他国の製薬会社を買収してまで「パーキンソン病の新薬開発」に躍起な田辺三菱製薬!でも販売地域は米国と欧州って…日本は?


2017年7月に田辺三菱製薬は、イスラエルの医薬品会社「ニューロダーム」の買収手続き開始で合意した、と発表しました。

「ニューロダーム」はパーキンソン病治療薬の開発に強い会社なのです‼現在、欧米で臨床第3相(P3)試験中のパーキンソン病治療薬『ND0621』は、2019年度の発売を目指しています。治験などが米国で行われているため致し方ない❗のですが…、こうも日本は出遅れているのかと愕然とします↘↘

そして田辺三菱製薬は中期計画により『ND0621』の販売が実現すれば、2020年度の米国売上高を800億円としたいとの考えを表明しています。

今回は
①田辺三菱製薬が買収した会社とは?
②パーキンソン病治療薬『ND0621』とは?
について書いていきます。

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田辺三菱製薬が巨額のお金で買収した「ニューロダーム」ってどんな会社?

《ニューロダーム社の概要》

名称:ニューロダーム社(NeuroDerm Ltd.)
設立・所在地:2003年設立・イスラエル国レホヴォト
従業員数:77名(2017年3月時点)
事業領域:中枢神経系治療薬(パーキンソン病等)の研究開発
上場取引所:ナスダック上場

《ニューロダーム社の強み》

*新剤形による新規投与ルートの開拓
*特許の保有(研究開発力)
*既存薬活用による開発リスク低減と開発期間短縮
*患者QOL改善につながる新薬創製
以上の事から、
パーキンソン病のアンメットメディカルニーズ(いまだに治療法が見つかっていない疾患に対する医療ニーズ)に合致した新薬を創り出すことができる。

従業員数だけを見ると決して大企業とは言えないようですが、何とニューロダーム社は、現在は自社開発したパーキンソン病治療薬候補2つと認知障害治療薬候補1つの臨床試験(治験)を欧米で実施しているのです。

そのうちの一つはのパーキンソン病治療薬候補は最終段階の第3相治験に進んでいます。パーキンソン病の患者数は米国で100万人以上、全世界では1000万人を超えると言われています。患者数から考えると桁が違う米国、欧州での開発、販売が優先されるのは仕方がないでしょう…。けれど、私たち患者にとっては、やはり納得がいくものではありません。

田辺三菱製薬によるとパーキンソン病治療薬の現在の市場規模は米国、欧州ともに1000億円。今回のニューロダームの新薬の売上高の目標を2020年度には400~800億円規模としているようです。

私たち日本に対しては、将来❝視野に入れる❞くらいの段階のようです。ちなみに、イスラエルの医薬品ベンチャー企業「ニューロダーム」の買収金額は、約11億ドル、日本円で約1,241億円と発表されました。

パーキンソン病治療薬「ND0612」ってどんな薬?

「ND0612」は、世界で初めてレボドパおよびカルビドパの液剤化に成功しました。私たちパーキンソン病患者が苦しんできた❝オン❞、❝オフ❞から解放される可能性のある『24時間の安定的なレポドパおよびカルビドパの投与』が実現されるかもしれないのです‼

飲み薬という取り入れ方ではなく「持続皮下注投与ポンプ」や「皮膚に貼り付けるパッチ製剤(デバイス開発中) 」によって24時間安定した濃度を保つことができるということのようです。

血中レボドパ濃度が安定すれば、薬の効き目がきれる❝オフ❞や効きすぎる❝ジスキネジア❞の減少が期待できます。今まで経口治療薬であったレボドパおよびカルビドパを液剤化し、それらを携帯ポンプにより24時間持続的に皮下注射する製剤です。

携帯ポンプに繋ぐためにはどのような処置が必要かなどは現時点では分かりませんが、デュオドーパ同様に、ポンプやチューブを清潔に保つ管理は必要かもしれません。

田辺三菱製薬は海外・国内大手と比較した場合企業規模は、やや見劣りするかもしれません。ただ、❝がん領域❞など競合が激しい分野で闘わないのです。世界最大の医薬品市場である米国への足掛かりとして2017年8月より筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「ラジカヴァ」の米国での販売を開始。

そして今回のニューロダーム社の買収により、同社は米国市場においてパーキンソン病やALSと言った着実に患者のニーズに応える分野で、事業を拡大しているのではないでしょうか?

日本での販売は「視野に入れる」ではなく、是非私たちパーキンソン病患者の治療薬・治療法の選択肢を増やしていただきたいと思います。ただ、「ND0612」が日本で承認されるのは遥かかなたのようです。