パーキンソン病は『うつ』を併発する可能性も!精神科と心療内科は違うのでしょうか?

パーキンソン病

近頃、本当によく目にする『こころのクリニック』的な綺麗なロゴが描かれた病院。ここって何屋さん?と思うほどオシャレだったりします。パーキンソン病は、“うつ症状”や“レビー小体型認知症”を発症するリスクも高い病気です。

そんな時、精神科と心療内科のどちらを受診するべきなのでしょうか?二つの“科”に明確な違いはあるのでしょうか?ただ、精神科⇒心療内科⇒こころのクリニックと名称の違いで患者が受診に踏み切る「ハードル」の高さは随分違ってくるように思います。※名称の違いだけなら…。

精神科と心療内科は違うのでしょうか?そもそも、診る病気自体が違うのでしょうか?今回は、そのあたりについて調べていきたいと思います。

パーキンソン病には『抑うつ』『不安』が現れやすいようです。

 

『不安』や『抑うつ』といった症状は、他の慢性疾患に罹患している患者に比べ、パーキンソン病(PD)患者で多く認められるという検証結果から、これらの気分障害はいずれもパーキンソン病と関連しているのではないか?と言われています。

パーキンソン病患者が『抑うつ』や『不安』症状を発症するリスクは約60%とも報告されています。ただでさえ進行とともに運動障害がキツクなってくる上に、さらに感情障害まで…

おそらく想像以上に私たちのQOL(生活の質:Quality Of Life) に大きな影響を及ぼすのではないかと思われます。パーキンソン病患者に現れる『抑うつ』『不安』には、いくつかの特徴があるようです。

抑うつ、不安が「オフ」の時にだけ見られる場合は、ドーパミン作用薬を調整することで、これらの気分障害を改善させることができるそうです。

ただ、『うつ病』を発症し“抗うつ剤”が処方された場合(※これは、私も経験済みで、記事にも断薬で何度か取り上げています)、併用禁忌となる“パーキンソン病治療薬”もあるのです。本来、パーキンソン病の症状を緩和できるはずの薬が飲めない!という事態が発生します。

他にも『うつ』や『不安』のために患者自身が主治医の診断や服薬が受け入れられなくなる。⇒適切な薬物治療ができず、パーキンソン病症状が悪化する。⇒さらに『うつ』が悪化という悪循環を引き起こしてしまう可能性もあるのです。

まだまだ問題は、たくさんあってパーキンソン病と『うつ病』が両方適切な治療が受けられるよう、精神的な部分は、その専門分野と脳神経内科が連携を取りながら患者を診ていく必要があると思います。※これは、私自身が“抗うつ剤の断薬”などで実感したことによります。
 

『精神科』と『心療内科』の違いって何?


今はもう使われなくなった名称ですが、元々神経に関することは「神経科」で診療していたそうです。パーキンソン病などの神経疾患も統合失調症やうつ病などの精神疾患も全て「神経科」だけでカバーしていたそうです。

その後、内科的な神経疾患を診る科が『神経内科』になり、それ以外が『精神科』に別れたとのことです。一方、『心療内科』は内科から生まれました。何と『心療内科』は、内科の一部という事になるんですね!

❖心療内科で扱う病気は?

心療内科と精神科の違いで“キーワード”になるのが「心身症」のようです。患者さんは身体に違和感を感じているのに、検査をしても結果は“異常なし”と出るようなケースですね!

例えば、災害や失業、いじめなどによって強いストレスを受けた時に、胃潰瘍や急性胃炎などの疾患だけでなく、同時に気持ちの落ち込みや不安などの症状も現れることは少なからずあると思われます。

そういった、内科の疾患で患者さんの心理的な要因が絡んでいる場合は、心身両面からアプローチ(治療)していくことになります。そこで『心療内科』が、体の症状と心の症状をフォローすることになるのです。

他にも、内科にかかっても原因が分からないのに、咳が止まらない、慢性的な倦怠感や疲労感がある、摂食障害を繰り返す、睡眠障害、自律神経失調症など、多くの悩みを抱える患者さんへの対応が求められるのです。

❖精神科で扱う病気は?

精神科では、抑うつや不安、不眠、幻覚・幻聴等、精神疾患を主に扱います。“心の病”ですね。よくある悩みに「不眠」があります。この不眠に、何か引き金となるような出来事があった場合(※転勤、結婚による環境の変化など)は『心療内科』の範疇(はんちゅう)です。

一方、特に引き金となるような出来事もなかったにも関わらず、眠れない上に、不安やイライラ、気分の落ち込みも…といった場合には『精神科』の受診が適切ということになります。主に精神・心に対してのアプローチ(治療)です。

身体症状は何もないのに、幻聴や妄想が出現する場合、うつ病によって出現した食欲低下やめまいなどは、『精神科』の範疇と考えると分かりやすいかもしれません。

アルコール依存症・うつ病・強迫性障害・摂食障害・双極性障害・総合失調症・薬物依存症・パニック障害・不安神経症・PTCD・認知症などがあります。

まとめ

 

では、『精神科』と『心療内科』のどちらを受診すれば良いのでしょう?私は、心療内科から精神科に転院しました。パーキンソン病の主治医が「大丈夫?ハードル高くない?抵抗ない?」と随分心配をしてくださいました。特にその病院は入院設備も整い、臨床心理士、精神保健福祉士も常勤しています。

精神科の院長の笑顔が、難病に罹患して“死にたい”とまで思いつめた私の心をユックリととかしてくれました。感謝してます。

ほとんど(と言って良いのか?)の「心療内科・精神科」の看板(?)を掲げているクリニックでは、精神科医が対応しているため、主症状が精神症状である疾患は、すべて対応できることになりますから問題はないと思われます。

ただ、『精神科』と『心療内科』とは厳密には違うことも頭の隅に入れておくと、受診するさいの参考になると思います。私は、こうやって調べるまでボヤ~ッとしか理解できていませんでした。

最近は病院のホームページで、医師が自分の資格を載せているところが多いですね。心療内科クリニックとなっていても“精神科医”の資格を持っているクリニックであれば幅広い精神症状に対応してもらえます。チェックしてから受診するのも良いかもしれません。

時おり「内科・循環器科・心療内科」と書いてあるクリニックの場合は、内科の医師が不眠症や抑うつなどのメンタルケアを行っている場合があるようです。まず、チェックですね!

ただ、この紛らわしさは何とかならないものでしょうか?心のツラさや痛みは他人には中々理解してもらえません。それが、パーキンソン病などという難病と併発すれば、ツラさは何倍にもなります。私は、良い先生に出会うことができて、ラッキーだったと思っています。一人でも多くの人が信頼できる医師と出会えることを願います。

コメント

  1. 久美子 より:

    良い先生に巡り合える事の大切さは痛感します。信頼関係が築けていると、先生の(大丈夫!)の一言でも症状が改善するときがあります。
    そう、話すと家族らが、やっぱり(病は気から!)と言います。
    私:(違うんだなあ~;この微妙な辛さ分かって貰えないなあ~)
    心の中で思います

    • コメントありがとうございます。そうなんです!まさに信頼できる先生の「大丈夫」の力は絶大です。その先生が年齢のせいもあるのか(仕事もある意味で激務ですし…)体調を崩され、前回の診察は代診の先生でした。薬も激減し、すっかり落ち着いていると思っていたのに、違う先生が…。暫くの間、話すことができなりました。ゴメンなさい。私の愚痴を聞いてもらうことになってしまいました。

  2. 久美子 より:

    そんなことないです。こちらの方が、ご迷惑になるようなコメントしかできなくて…
    誰かに、一方的にでも愚痴聞いてもらえることは、ほんと楽になれます。
    パーキンソン病と診断されたとき、命にかかわる病気ではないと言われました。生死の不安の病気の方のことを思えば、口に出してはいけないと自分に言い聞かせ
    (死なない病気?、いいえ、死ねない病気です)
    この状態で、自分はいつまで生きなければならないんだろう?と不安になります
    でも、周りの心配してくれてる人、気遣ってくれる人の事思うと尚更、言えません。

    • 私もこのブログで何度か書いている、と言うか言っている?言葉に「それでも、私は生きているのです」というのがあります。治療法がない!進行性?今でもまだ“何で私が?”って往生際の悪い事を思ってます。来年はどうなってるんだろう?明日、目が覚めたら、長い夢かもなんて…。不安は、口に出しても良いかもしれませんよ。心がパンクしてしまいます。

  3. 久美子 より:

    ありがとうございます。そうすることで少し楽になっていいんですね

  4. イトマリ より:

    いつもブログ読ませてもらってます。父がパーキンソン病と診断され3年目になります。先生が変わって何にもせん!今の先生は怒というように。体重減少、からだのこわばりなど症状が不安のようでなんとか笑える日を増やしてあげたいと奮闘する日々です。

    • 優しい娘さんでお父様は、お幸せですね。体重は減少する場合が多いです。私も同様です。やはり、絶えずどこかの筋肉が緊張状態にあるようです。夜も頻繁に目が覚めたりしますもんね。不安な気持ちを出すことができる相手がいる!それだけで、お父様の気持ちは少し癒されてると思います。

      奮闘しすぎて貴方が疲れてしまわないようにしてね!心配です。主治医が変わるのは不安です。人間ですから相性もあります。どうしても主治医と合わなければ、病院と相談しても良いと思いますよ。次から次へというわけにはいきませんが、それは我儘とはチョッと別物だと思います。

      キッと貴方の気持ちが病院側にも届くと思います。私も転院しましたから!随分明るくなったと周囲から言われます。介護認定を受けておられたら担当ケアマネにも相談してみましょう!知恵袋になってくれるケアマネさんなら良いアドバイスがもらえるかも!

      コメントありがとうございます。私にとって何よりの励みです!

  5. ユリ子 より:

    おはようございます。朝からちょっと愚痴を…💦このところ趣味の編み物も停滞気味。こんなもの作ってどうする?と😥
    身体もこの長引く梅雨のせいか、それとも悪化しているのか不調です。気持ちを上げていかないとますます良くないってわかっているのですが。日中一人で過ごしていると良くない事ばかり。気晴らしに出掛けようかと思うと身体が痛くて断念…夕飯食べながら涙が止まらず主人に言葉のない訴えを…
    もっと難病で大変な方達がいると思うとこんな事ばかり言ってちゃいけないと思うのですが。何とか自分で自分を奮い起たせていかないと❗️と、メールを打ちながら今日も1日自分の身体と戦ってがんばってみます。

    • コメント、ありがとうございます。愚痴らない日ってあるでしょうか?クヨクヨしないで暮らせる日って来るんでしょうか?昨日、銀行に行った帰りに水分補修をしようとして、キャップを回したのですが思いのほかカタくて…。すると、側にいた女性が開けましょうか?と親切に声をかけてくださいました。私は、自分が情けなくなりました。咄嗟に大丈夫です!と申し出を断ったのです。せっかく声をかけていただいたのに。なんだか、キャップを開けるだけの仕草でも難病だと(何かしら手を差し伸べる必要がある人)だと分かるんだということに凹み、周りの好意さえ素直に受け入れられなくなっているのです。一日闘おう!凄いです。私も頑張ります。少し凹みかたが小さくなったかも!です。またコメントお待ちしてます。

  6. ユリ子 より:

    返信ありがとうございます。闘うなんて、カラ元気に言ってるだけで、実際のところは😣😫😭💦の連続ですが…でも昨日大量の涙が出た為か、今日は少しだけスッキリしている気がします。たまには我慢しないで泣く事もいいのかな?…またお便りさせてください🙏いつもありがとうございます。

  7. 荒木静江 より:

    私も最近涙もろくなりました。
    痛み、痺れ、身体中のキシキシ感、などなどがいくらか
    薄らいでいきます。
         このページへの共感にまた感謝の涙!    SHI

    • コメントありがとうございます。本当に“ありがとう”の言葉しかでてきません。最近、進行を強く感じるようになって…。でも、担当の理学療法士によると一つ一つの課題(片足立ち、前屈など)はこなしているのに、と言われ。担当医や療法士から睡眠時間や作業時間の悪さ、運動不足などウジャウジャと指摘され、それはそれで落ち込みまくり。「考えても仕方がないことを考えるほど無駄なことはない」みたいなことを言われ、そんなん分かってるわ、とふてくされ。ゴメンなさい。結局いつもコメントいただいて、私が愚痴るんですよね。この病気になってツラいこともイッパイイッパイあったけれど、気付かされたこともイッパイイッパイあって、ホント感謝ですよね。涙涙です。

    • ユリ子 より:

      日々の病気の痛みや苦しみ。周りの人にはとうてい理解してもらえない。辛いです💦ここに来させて頂く事で少しの安堵とエネルギーをもらえています。まさに心の拠りどころ…感謝です( ;∀;)

      • ありがとうございます。この数か月、コムタンの徐放剤のオンジェンティス服用のためスタレボからマドパーに変更。コムタンを抜いてみることに!そして、先週からオンジェンティス服用開始。その代わり、長年服用してきたトレリーフを断薬。薬が変わるたび、副作用の不安がよぎります。ホントにツラいですよね( ノД`)シクシク…ツラいときは、友人の調子はどう?という優しいメールにも落ち込む自分。調子が良いってどんな時?なんて心の中で。どれだけいろんなことをスルーできるか!!それしかないのかな?この病気と生きていくには?なんて、最近気圧のUP、DOWNが激しいせいか痛みも強く完全にネガティブ状態。ネット販売だけが好調です。頂いたコメントで私の方が助かりました。情けないです。

  8. ユリ子 より:

    普通の生活が出来る人、うらやましいですね。こんなことすら簡単に出来ない、不安が常に付きまとう。少しの外出がどれだけ大変か…情けないなんて!私の希望の星です。でもあまり無理せずに…色んな事にチャレンジされていてきっと疲れもあるかもしれないですね。薬の変更も果敢に挑戦することもすごいです。でも、本当に無理せずに…。薬が落ち着くまで大変ですね😣

    • 本当にありがとうございます!今日は、神様がいるかのようです。遠い地区のパーキンソン病友の会の会員の方からもコメントが来てました。以前、 私が書いたレポドパの徐放剤の開発の記事があるのですが、それを兵庫県支部が機関紙に掲載したところ他の支部でも既に動きがあったり、その記事について丁寧な解説とリンクがはられていたり。こうやってコメントに返信できたり、私のつたない記事、文章でも読んでくださる…ありがたいことです。進行期に入った頃は(今もですが)自分が存在する意味があるのだろうかと毎日かんがえてました。私が外の世界へ踏み出すキッカケを作ってくださった方が入院中。その方が中心となって活動している卓球の会があります。今月からまた30分電車に揺られ、卓球通いです。コロナでスッカリ体力も落ち(コロナのせいだけじゃないのですが)、三時間運動を続けるとヘロヘロ。こりゃ頑張らねば!と痛感しました。ただ、チョッとやり過ぎましたね。段々と気力が戻ってきましたが無理しないようにいたします。

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