨床応用にも弾みが付くと言われています。再生医療の課題である“安全性の確認方法”や“コスト”など共通する壁を突破する先駆けになるのではとも考えられているようです。

パーキンソン病は、現段階では治療というか、症状を楽にするには“薬物療法”、”外科的治療”があります。けれど、進行を止めることすらできません。徐々に進行する病気と向き合うには、厳しい状況の時もあります。せめて難病患者の私には、家庭内や経済的な問題を神様が免除してくだされば良いのですが…。

治験対象は50~60代の患者7人。健康な人から作ったiPS細胞を神経の細胞に成長させ、患者の頭蓋骨に穴を開けて特殊な注射器で細胞を深部に注入。その後、2年かけて安全性を調べていくそうです。

この治療法に対しては患者側の意見も様々なようです。運動機能が改善すれば非常によい治療!と喜ぶ声もあれば、脳の手術や拒絶反応などに不安があるという声も。まず、治験の成功が色々な問題を解決してくれるでしょう。

山中伸弥京大教授がiPS細胞を開発して約11年。再生医療の研究開発はようやく臨床応用の段階。スタートアップ企業が民間資金を集めるなど産業化に向けた動きも活発になっているようです。好機到来です!

先日も記事にしましたが、大阪大学はiPS細胞から心筋シート創りました。重症心不全患者の心臓に貼り付ける再生医療の臨床研究が準備段階。2019年以降に治験を実施し、何と3年後には国への承認申請をするとのこと!そして上記の血小板の量産と再生医療の勢いは止まりません。角膜や脊髄損傷なども臨床応用が始まるのは、そう遠くない未来のようです。

まとめ


ただ、iPS細胞を使ったこれらの再生医療では、まだまだ完治は難しいかもしれません。私の心に刺さった『完治』という言葉を軽々しくは使えない…とあらためて実感しました。リスクはあるのです。

今回のパーキンソン病の治験もあるリスクを抱えています。例え、運動症状は改善しても認知機能が低下する恐れがあるそうです。体は動くけれど、認知機能が低下する!それって大きなリスクですよね。

今回の治験では患者に約500万個の細胞を移植するとのこと。移植する細胞の数とがん化する細胞が混ざるリスクは比例するようです。多くの計画で移植細胞の定着を促す免疫抑制剤は必要なようです。

医療の普及に欠かせないものって何?と考えると、高い効果と妥当な費用の実現ですよね。それには臨床応用で明らかになる課題をクリアしていくしかないのでは?と思うのです。どうか、治験が全て良い結果に終わることを祈りつつ。

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