パーキンソン病とPT(理学療法士)との関係は?PTと柔道整復師との違いは?

パーキンソン病

前回『かかりつけ薬剤師』を取り上げた際、“医療従事者”という言葉が出てきました。薬剤師だけが医療従事者なのでしょうか?では、他にどんな仕事があるのでしょう?また、私たちパーキンソン病患者と“医療従事者”との関わりはどのようなものなのでしょうか?

医療従事者とは、読んで字の如し医療業務に従事する者のことです。また、最近ではコ・メディカル(co-medical※和製英語)といって、医師や歯科医師の指示の下で業務を行う医療従事者を分けて呼んでいるようです。コ・メディカルスタッフは、2010年厚労省により「チーム医療の推進に関する検討会」の報告がまとめられました。

医療に携わる人というのは、病気や障害を持った人に、自らの知識と技術を行使し、その人がその人として生活できるよう手助けする職種だと言われています。「病気を診ずして、病人を診よ」とは、パーキンソン病という難病を抱えた私たちには、ジーンとするような言葉ですよね。

 

医療従事者で「国家資格」となっているものは?

 

医師】…厚生労働省
まず、一番に思い浮かぶのがこの資格ではないでしょうか?受験資格は一般的に大学の医学部医学科で6年間学習した後、受験することができます。

歯科医師】…厚生労働省
一般的には、歯学部で6年間学習し卒業することで受験資格を得ることができます。

看護師】…厚生労働省
病院などの医療機関などで患者の毎日のケアや医師による医療行為の補助、サポートを行います。今、転職に困らない職業№1と言っても過言ではないかも!女性の人気はもちろん、男性も増えてきています。

理学療法士
私たちパーキンソン病患者は一度はお世話になっていると思います。PT(Physical Therapist)という呼び名の方が定着しているかもしれません。介護が必要な状態になる前に身体機能の低下を防ぐ予防リハビリ、さらに訪問リハビリなど需要は伸びてきていると思われます。

作業療法士
作業療法士もパーキンソン病のリハビリには欠かすことのできない存在です。OT(Occupational Therapist)のほうがシックリきますね。作業療法士の仕事は、理学療法士と似ているのですが、主に身体障がいのある人のリハビリを行います。

言語聴覚士
オフになると小声になったり、嚥下障害が出てくるパーキンソン病では言語聴覚士の指導も大切です。ST(Speech-Language-Hearing Therapist)により、話す、聴く、摂食・嚥下などの生活に必要不可欠な能力のリハビリが行われます。

他にも、薬剤師、助産師、管理栄養士、社会福祉士、精神保健福祉士、臨床検査技師、診療放射線技師、臨床工学技士、歯科衛生士、義肢装具士、歯科技工士、救急救命士、視能訓練士、等があります。

保健医療の分野では、国家資格であるあん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、はり師・きゅう師、介護福祉士などが活躍しています。

❖国家資格でなくても医療の分野で活躍する人たちは数え切れないほど!ほんの、ほんの一部ですが。
医療事務士、病歴記録管理士、医療事務実務士(1・2級)、介護事務、介護保険請求事務者、調剤薬局事務、看護助手、メディカルケアワーカー(R)、歯科助手、透析技術認定士、在宅ケア療法士、置き薬販売士

消化器内視鏡技師、臨床発達心理士、心臓リハビリテーション指導士、認定補聴器技能者、音楽療法士、手話通訳士、福祉住環境コーディネーター、医療コンシェルジュ資格など

理学療法士(PT)と柔道整復師のどちらも国家資格、マッサージや電気治療など私たちの身体に施術する内容も似ています。でも、介護保険を使うリハビリ施設や病院でPTは大勢見かけますが、柔道整復師さんを私は見かけたことはありません。

逆に、○○接骨院などという保険が適用される診療所は、そこここで見かけますがPTさんが開院している○○リハビリ医院?とかは見かけたことがないような…※これは、あくまでも私個人の見解です。

 

理学療法士と柔道整復師はどこが違うのでしょう?

PTと柔道整復師は、どちらも医療系国家資格です。どちらも怪我や障害を改善に向かわせるという点ではにていますよね。じゃあ、同じようなものなの?というと、やはり違いはあるようです。

柔道整復師:柔道整復術を用いて、骨折や脱臼、打撲、捻挫などのケガや障害を、自らの手技で治療することができます。

理学療法士運動療法(私たちパーキンソン病患者が一番頼りにする部分です!)をはじめ、電気刺激や温熱、寒冷、水などの物理療法を用いて事故や病気から起こっている身体的な機能障害を改善方向に導いていくことができます。

理学療法士と柔道整復師の明確な違いは?

①直接医療行為が行えるか、行なえないかの違い。
柔道整復師は、自ら患者さんを診察・診断を行い治療を施すことができます。(直接医療行為が認められているのは医療系でも少数です)ただ、あくまでも応急処置の範囲です。
接骨院に行かれたことのある方ならご存知ですよね。窓口で健康保険証を出し、柔道整復師さんが問診をして電気をあててくれたり、手技で痛いところを矯正してくれます。病院の院長先生といった感じです。当然、領収書は医療費控除の対象になります。※骨折・脱臼の際は医師の指示が必要です。

あくまでも応急処置を行うという役割を担い、打ち身や捻挫など限られた範囲に対処する職業ということです

理学療法士は医師の指示により治療を施します。自らの判断では動けません。ただ、私も週に2回訪問リハビリに来てもらっていますが、毎回バイタルチェックも欠かしません。そして、その日の体調など細かく聞き、運動量の調節はしてもらってます。

つまり、理学療法士は、医師の指示の下、医学的アプローチから患者様の怪我や病気によって低下した身体機能の回復を目指し、リハビリをすることで、座る・立つなどの生活の基本動作や運動能力の回復などをサポートしてくれます。

②開業権があるか、ないかの違い。
そうです。これは大きな違いですよね。柔道整復師には整骨院・接骨院を開業できる権利が認められているのに対し、理学療法士には開業権がありません。その他、健康保険の請求が柔道整復師はできるが、理学療法士はできない、などの違いもあります。

 

まとめ

 

私たちパーキンソン病患者にとっては、薬とリハビリは車の両輪のようなものです。リハビリ担当者とは二人三脚で病気と向き合っていかなければなりません。

ですから、PTとのコミュニケーションはとても大切です。自分が、限られたリハビリの時間の中で、どうしていきたいのか、何を目指したいのか親身になってくれるPTに恵まれることは、ありがたいことです。

無理は、禁物ですが最大限の効果を上げられるように努力してくれている担当PTに感謝です。柔道整復師さんの開業する接骨院・整骨院も健康保険が適応されますから、患者本人がどちらの方がより自分に合っているかを選択しても良いと思うのです。

私は、通所リハビリをやめて、健常者と一緒にストレッチ教室に通っています。そのトレーナーの資格は国家資格ではなく民間資格です。けれど、私を快く迎え常に目を配り、気を配ってくれています。自分が心地よくなれるところ、この厄介な難病と向き合っていこうと思えるトレーナーに巡り合いたいものです。

それが、たまたま理学療法士かもしれません。また柔道整復師かもしれません。なんでもやってみないと分かりませんから。ふたつの資格の違い!分かっていただけましたでしょうか?最近では、両方の資格を取る人もいるそうです。

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