パーキンソン病患者の苦しみや病気の実態は、まだまだ理解されていません!

パーキンソン病

パーキンソン病、今の日本では名前だけが独り歩きし、病気の実態はあまり知られていないように思うのは、私だけでしょうか?私は、一体どこが悪いの!病名が分かるまで何度心の中で叫んだことか!

『iPS細胞』の発見以来、「パーキンソン病」という名前の認知度は“物凄く”と言って良いほど上がりました。けれど、パーキンソン病がどのような病気かという説明になると、ある一定の症状…そうです。あのパーキンソン病の代表的な写真。1892年のパーキンソン病患者の姿を伝えるかのように、未だ“4大症状”の辺りで終わってしまいます。

恐らく、医療関係者であっても理解できている人は少ないのではないかと思います。それが医師であってもです。脳神経内科のみが扱える特殊な難病なのかもしれませんが、整形外科、耳鼻咽喉科、循環器内科等の医師も基本的な知識は持っていて不思議はないと思うのです。

医学を学ぶに当たって、専門に分かれる前には“医学の基本”を全員が学ぶものではないのでしょうか?専門的には診れなくても「これは別の科で診てもらった方が良いのでは?」くらいの見当はつかないのでしょうか?それができていれば、私が数年間にも及ぶドクターショッピングを繰り返すことも無かったでしょう。

一人の人間の身体を診療科で細切れ(こまぎれ)に診るから、私たち患者は『ツラい、痛い、食べられない』と訴えても、他の人には伝わりません。挙句の果てに“病院が好き!”、“注目してもらいたい!”などという、見当外れも甚だしいレッテルを貼られることすらあるのです。

そして、鬱々とした日々を送るうちに心療内科に行き、向精神薬で増々発見が遅れる…これは、すみません。ほぼ私の例です。でもパーキンソン病患者の中で同じような経験をされた方はおられるのではないでしょうか?

家族や親しい友人に“パーキンソン病患者”いない限りは、普通に生活していくでパーキンソン病のことを知る必要はありません。ですが、もし、急に「家族が…」「自分が…」パーキンソン病に罹患したら(しないに越したことはありませんが)、日本が難病に関する情報を発信していないかが分かります。

治験等の情報が溢れ返っている状態であっても、パーキンソン病というものの認識は『脳の中で作られるはずのものが、作られなくなって、歩きにくくなったりする病気みたい。iPS細胞で完治するらしいよ(逆に、ここまで分かっていれば素晴らしい!)』くらいでしょうか?特に“非運動症状”に関する認知度は限りなく『ゼロ』に近いかも!

今までも、何度となく書いてきた内容ですが、一般的に言われるパーキンソン病の4大症状は“氷山の一角に過ぎない”ということをあらためてまとめてみたいと思います。

パーキンソン病の4大症状


基本中の基本です。パーキンソン病を語る上で避けて通れない4つの代表的な運動症状。いずれの症状も、症状の強さに左右で差があるのが大きな特徴です。薬剤性パーキンソン症候群などの場合は、両方同時に症状が現れるため、違いが分かります。

(1)手足が震える…振戦(しんせん)
これは、自分がパーキンソン病だなんて思ってもみなかった頃。アレッ!不思議だな~、座ってリラックスしているいるはずなのに、何もしていないのに、体のどこかに力が入っているんです。そして、足のつかない高めの椅子に座るとプルプルと震えます。

寝ていても疲れが取れない、なんてことがありました。それなのに動いたり、歩いたりしていると特に初期の頃は、ほとんどと言って良いほどプルプルしないのです。

(2)筋肉のこわばり…筋固縮(きんこしゅく)
身体の動きがスムーズでなくなります。歯車のように規則的な動きになる歯車現象は耳にすることが多いですよね!もう一つ鉛管様強剛(えんかんようきょうごう、英:lead pipe rigidity※鉛管現象とも言う)があります。

筋強剛の一種で他動的に動かすと、あたかも鉛管を捻転させるようにギシギシと一定的持続的抵抗を感じます。一般的に足関節から症状が現れる事が多く、膝関節、股関節、頚部にも出現します。

(3)動きが鈍くなる…無動、寡動(むどう・かどう)
本当に情けないです。靴下ひとつ履くのに一体何分かかるの?涙が出ます。素早い動作ができなくなるどころではありません!(オフ時ですが)

動きが小さくなったり、自然に手を振って歩くことができなくなります。さらに『水を入れたコップを持って、テーブルに持って行く』というように、複数の行動をしようとすると動きが更に遅くなったり、ピタリと止まってしまうこともあります。次の1歩まで数秒かかることもあります。

(4)身体のバランスがとりにくくなる…姿勢反射障害(しせいはんしゃしょうがい)
軽く押されただけでもバランスを崩してしまいます。私は、引くドアが苦手で後ろに倒れそうになったり(実際冷凍室を開けようとしただけで転倒しました)。一度バランスを崩すと元に戻しづらくなります。進行期に入ったな!と感じますね。

 

4大症状以外の運動面・身体機能面の症状

これは、パーキンソン病患者全員に出現するわけではありませんが、4大症状同様に多くの患者が苦しむ症状です。
●姿勢が、前かがみになり“すり足”で歩く。
●歩き出しの一歩が踏み出せない“すくみ足”。線などが引いてあると歩きやすい。
●歩き始めると、上手く止まれない“突進歩行”。
腰が曲がる、ななめに傾いてしまう(私は右に傾きます)首が下がる等の姿勢異常。
まばたきが減る(私は、ドライアイになるので目薬は必需品です)
●表情が乏しくなる「仮面様顔貌」
●嚥下障害…パーキンソン病が原因で亡くなる人は少ないそうですが、嚥下障害で肺炎を起こすのが危険とのことです。
字の変化…小さくなる。私は、オフ時は手に力が入りスムーズな字が書けません。仕事をしていたt時、電話を取りながらメモ書く…そんなことまで肩に力入り、判読不能な文字に。50肩?なんて笑ってました。

非運動症状はこんなにあるんです !

パーキンソン病は、どうしても身体がクネクネする不随意運動(ジスキネジア)や、ジッとしている時に起こりやすい安静時振戦、または歩行困難のように、健常者がパッと見て分かる患者さん
がイメージされるようです。

前にも何度か書きましたが、パーキンソン病の症状が、この4つだけならどれほど楽でしょう!確かに4大症状は『神の試練』と言っても過言ではありません。自分が思うように身体が動く、そんな当たり前だと思っていたことが、ジワジワとできなくなるのですから…。

パーキンソン病は、最近になってようやく“脳”だけの病気ではなく“全身”に症状がでる病気だと認識されるようになりました。けれど、それは一部の医療関係者だけで、自分の身体の不調に悩んでいる患者側や私たちが、最初に訪れる○○科の先生方にまでは浸透していないように思われます。

例えば、非運動症状の代表と言えば「便秘」「排尿障害」「起立性低血圧」が挙げられますが、私は便秘になる前に過敏性腸炎で「下痢」に、「排尿障害」で浮腫が出る前に「頻尿」に、そして一番最初に感じた異変は「めまい」でした。

他に聞き慣れない症状もあるのです。パーキンソン病になると高い割合で上記のように『自律神経障害』が出現します。

パーキンソン病の極々初期の患者は、運動症状よりも自律神経障害の症状の方が早く、それも数年前から兆候は出ていたのでは?とも思います。

他にも、自律神経障害によって体の表面に多くの分泌物がつく「脂漏性(しろうせい)顔貌。また、「発汗過多」「発汗低下」。たかが汗とあなどるなかれ体温調節機能に影響を及ぼすそうです。

そして喋りにくさ”!これは悲しかったです。人とのコミュニケーションが大好きだったのに“ロレツが回りにくく”なるなんて…。この頃は、カミングアウトもしたし、親しい友人たちは慣れてきてくれてます。

「よだれ」の量が増えています。私は、寝る時に歯を食いしばるため“マウスピース”を忘れないしています。これは信頼している歯科医院で作ってもらいました。パーキンソン病になると、自分ではシッカリ歯磨きしているつもりでもできてなくて“虫歯”のリスクは高いようです。

このブログを読んでくださっている方から、まだまだ足りないわ!パーキンソン病の非運動症状は、まだまだこんなもんじゃない!と言われそうです!

まとめ

パーキンソン病だけじゃなくて、難病と言われるものに罹患している人は同じだと思います。よく◇◇病とは?という特集をメディアが取り上げたりしていますが、メディア目線は何だか違うんですよね。

ここにツラツラとパーキンソン病の事を書きましたが、それでどうにかなるの?と言われれば身も蓋もありません。この病気は、家族であっても患者の苦しみを理解しにくいのです。

病気の実態を伝えていくことで、こういう症状もあるんだ!ということに気づいてあげて欲しい。そしてこんな症状は自分だけ?と悩まないで欲しいです。いつも書いてますが、私の一番の苦しみは痛み!その場所は足の指…そんな小さな場所って笑われそうですが、その痛みハンパないです。

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