パーキンソン病と『悪性症候群』の関係は?


『悪性症候群』という言葉を初めて聞いたのは、日本で悲惨な災害が起こった時のニュースだったかもしれません。避難所生活を余儀なくされた場合、パーキンソン病のような薬が切れると大変な難病の患者さんは悪性症候群を発症するかもしれない…そんな言葉が耳に残っています。

それから、具体的に『悪性症候群』について調べずじまいになっていました。けれど、最近頻発する自然災害等のニュースを観るにつけ、私たちパーキンソン病患者が、もし非難する際に薬を持ち出せなかったら…。

『悪性症候群』とはどういうものなのか?今回は、そのあたり書いていきます。

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『悪性症候群』とは?症状は?

大きな勘違いをしていました。私は、パーキンソン病患者が何かしらのトラブルで薬を服用できなくなった時にだけ起こるものだと思っていたのです。

『悪性症候群(NMS:Neuroleptic Malignant Syndrome)』とは

向精神病薬の副作用の1つなのです。そして、ほぼ全ての向精神病薬で『悪性症候群』が起こる可能性があるのですが、適切に服用していれば通常は発症するものではないようです。

ただ、頻度としては❝稀❞とは言え、重篤な状態に陥る危険性があり、命に関わる場合もある❝見逃してはならない副作用❞なので知っておく必要はあると思います。

治療には『薬』は欠かすことができません。その薬には、まず必ずと言って良いほど❝副作用❞があります。ただ、吐き気や頭痛といったものではなく命に関わるとなると、「薬の有難味」を日々感じているパーキンソン病患者としても怖さも感じずにはいられません。

『悪性症候群』ではどのような症状が生じるのでしょう?

《代表的な症状》

*発熱:38度以上※37度程度のこともあるので要注意!
*意識障害:意識がボーッとし、呼びかけに反応しなくなる。せん妄や昏睡状態になることも。状態はかなり悪化していると言えます。

*錐体外路症状:身体機能の障害です。筋肉がこわばる、手足の痙攣、嚥下障害、喋りにくいなど。

*自律神経症状:血圧上昇・頻脈⇒循環器や血管にダメージ(※悪性症候群による合併症)、脱水症状など。
*横紋筋融解症:筋肉組織の障害です。筋肉痛・腎障害など。

『悪性症候群』が、どれだけ恐ろしい副作用か…想像以上です。上記の症状が全て起こることは、まずなくていくつかの症状があてはまれば診断が下ります。

『悪性症候群』の原因は?

厚生労働省のマニュアルでは「悪性症候群の原因は充分に解明されていない」となっているそうです。現時点では、脳内の神経伝達物質ドーパミン神経系の受容体の作用を急激に遮断するためではないかという説が有力‼

また、別の説ではドーパミン受容体遮断によって別の神経伝達物質であるセロトニン系の機能を亢進させるのではないか…とも言われています。

この症状を引きおこす可能性のある薬の多くが、ドーパミン受容体遮断作用を持つ『抗精神病薬』であることから、抗精神病薬の副作用と言われていますが、実は他の薬でも悪性症候群が起きているのです。ですから、厚労省は❝解明されていない❞としているのですね‼

ただ、薬の副作用であることは確かなようですが、投薬直後の場合もあれば、投薬を中止したことで発症する場合など悪性症候群を発症するタイミングも人によって違うようです。

【悪性症候群を引き起こすリスクの高い薬】

*抗精神病薬
脳内のドーパミンがが過剰に分泌されるのを抑制する薬です。

*抗うつ病薬
抗うつ病薬には様々な種類がありますが、共通していることは脳内のモノアミンという神経伝達物質に作用するということです。

*抗不安薬
抗不安薬は不安を和らげる効果の他、筋肉を緩くする(筋弛緩作用)、眠りを促す(催眠作用)、痙攣を抑える(抗痙攣作用)といった効果もあります。

*パーキンソン病治療薬
私たちパーキンソン病患者なら誰でも知っていることですが…神経変性疾患の1つ。脳内のドーパミン量が減ることで起こるとされています。悪性症候群はこのパーキンソン病治療薬を服用することで発症することがあります。パーキンソン病治療薬ではドーパミンの分泌量を多くする働きがあります。

*制吐剤
その名の通り、吐き気や嘔吐を止めるための薬。他の病気の治療で服用した薬の副作用で嘔吐してしまう場合などに、この制吐剤を服用することで、症状を緩和します。

上記の薬を服用することで、悪性症候群のリスクはありますが、発症率は0.07~2.2%といわれています。ということは、10,000人で7~20人程度‼

悪性症候群は確かに恐ろしい副作用ですが、それを恐れて医師の指示通りに処方された薬を飲まない方が病気自体が悪化する可能性が高くなります。必ず医師の処方通り服用しましょう!

パーキンソン病患者は『悪性症候群』には、やはり要注意!

パーキンソン病治療の中心になるのがレポドパなどの「薬物療法」です。薬を飲まなければ、動くことすらできません。いろいろな副作用もありますが、この『悪性症候群』という副作用もシッカリと認識しておく必要がありそうです。

パーキンソン病で悪性症候群が発生する原因となるのが、パーキンソン病治療薬の急激な中止、減量、さらには薬を飲むのをやめたり再開したりという急激な服用による副作用です。症状としては上記の通りなのですが、原因として考えられているのが、ドーパミン受容体が遮断されることによるものです。

また、上記の症状以外にもパーキンソン病特有のジスキネジアや振戦、眼球がグルグル回る、舌が異常に動く、体が曲がってしまうといった症状も出るようです。

パーキンソン病患者で、悪性症候群の副作用を知らず❝風邪をひいたから❞とか❝胃腸の具合が悪い❞などの理由で、自己判断で薬を突然飲まなくなってしまったりした場合などに、ごく稀に「悪性症候群」を発症してしまうことがあります。

患者本人が、体の異常に気付いて救急車が呼べれば良いのですが、それができない状態であれば、家族が迷うことなく救急車を呼びましょう‼病院で緊急に治療を受けなければいけません。それも一刻を争います

実際に災害が起きて、避難所生活になった場合に私たち難病患者の薬はどうなるのでしょうか?カバンにストックを入れてはいますが数日しかもちません。パーキンソン病の薬を万が一の場合に備えて余分に処方してもらえるのかも分かりません。

第一に、パーキンソン病は進行性の病気ですから服用している❝薬❞は変わっていきます。今回、悪性症候群を調べてみて不安がつのりました。次は、そのあたり調べてみたいと思います。


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