パーキンソン病患者にとって災害時の避難場所は重要!『福祉避難所』を調べてみました。

パーキンソン病

前回の記事で、私たちパーキンソン病や難病患者に対する災害時の対策や、とにかく「薬」、「お薬手帳」、「各種受給者証」だけは持ち出せるように準備しておくことなどに触れました。

その中で『福祉避難所』というものが、通常の避難所の他に確保されていることをご紹介しました。実のところ、私自身も被災した時はどうするべきか?とてもじゃないけれど大勢の人がひしめく場所では、自分が大変なのはもちろんですが、周囲にも迷惑がかかってしまうのでは…?どんなに危険でも、救援物資が届きにくくても自宅で避難するしかないな!と思っていた矢先に見つけたものなのです。

福祉避難所を使用できる対象者は?優先順位はあるのか?など疑問は、まだまだたくさんあります。今回は、福祉避難所についてできるだけ詳しく調べていきたいと思います。

福祉避難所の確保・運営ガイドラインとは?

 

阪神淡路の震災を始め、日本は住民の避難を余儀なくされる災害に幾度となく悩まされてきました。そしてあの東日本大震災は、あらためて自然の驚異を人間が感じた災害だったのではないでしょうか?

また、犠牲者の過半数を高齢者、障害者の犠牲者の割合も、被災住民全体と比較して2倍程度にだったと言われています。

加えて高齢者や障害者といった特別な配慮が必要と考えられる人たちにとっては、災害の直接的な被害だけではなく、避難所で長く生活することを余儀なくされた結果として、健康を害したり、症状を悪化させたケースも見られたようです。

そして、ガイドラインの改定・修正により、地方公共団体や関係機関の福祉避難所に対する理解が進み、確保・設置が推進されること、そして災害時に配慮を要する被災者へのよりよい対応が実現することが期待される。となっています。

平時の取り組みに関しても、シッカリとした方針が決められたようです。災害が起こってからでは、当然間に合いません。各市町村には、平時より『福祉避難所』への取り組みを進めるようとのことです。

❖福祉避難所として利用される施設は?

◆施設自体の安全性が確保されていること。
例えば、耐震性の確保、災害の特別警戒区域外、浸水した場合も一定の期間は要配慮者が生活するための空間の確保など。※要配慮者とは、高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者。


◆施設内における要配慮者の安全性が確保されていること。
原則として、バリアフリーが望ましい。もし、バリアフリー化されていない施設を『福祉避難所』に指定する場合は、障害者用トイレやスロープ等設備の設置などが前提となるようです。


◆要配慮者の避難スペースが確保されていること。
一口に要配慮者と言っても、高齢者、妊婦さん、私たちのような運動障害がある難病患者など、症状や特性は様々です。それを考慮に入れた、避難スペースを確保することとなっています。

上記の条件を満たす施設となると、老人福祉施設(デイサービスセンター、小規模多機能施設、老人福祉センター等)、公共や民間の障害者支援施設等として使われている施設、児童福祉施設(保育所等)、保健センター、特別支援学校、宿泊施設などが挙げられます。

※施設選びのポイントや留意点としては、そのまま「要配慮者」の避難が可能であることにこしたことはありません。けれど、現時点では『福祉避難所』としての機能が充分でなくても、機能を整備することを前提に利用可能な施設として『福祉避難所』の対象施設とする場合もあるようです。

 

パニックの中で「要配慮者」がスムーズに『福祉避難所』に行けるのでしょうか?

 

『福祉避難所』に自然災害が多い日本が、近年ますます力を注いでいるのはよく分かりました。

けれど、ひとたび大災害が起こったら…人間って、それほど冷静沈着に行動できるものでしょうか?確かに、ただでさえストレスに弱い「要配慮者」にとって、有事の際に少しでも穏やかに、安全に過ごせることは素晴らしいことです。

私たち難病患者は、どうやったら『福祉避難所』に行くことができるのでしょう。いえ!それ以前に私たちが災害時に「要配慮者」であることが直ぐに分かるのでしょうか?その避難所を必要としている人数と収容できる人数に無理はないのでしょうか?

❖スムーズな避難に必要なこととは?

◆対象者の把握
まずは、誰でも考えられることですよね。●身体障害者(視覚・聴覚障害者、肢体不自由者等)、●知的障害者、●精神障害者、●高齢者(一人暮らし、高齢者のみ世帯等)、●人工呼吸器、酸素供給装置等が必要な在宅難病患者、については、住所、氏名、身体の状況、家族構成(同居の有無)、介助者が居るのか、緊急時の連絡先、本人の居室の場所、は最低でも調べておくべきだと思います。※情報共有には本人、家族の理解が必要。

けれど、いくらデータ化しても災害時に誰が要配慮者なのか?災害時以外でも首からネームプレートでもかけてない限り分かりませんよね。特に難聴の方、私たち神経難病はオンの時であれば障害者と分かりにくい場合もあるかもしれません。

また、日本は“難病”には本当にいろいろな症状のものがあって、患者はこんな風に困っているということを“隠す”傾向があるように思われます。可哀そうだから…それは、無言の、偽りの差別かもしれません。確かに知られたくない人がいるのも事実ですから声高に言うのも問題があるでしょうが“真実を伝えること”こそ、有事の際の助け合いとなるのではないかと思うのですが…。

◆福祉避難所の周知徹底
いくら良いものを作っても、それを誰も知らなければ役に立ちません!市町村がしなければならないのは、福祉避難所を確保することと、その後それを広く住民に周知させること!それを怠ると誤解を招いてしまいそうな気がするのです。

災害時は、みんながピリピリしています。なぜあの人たちは“配慮”を受けるのか?受ける側、支援団体の方は直ぐに納得してくださるかもしれませんが、住民全員に周知していただくことが大切だと考えられます。

もしも、あらかじめ指定した福祉避難所では不足する場合は、公的宿泊施設、旅館、ホテル等も借り上げて利用することや、約10人の要配慮者に1人の生活相談員等を配置することも決まっているようです。

まとめ

 

静岡県立大学の短期大学部で「静岡市における在宅パーキンソン患者の災害準備に関する研究」というのが発表されていました。それによると在宅パーキンソン病患者の約30%が、災害時の備蓄をしていなかったそうです。

研究では、災害時に家族または本人で避難対応が不可と答えたのはパーキンソン病関連疾患が一番多かったとのこと、このようなことから、薬の備蓄は3週間が望ましいと言われているそうです。

加えて、パーキンソン病特有の症状から、ストレスにより歩行が突然できなくなり、周りと一緒に避難するのは困難ではないか?災害準備に関する支援が必要ではないかとのこと…本当に不安です。

●自分の市のホームページを確認してみました。
約27万人の市で31施設が『福祉避難所』に指定されたいます。避難生活が長期貸した場合に開設されるもので、災害発生時は、まず、指定緊急避難場所(学校・公園等)に避難してください。とのこと。このことを調べなければ見ることのなかったページだと思います。

指定されている施設はどこも安心して避難生活ができそうなところばかりでした。シッカリと調べておかなければ!とあらためて気を引き締めました。

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