「パーキンソン病の治療-今できること、これからのこと」医療相談会に参加してきました!

パーキンソンン病の治療の展望

私が住んでいる地域では、難病や障害者に対する“もう1歩進んだ対応”というものがありません。人口は約27万人。決して都心部とは言えませんが、大阪へは1時間もかかりません。

けれど『ないものはない』ほど充実した福祉活動というものは無く、言葉は同じでも『ないものはない』のだから諦めて有る所に行くしかないと思うようになってきました。でも、ものは考えようです。近くに無いおかげで、何とかして外出する(できる)ようになったのですから。

今回の医療相談会は7月1日(日)でした。この日は、午前中に所用が入り午後1時からの医療相談会に間に合うかギリギリでした。何もそこまでして…と言われそうですが、この日の講師は関西では有名な「刀根山病院」の神経内科医長とのこと!これを逃すと刀根山病院の先生の話を聴く機会は、なかなか無いような気がして頑張りました。

結論から先に言うと、行って良かったと思います。午後1時から4時までの3時間がアッ!という間でした。まだまだ聞きたいことがあるのに~!そんな有意義な時間でした。

 

ここで、チョッとだけ「刀根山病院」について触れておきます。


この病院の対象疾患は幅広く、パーキンソン病、進行性格上性麻痺(PSP)、 大脳皮質基底核変性症CBD、脊髄小脳変性症、多系統萎縮症(線条体黒質変性症)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)脊髄性筋萎縮症球脊髄性筋萎縮症重症筋無力症(MG)、多発性硬化症・視神経脊髄炎、ハンチントン病、ミトコンドリア病、ギラン・バレー症候群、進行性筋ジストロフィー、筋疾患 多発性筋炎、髄膜炎・脳炎スモン、認知症、正常圧水頭症、睡眠障害、ジストニア…※すくみ足の方の多くが睡眠時無呼吸低呼吸を合併していることが多いというのは初めて聞きました。

◆すくみ足外来

問診・診察。なんと憎っくき「すくみ足」の方の多くが睡眠時無呼吸低呼吸を合併しているそうなんです。
最初の一歩を出す指導が受けられるそうです。

◆パーキンソン病の生体リズム障害に対する治療

「高照度光療法」って、もうずっと前に、たけしの番組で取り上げてたのを記憶してます。その病名は“冬季うつ”でした。

一日のリズムは太陽の光や、食事、睡眠といった外的な要因も影響するそうです。この高照度光療法でパーキンソン病の改善・コントロールを目指すとのことです。

◆パーキンソン病リハビリテーション

LSVT(Lee Silverman Voice Treatment)®BIGも取り入れています。
そのリハビリ内容を以前の記事で詳しく書いたことがあります。記事はこちら⇒クリック

外来新患者数:約650名/年程度、神経難病病棟70床、筋ジストロフィー病棟80床、パーキンソン病専門病棟26床。入院のべ人数:約1300人/年、神経難病700人、筋ジストロフィー320人って凄いです。

医療講演・相談会で印象に残ったこと!


●レポドパが効かない=パーキンソン関連疾患だと思っていました。質問された方への回答で「パーキンソン病であっても、まれにレポドパが効かない患者さんもいますよ」とのこと。勉強不足でした。レポドパを服用すると返って調子が悪くなるようなら、アゴニストで様子を見るのが良いようです。

●パーキンソン症状で“斜視”が出ることがあるそうです。これも知りませんでした。ただ、パーキンソン病の場合、常にその症状が出ているわけではないので気づくのが遅れる傾向にあるようです。プリズムメガネなどで対処するそうです。

●休薬療法
これも初めて聞きました。ドラッグホリデーとも言うそうです。日本でも実際に行なっているのは刀根山病院だけかもしれません。※その辺り、詳細なデータはありません。

私たちパーキンソン病患者にとって“薬”は命綱です。それを休薬するなんて!と思いますよね。このドラッグホリデーは、悪性症候群などを出現させないように慎重に行わないといけないようです。※当然ですが。

私たちの身体には“慣れ”のようなものができるようです。それでレポドパの効きが悪くなってしまう。そこで4日程度だけレポドパだけを休薬するそうです。ドーパミンアゴニストは残します。非ドーパミン系のシンメトレルやアーテンなどは逆に一時的に増量し運動機能を保つようにする。

そうすることで、レポドパの効きが少し戻るそうです。パーキンソン病の場合、100%の状態は求めないように!と主治医に言われます。7~8割程度でリハビリと組み合わせながら、良い方向に持って行くぐらいが理想的なのだそうです。

今回の講演会でも『今できること、残っている神経を大切に使いましょう』と話されてました。本当にそう思います。

●デバイス治療について
DBS(脳深部刺激療法)、デュオドーパが主流かと思われますが、向き不向きはあるのですか?という質問に対しての回答は、逆に向かない人という形で返ってきました。
DBSに関しては、精神疾患が強い人。デュオドーパに関しては、認知が進んだ人。という回答でした。どちらを選ぶかは、患者本人に決定権があるようです。

ただ、私自身はまだ、詳しくデバイス治療について説明を受けたわけではないので、上記はあくまでも急ぎ足の質問の回答です。そんな簡単なものではないですよね!

まとめ


今回、知らなかったこと、気付かされたことがたくさんありました。できれば、もっと時間が欲しかったですね!聞き逃してしまったことの方が多いかもしれません。私は、転院して主治医に恵まれ、スタッフにも恵まれています。でもこういう医療講演会や相談会に参加することで、ついつい狭くなりがちな世界が広がることも多いのです。

パーキンソン病の友の会に入ったり、交流会に参加すると思わぬ情報が入ってくることがあります。転倒に充分気をつけながら、できるだけ参加してみるのも良い刺激になるのではないでしょうか?

ただ、iPS細胞でパーキンソン病は完治すると思っていたのですが…どうやら、まだそこまでは期待できないかも。いったんは増えた細胞も時間が経つにつれて、また元のPDになってしまうのでは?とのことです。

けれど、少なくとも再生医療が実現すれば、今飲んでいる薬の量を減らせることは確かなようです。毎回のことですが、焦らず、期待し過ぎず、諦めずに頑張りましょう。

コメント

  1. Elia より:

    ブログ主さん、こんにちは!
    刀根山病院の医療相談会の内容を知りたいと思っていたところ、こちらにアップされていたので嬉しくなりました。東京に住む私たちは、刀根山病院に行くには遠すぎますが、大阪空港よりすぐなので、一度、すくみ足外来でお世話になったことがあります。
    今日、ちょうど、もう一度、すくみ足外来に行く予定でいましたが、折も折、デュオドーパの試しのため、入院していて伺えませんでした。
    休薬、という考え方、すごいです! 東京では減薬、休薬などという「オソロシイ」ことをしてくださる神経内科医はまずいません。薬を増やしていくのが神経内科医の仕事なのですから。どれくらいの人たちに効果があるものなのか、知りたいです。そして、効果があるのなら、その方針で治療してくださる病院が増えてほしいものです。

    • おはようございます。私が通院しているクリニックは「おかしい!」と思えば、まず直近の薬を減らします。薬は足し算ではなく引き算という考え方です。直近で処方した薬を減薬しても治まらない場合は、別の方法を考えていきます。薬で薬を抑えるという方法はあまり取りません。今、新しく出たアジレクトを飲み始めました。心配していた通りジスキネジアがでました。(私は、自律神経障害が酷く、ジスキネジア、振戦はあまり出ません)主治医に相談したところ、別の薬を徐々に減量してみましょうということになりました。最終的には、服用する薬の種類は増やさないというようにしたいそうです。この2年間で3.5錠だったレポドパも3錠に減量してます。

  2. Elia より:

    「薬は足し算ではなくて引き算」、本当に素晴らしいですね!
    主人は7・5錠です。今、薬の調整で入院中ですが、さらに増えることと思います。

    • かならずしも、それがベストと言うわけではないのですが。以前、私が薬を変えた時に下痢を(すみません)おこしまして、あまりの腹痛につい、内科でもらっていた腹痛止め(これが良く効くんです)を飲んでしまいました。それを、主治医に後になって話したところ、そういう時は、その直近で渡した薬を減量してみるか今まで服用している薬で疑わしいものを減量して様子をみないとダメ。そういう時こそ連絡をしなさい。と言われてしまいました。何が原因だったのか分からなくなるからだそうです。エフピーでジスキネジアが出た時も、抗うつ剤を断薬してまで服用したのだからとシンメトレル(アマンタジン)を増やしてもらいました。ブログ記事の中に信じられないような“浮腫んだ足”になった画像を載せてますが、薬を増やしたための副作用です。減量すると、徐々に浮腫みは引いていきました。全てがそれで解決するわけではありませんし、自己判断談は禁物です。でもレキップ12㎎を8mmまで減量して、アジレクトのジスキネジアはだいぶマシです。そのあたり記事で書きますね。

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