パーキンソン病の症状『姿勢反射障害』は、少しの油断で転倒の原因になります!

パーキンソン病

まず、パーキンソン病の疑いがある場合の診察では典型的とも言える検査をします。その際、パーキンソン病の4大症状と言われる❝運動症状❞の2つ以上が見られたら、パーキンソン病の可能性があると考えられています。姿勢反射障害は、4大症状のひとつです。

初診の際は患者さんの神経系がどのような状態にあるのかを調べるもので、パーキンソン病特有の運動症状や、非運動症状が出現していないかを、患者さんの目の動きから足のつま先にいたるまでチェックします。

私が、あ~↘↘自分の身体を自分で支えることもできなくなったんだ…と感じた時、また1つ❝進行❞したな😔と思ったことを妙にハッキリと覚えています。そのあたり書いていきます。

ちなみにパーキンソン病患者の方は❝耳にタコ❞状態でしょうが運動症状とは「振戦」、「筋固縮」※パーキンソン病では、ギコギコと歯車の様に感じます(歯車現象)、「無動・寡動」※この時に顔の表情、目や舌の動きなどを診ます、「歩行障害・姿勢反射障害」※つま先から足を出す「すり足歩行」になっていないか、後方に転倒しやすくなる「後方突進」がないかを診ます。

その中でも『姿勢反射障害』は、転倒の原因になりやすい症状です。不安を感じたら『まだ、大丈夫!』などと思わず担当にケアマネに相談してみましょう。症状に合った福祉用具をレンタルするという選択肢もあります。

 

 

『姿勢反射障害』の症状は?原因は?


姿勢反射障害の患者さんの特徴は、立ち上がると少し前かがみになりやすい。少しぶつかっただけでも転倒してしまうなど、バランスをとることが難しくなります。

私も❝オフ❞になると、つい膝を曲げてバランスを保とうとしていることに気づいてハッ!とします。足元がおぼつかない状態になり、つまずきやすくなったり、転倒したりということが多くなるのです😱

足が前に出にくいかと思えば、今度は止まれなくなったりと、健常者であれば働くはずの❝立ち直らせる反射❞が減ってしまったり、消失してしまったりするんですね。私の場合、左足に常に力が入っていて、反対の右足が内側に入ってきます。そして、気付かぬうちに❝かかと❞が上がっているんです。リハビリの間だけでもPTから何度も注意されます。

そして、住宅改修の手すりを付ける時に『便座の前』に取り付けました。オフの時は、便座にドサッと座り込むので、我が家で一番活躍している手すりです。

住宅改修の写真入りの記事はこちらです。⇒クリック

パーキンソン病による姿勢反射障害は、バランス能力が大きく低下します。洗面所で顔を洗おうとして両腕を振り上げただけで後ろに転倒した‼という話もあるようですが、本当に他人ごとではありません。

姿勢反射障害の原因として考えられるのは、脊髄前角から出る下位運動ニューロン、または筋を支配する上位運動ニューロンの障害による痙性麻痺。延髄の延長上に存在する錐体外路系変性障害などです。

パーキンソン病の統一スケールである「UPDRS」とは?


「UPDRS(Unified Parkinson’s Disease Rating Scale)」というのは全く知りませんでした。1987年に発表されたパーキンソン病の統一された評価基準で、4つのパートに分かれています。

パート①: 精神機能、 行動および気分
パート②: 日常生活動作
パート③: 運動試験
パート④: 治療の合併症の合計42の評価項目。多くの臨床研究で用いられており、新規PD治療薬の臨床試験やPDの様々な臨床研究ではほぼ例外なく「UPDRS」の全体もしくは一部の項目(パート③のみなど)が評価項目として用いられているそうです。

姿勢反射障害にPull test(プルテスト)という検査があります。これはパーキンソン病の統一スケールである「UPDRS」の運動機能検査にも入っています。

《姿勢の安定性》
患者は、目を開けたまま、足を肩幅ぐらいに開いてまっすぐ立ちます。その肩を後方に勢いよく引いて後方突進現象をみます。
 0:正常
 1:後方突進あり、自分で立ち直れる。
 2:姿勢反射が起きず支えなければ倒れる。
 3:極めて不安定で自然にバランスを失う。
 4:介助なしでは立てない。

この検査を行う前に、患者さんには『肩を後ろに引っ張ること』、『倒れないよう足を後ろに出すこと』、『1歩を大きく出すこと(ダメならもう1歩出す)』などの注意事項を充分に説明してから実施しなければ危険です。

できれば、スタッフが
デモンストレーションを何度も見せておくと、患者さんもイメージしやすいでしょうね

 

 

姿勢反射障害の対策は?

 

体のバランスがとれなくなって転びやすくなる…この姿勢反射障害は初期にはあまりみられませんが、病気が進行すると目立ってきます。私も一度、電車で見知らぬ人の膝に座ってしまったことがあります😅

パーキンソン病患者は、立っているときは背中を丸めた前かがみの姿勢になりがち。これは背中の筋肉が強くなって、お腹の筋肉が弱くなるためなんです。

背中とお腹の筋肉のバランスが悪くなるので、膝を少し曲げた状態で、前かがみの姿勢になって崩れたバランスを修正し、立っている状態。

病気がさらに進むと、体が斜めに傾くこともあります。これは、私も経験済みで、お薬合わせ(アゴニストの変更)でマシになりました。パーキンソン病の治療には❝薬❞と同じくらい❝リハビリ❞が有効です。

良い理学療法士(PT)に巡り合った私はラッキーかもしれません。ただ、結構厳しいです‼通所リハビリが週に2回、訪問リハビリが週に1回のペースです。今は、このペースがベストですね😀

片手、片足を上げる基本のストレッチは自分でもできるので、オリジナルのメニューを考えてきてくれます。私が弱いのは「腹筋」、「股関節の固さ」、「足首の固さ」、「呼吸が浅い(余計に腹筋が弱くなる)」だそうです。

今、訪問リハビリのPTが工夫してくれているのが❝腹式呼吸❞です。ヨガマットに横になった私の背中に手を入れます。そのPTの手を押す感じで息を吐きます。手の位置は、少しずつ変わります。

これが、難しいんです↘↘シッカリと息を吸って、腹筋を使いながら手のある所に向かって息を吐き切る‼一か月かかって、ようやくコツがつかめてきた感じです。体中がポカポカです。その後に❝片足立ち❞をすると、少しタイムが伸びます。体幹+腹筋を鍛えると反射は良くなるかもしれません。

それと、❝かかと❞にキチンと荷重をかける。PTが足を上げようとするのに逆らって❝かかと❞をピッタリと床につけます。それを左右10回ずつするのですが、これも結構きついです。

一度転倒して骨折!などということになると、ますます身体が動かなくなります。薬とリハビリで「姿勢反射障害」を何とか乗り切りましょう‼進行性の病気ですから、しのいでいくしかありません❗でも、何もしないよりは効果はあるはずです。くれぐれも無理のないように。

 

 

 

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