パーキンソン病の薬を飲み始めて7年目!自分には縁がないと思っていた『治験参加』…いろいろ考えさせられます。

パーキンソン病

このブログでも今までいくつもの治験の話しや、その時点で実施されていたパーキンソン病に関する新薬、医療機器などについて取り上げてきました。

それでもまだ心のどこかに「まだ治験に参加するなんて、私には早いかも…」なんて悠長なことを考えていたのです。服薬当初は乗れていた自転車。いつしかこぎ出しが難しくなったり、急に止まった時に足が上手く出ずによろけてしまい断念。

ONの時は周りからは難病患者だと分かりにくいと言われていたのに今では誰からも“判別可能に!”。黄色信号は走って渡る!だったのが、渡り切れないと思ったら絶対に止まる。それも“突進”が出てはいけないので車道ギリギリではなくチョッと手前辺りで止まる感じを目標に。

腕は意識して振っています。自分の中では変なんじゃないの?くらいがちょうど良いみたい。それ程私の体は固まっているのです。まるでベリベリと皮をはぐように体から腕を話して腕を振り、かかと!かかと!と頭の中で呪文のように唱えながら歩きます。

これだけでも視線が5㎝くらい上がります。この地上5㎝が大切!!たかが5㎝、されど5㎝。視線が上れば見える世界も違います。“何をオーバーな”と思われるかもしれませんが、可能であれば歩くときも“反る”のではなくて“肩甲骨を寄せて”、“胸を広げる”。ほんの少しですが遠くの景色まで見えるようになります。5㎝の威力です。

でも健常のときは、意識すらしなかった“歩くということ”、“喋るということ”、“ぐっすり眠るということ”、“ゆったりと真っ直ぐに座るということ”、そんなことが少しずつ、そして確実にできなくなっています。悲しいけれど現実です。

パーキンソン病が完治する日…本当に来るのでしょうか?

私が平均寿命まで生きたとして、このパーキンソン病が完治する治療法が見つかる可能性は増々低くなっていくような気がします。iPS細胞も最初は5年か10年の内に実用化されるような勢いでした。

私たちパーキンソン病患者は、どれほど希望を持ったことか…。2012年に山中教授がノーベル賞を授与されてから7年。その計画で行くと私たちは完治に向かって進んでいるはずだったのです。

再生医療学会の方の意見によると「iPS細胞以外にも技術革新が起きていること」が打ち切りの要因のひとつ?ではないかとのこと。科学研究のお金が減ってきている上に“ゲノム編集”や“遺伝子治療”などという新しい技術も進歩している中、ひとつに支援を集中できないのでは?と話されています。そう言われてみれば、そうだけど。

結論から言うとiPS細胞への支援は予定通りという処に収まったようです。どうしてこんなに揺れたのか?若い研究者を育てるためには支援はキチンと最後まで受けられる!ということを示すべきという意見もあったようです。これも、そう言われてみればそうだけど…ですね。

結局、まだまだ先の話し?20年後と言われたら、私はもう治療の対象者ではなくなってしまうのです。一度、夢が現実に?と期待しただけに失望も大きかったですね。日々、研究開発してくださっている方がおられるのは分かっているのですが。

薬合わせが上手くいかない!皆が飲める薬が飲めないのはなぜ?

私には、薬変更の時のトラウマのようなものが残っています。前の主治医との決別を決定的にしたものです。どうも私はMAO‐B阻害薬が合いません。そしてニュープロパッチで“腰折れ、首下がり”の副作用が同時に出ました。

その私に「こんなに飲めない薬が多いんじゃ、もう打つ手は無いよ!薬が飲めないんだからしょうがないじゃん」と、医師であるにも関わらず、平気で言ってのけました。主人と私は返す言葉も無く、ただもう転院するしかないな!と妙な決心を固めていました。

本当にその一言が原因なのかは、定かではありませんが、やはり薬の変更や追加の時は緊張します。“薬合わせが上手くいかなかったらどうしよう”という気持ちが働いているのか?本当に変更したり、追加したりした薬が合わないのか、自分でも分からない…というのも本音です。新薬を飲むのが怖いぐらいです。また、ジスキネジアが酷く出たらどうしよう?吐き気が強く出たらどうしよう?

実際、自分が感じている“不快な症状”は私の“思い込み”からきているものなのかもしれない…毎回、悩みます。でも、今何の抵抗もなく服用できている薬もあるわけですから、一概に“精神的な影響だけ”とは言えないかもしれません。

今回はチョッとではなく相当、本当にショックでした。以前からレキップ6㎎/1日を服用していましたが、私には合っている薬だと思っていました。ですから、新発売のレキップの経皮版貼り薬の『ハルロピ』を使える日が来るのを楽しみにしていたのです。

経口投与するよりも経皮の方が一日中安定した血中濃度を保つことができると考えられるからです。元々合っている薬だから、添付の副作用欄も見ずに、ということは先入観なしに使用したのです。

貼った瞬間からジーンとするような感じがしましたが、特に気にも留めずに使い始めて4日目くらいからでしょうか。体の左半分の痛みがいつもより酷いのです。唇も噛み込んだまま。昼過ぎには、吐き気でトイレにこもる羽目に…。体が全く緩んでこない!

次の日には電話もかけられない状態になり、初めて私の方から主人に会社を休んでもらえないかと頼みました。職場に以前から私の病気のことはカミングアウト済みですから、1、2ヶ月に1度くらいなら有給休暇範囲内で充分に補えます。ただ、日によっては難しいこともありますが。

とりあえず、ハルロピは外し元に戻しました。効きすぎたようです。私には合った薬すら無いのか?薬が命綱のパーキンソン病患者にとって薬に過敏なことは、結構ツラいです。選択肢が狭まりますから。命綱の綱が細~くなってしまうんですよね!

私の頭の中には、ある言葉が浮かんでいました。それが『治験』です。追い詰められていた…いえ、追い詰められている、のだと思います。

ここで『治験』のおさらいです。

治験を詳しく説明していくと、以前にも書いたように長いブログになってしまいます。ここでは、皆がもう知っていると思うけれど“念のため”といった感じです。

まず、大変な苦労の末に選ばれた“薬の候補”、この段階までが長い道のりなのですが。その長い道のりの最終段階が「健康な人や患者の協力のもと行われる試験」なのです。

その試験から得られた結果を国に提出し、審査、承認をされて初めて“薬”として誕生するわけですね!

人を使ってという言い方は誤解を招きますね。人に対して薬の効果・安全性を確かめる試験を『臨床試験』と言います。その内でも薬の候補を用いて行う臨床試験を『治験』と呼ぶとのこと。

治験が行なわれる病院は、医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令という規則に定められた要件を満足する病院だけだそうです。

●医療設備が充分に整っている
●責任を持って治験を実施する医師、看護師、薬剤師等がそろっている
●治験の内容を審査する委員会を利用できる
●緊急の場合には直ちに必要な治療、処置が行える、といったような要件を満たしていなければダメ。治験に参加する側とすれば、当然と言えば当然ですよね。

今、日本ではパーキンソン病に関する『治験』は行われているのでしょうか?

『臨床研究ポータルサイト』によるとパーキンソン病に関する様々な治験が行なわれているようです。参加者を募集しているものもありますね!

例えば、「脳ドパミントランスポーターSPECT検査における最新型半導体検出器装置の性能評価および従来装置との比較」(長い!)という治験が今月12月13日から開始されているようです。対象疾患はパーキンソン病、パーキンソン症候群、レビー小体型認知症で、現在募集中!

また、薬の分野では、レボドパ含有製剤で治療中のパーキンソン病患者を対象としたKW-6356の後期第2相試験への参加も募集しています。

パーキンソン病に関する治験 現在とかのワードで検索した結果、ヒットは332件という多さ!

その中には先日テレビでも取り上げられた“超音波”を用いた臨床試験もありました。驚いたことに、この試験を実施しているの医療機関は複数あるのです。

私が想像していたよりもはるかにたくさんの『治験』が行なわれていました。治験までたどり着いたからといって必ずしも承認され、保険適用となるわけではないのでしょうか?

まとめ

最近、このまま医学の進歩をジッと待っていて良いのだろうか?このままだと、もし治療法が開発されたとしても私は、対象外になってしまうんじゃないだろうか?

と、先の見えない治療法の開発を聞くにつけ、つい自分の頭のなかでは負のスパイラルがグルグルと回っています。

治験を受けてみようか?とそんな気持ちも漠然とではなく、少し現実味を増してきたかのように…。

受けるにしても受けないにしても、治験によっては“命がけ”となるものもあるでしょう。

今後どうしていくかは、慎重に考えていかなければいけません。情報収集を怠らずに家族と相談しながら。ただ、最終的に決断するのは私自身です!

コメント

  1. なっく より:

    2017年9月発症?右足歩行に違和感。病院巡り。
    『PDの薬が効かない』という事で、症候群のCBDかも?という事で検査入院や行政手続き申請等々してきました。
    ダットスキャンはややPDの可能性。
    しかし、確定診断には至らず。
    PDなら凄く効くと、言われてイーシードパール、ニューロパッチ、メネシットなどを服用したけど、全く効果なし。
    筋弛緩剤のエペリゾンにいたっては、2ヶ月後には脱力感が酷くて気持ち悪くなって中止。オンもオフもなく、何時でもオフ。
    しかし、去年11月に同じ病院内で主治医変更があって心筋シンチ検査したら、パーキンソン病で間違いない‼️って。
    私の2年2ヶ月は何だったの?という感じでした。
    去年11月からネオドパストンを1日3回1錠ずつ。アーテン1日2回半錠。ケチゾラムは頓服で、1日2錠。
    確かに服用して30分後には霧が晴れたように効果あります。しかしその2時間後には脱力感と手足の固縮、気持ち悪さで、動けません。医師に相談しても、そんな事は聞いたことが無い。と言われるし。
    メンタルの弱さで薬に負けてるのか?服用するのが怖いです。
    「始めからレオドバで大丈夫でしょうか?今後、副作用は?」と質問しても大丈夫でしょうとのお応え。
    他の種類の薬も試してみたいけど、怖い。
    私に合う薬みつけて欲しいのに。
    CBDなら長生きしない❗からと、なげやりな気持ちだったけど、PDなら今後何十年も生きていかなきゃ😨
    55才の私には先が長すぎる。
    年末年始、雪国の実家に夫のサポート受けて帰ってきました。78歳の母親が一人で頑張ってるのに😢。何の手伝いも出来ず心配かけただけ。昨日埼玉に戻る時には、泣いてしまいました。
    辛いですね。
    また一年が始まります。進行ですかね。
    要支援1から2になりました。とほほ。

    • 私も心筋シンチでした。ドクターショッピングの期間が信じられないほど長く、デパスやソラナックスに頼る毎日でした。やっと病名が分かり治療が始まっても、このPDという厄介な病気の薬選びの難しさにはお手上げです。ニュ―プロ・パッチで首下がり・腰折れが同時に出現した時には、外出先だけではなく家の中でも大きなカートが必要になりました。その後転院し約2年半。私たちPD患者の進行が止まることは無いですが、担当の脳神経内科医がPDに精通しているかどうかも、当然ですが薬選びに大きく影響しているようです。脳神経内科の医師であっても「PDはよくわからない」と平気で言ってのける医師もいますし…。今月末に治験の相談に行ってきます。また報告いたします。コメントありがとうございます。

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